第30回

30. < スーパーバイクは加速の限界に達した? 結果 >

やっと結果にたどり着きました。

<パワー違いの比較>
ベースの200PSに対して40PS上下した160PSと240PSを用意しました、200PSのトルクに係数を掛けてトルクを全体に上げたり下げたりして作りました、結果を図に示しました。

さあ0-400mシミュレーションの結果を図にまとめました。
タイムは200PSの11.20秒に対し160PSが11.35秒、240PSが11.15秒です、160PSから200PSはまだ差がありますが200PSから240PSに上がってもほとんど差がありません。
400m地点の車速は160,200,240PSの順で228, 241, 250km/hです、数字だけ見るとちょっと違う感じです。
一番わかりやすいのが一番速い240PSが400mにゴールした時に200PSと160PSがどこにいるかでしょう、260PS(赤)がゴールした時160PS(緑)は10m手前です、負けたって感じですね、でも200PSは2mしか離されてません1車身てとこです、これなら制御の出来不出来を考えたらほぼ差がないと言っていいんじゃないでしょうか?

車速のグラフを見ると200m、200kn/hまでは200PSも240PSも全然差がありません。
それというのもウィリーしてしまうからです。 前回で述べたように今回の例の諸元ではトラクション限界は1Gですが2輪の限界は0.66Gしかありません、加速中の長い間をウィリーしないようにスロットルコントロールするか制御でトルクを落とさないといけないのでそれ以上トルクがあってもしょうがないのです。
最初のページの式(8)で(前輪荷重)=(前輪分担重量)-(ウィリー力)ですから、ウィリーを抑制して前輪荷重を稼ぐには前輪分担荷重を大きくするかウィリー力を小さくする必要があります。
前輪分担荷重を増やすには重心を前に持って行きますがやりすぎるとスタートの時にホイールスピンしやすくなります。前回駆動限界を1Gと書きましたが実際には4駆じゃないと無理でした、だからもっと低いですね。そして駆動力は荷重に依存しますから後輪分担荷重を減らすとトラクションが悪くなりますね。
ウィリー力を小さくするには
- ホイールベースを長く
- 重心を低く
- タイヤ径を小さく
すればいい事が式から分かります、でもこれをやったらドラッグレーサーになっちゃいます、直線は速いかもしれないですけどもうスーパースポーツじゃなくなっちゃいます。
つまりはスーパースポーツである以上200PS以上あってももう加速はほとんど速くならないと言っていいと思います、左上のパワーと0-400タイムのグラフをみても200PS超えたらあまり向上してませんよね。
この計算のきっかけとなったMotorcycleDaily.comの記事でも120mph(192km/h)までの差を言ってますから今回の結果ともよく合っています。

一つ断っておきますが加速タイムの向上は小さくなりますが最高速はパワーが大きい程速くなります。

今回の計算は一部推定値を使いましたし専門外のこととて物理式に間違いがあるかもしれませんのでいつもほどの自信がありません、ここが違うよっていうのがあればメッセージ下さい。


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