スプリングを変えたらブレーキング時の荷重移動量は変わるのでしょうか?
変わりません、スプリングが固くても柔らかくても関係ありません、変わるのは車両の姿勢のみです。
「サスペンションが固くてブレーキングでタイヤをつぶしすぎちゃうんだよー」ってドライバーが言ってもいいですがエンジニアがそのまんま余所で言っちゃいけません。
ブレーキング時サスペンションにもタイヤにも同じ荷重がかかっています、スプリングとタイヤは直列のばね配置ですから当然です。
スプリングを固くするとスプリングの変位が少なくなります、じゃタイヤは? 同じです。
スプリングを固くしたからってタイヤにもっと荷重がかかる訳じゃないし、スプリングの縮みが少なくなった分タイヤのつぶれが多くなるわけでもありません。
タイヤに掛かる荷重の変動は
[荷重移動]=[重心の高さ] x [ブレーキングG] x [車両重量] / [ホイールベース] です。
ばね定数なんて出てきません、それどころかサスペンションもタイヤも出てきません。
あとよく言われるのが「フロントのばね柔らかくしたらノーズダイブが大きくなってリヤの荷重が抜けちゃう」ですかね。
リヤの荷重変動もサスペンションやタイヤと関係ありません。
上の式で荷重移動と書いたように荷重は移動するので増えたり減ったりしません、フロントで増えた分とリヤで減る分は同じです。
増える分と減る分が違ったら車重が変わったことになっちゃいます、そんなことはありません。
「フロントばね固める>突っ張る>荷重がかかる」、「フロントばね柔くする>フロントいっぱい沈む>リヤが浮く」みたいな論理展開なのでしょうか。
まあ気持ちは分かるような気はしますがこういう“気持ちは分かる“から生まれた講釈がたくさんwebや雑誌に載っています、鵜呑みにしないようにしましょう。