第4回

4. < ロール剛性、ロール荷重移動 (1) >

荷重移動のロール方向についてです。
ロールセンター高さを上げていくとロールが減るので荷重移動も減ると思っている人がいるかもしれないと思いまして。

まぁ結果だけ言うと絵が側面図から正面図に変わっただけで荷重移動はロール剛性やらロールセンターやらに影響されません。
以下前後Gによる荷重移動に同じなので省略


ロール角はロールセンター高さによって変化します。
ロールをモデル化すると図のようになります、また「うちの車はそんな振り子みたいじゃないわよ」って言われると思いますがロールセンターという車体がその点を中心に回転する仮想の点を図示化するとこうなります。

ロール角の式を見てください、重量が重い程、重心が高い程ロールは大きく、ロール剛性(上下で言うところのばね定数)が高い程ロールは小さくなります。
さらにロールセンターが高い程重心高からの距離が小さくなりモーメントのレバー長が短くなるのでロールが小さくなります。

「ほらロールが小さいんだから荷重移動だって小さいでしょ!」、前後と同じですね、そんなことはありません。
(荷重移動)=(ロール角)x(ロール剛性)/(トレッド) だと思っちゃっている人がたくさんいます。
荷重移動の計算でエンジニアでも見落としてしまうのがタイヤのコーナリングフォースです。

だいたい図のモデルでは車体に掛かる遠心力に釣り合う力がないため全体に右の方へいなくなってしまいます。

では次回でタイヤ横力を入れて詳しく説明します。


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