今度はアンチロールバー(以下ARB)のロール剛性です、っていってもほとんど同じです。
スプリング分のロール剛性が計算できるようになったのでARBのばね定数をスプリングのばね定数に換算すれば同じ式を使ってロール剛性が計算できる算段です。
ではARBの換算です。
ARBはアンチロールバーっていうくらいですから“ねじり棒“です、ですから単位はNm/radです、ねじり棒の両端に腕をつけてサスペンションに繋いで左右のサスペンションストロークの差で棒をねじります、そうすると単位がN/mm差 (左右で1mm差あたりという意味)になります。
通常ARBのばね定数がねじり棒のねじり剛性として与えられることは少なく、腕がついてARB一式として両端を1mm変位させるのに必要な力で与えられるのがほとんどです。
これは腕にも曲げの力が働いてたわむので腕もARBの1部になるためです。
そんなARBが車について前回と同じΦのロール角でΔhの変位だったとしましょう、図のようになります(モデル図ですからこれじゃ車が落っこちちゃうとか言わないでください)
車体の両側でΔhですからARBは2Δhだけねじられます、つまり (Karb)x(2Δh)がΔWとなります。
ばね定数の計算はΔWを変位Δhで割ったものです、2Karbとなりますね。
そうです、アンチロールバーのばね定数をスプリングのばね定数に換算するにはARB単体のばね定数を2倍すればいいのです。
それを前回のロール剛性の式のばね定数に入れれば図の赤の下線の式になります、実際のロール剛性はスプリング分のロール剛性とARB分ロール剛性の合計になります。
結果の式だけ見れば簡単でしょ?
注意しなきゃいけないのは時としてARBのばね定数がすでにスプリングとして換算されていて結果が倍になってしまうことがあります。
これは気をつけて確認しないといけません、F3とかスーパーフォーミュラーを作っているダラーラのスーパーフォーミュラの取説にはきちんと「ここでのARBのばね定数は単体のばね定数、つまり両端1㎜差の時でスプリング換算するには2倍してね」と書いてあります。
そのあたりとか単位換算とかでロール剛性の計算は間違っちゃう人がたくさんいます、でももう大丈夫ですよね?