SSER 北海道4DAYS 2018 レポート


 7月に行われました「SSER 北海道4daysラリー」「KTM厚木&チームBOC」として、参加したラリーレポートをお送りします。このレポートは、1dayづつ、一番印象に残った参加メンバーにレポートをお願いしました。ラリー初心者から、3回連続出場の強者まで、それぞれの視線でお送りします。是非、一読下さい。

北海道4DAYS プロローグ


 
*プロローグはムルティストラーダ1200エンデューロで出場を決めた、土谷がお送りします。
(本編は参加者みんなでのレポートとしてお送りします。  別ページで土谷がお送りするレポートはこちらからご覧ください)

 まずはこの話が出たのは、大会開催の半年以上前、昨年までの東北下北半島恐山ツーリングに続き、四国スーパー林道&紀伊半島ツーリングを行ったメンバーのしきり役の近藤さん(KTM690ED)が、昨年に参加したこのレースを、「チーム参加」と言う憧れを口にしたのが始まり。
 同じくKTM690EDで参加した齋田さんがビッグオフロードクラブに参加したことにより、西口さん(KTM690ED)、辻さん(KTM250-6DAYS)、松木さん(ハスクバーナ701ED)と話が盛りあがり、クラブチームで出るなら・・・と、 「私がサポートしようか?」とにわかに盛り上がってきたところに、今年からKTM厚木として新たに店舗を構えた水出さんがサポートメカニックとして同行することで、私も出場する方向に転換。折角出るなら昨年買ったムルティストラーダ1200エンデューロをチョイス。さらに青森県弘前市在住の早坂さん(KTM990ADV-D/K)も加わり、総計7名。CAGIVAエレファントはSSERレギュレーションに合わず、整備もかかるため候補には上がらなかった。

    

 さて、ムルティで出るにしても、名ばかりのオフ車っぽくないこのバイクを転倒しても大丈夫にするには、どうするか。ハンドガードに着いた前方ウィンカーとブレーキ&クラッチマスタータンクの移動、ゼッケンプレートの張り付けスペース、ハンドル外に飛び出している重すぎるサイドミラー、同じバイクでTBIを完走したTさんの助言でリアリフレクターステー重量によるナンバープレートアーム強度不足脱落問題、そして前後タイヤのチョイス。
 半年かけての準備を試すにはDOAマザー牧場大会がまさにテストイベント。ここで左右に2回ずつ倒して問題なかったハンドル回りが自信につながり、残りの改良も自作ステー製作やジャンク部品購入・取付けと本大会2週間前にはほぼ完了。と思いきやディラー整備でメーカー違いオイルの混入や携帯品の装備忘れなど、ギリギリまでドタバタは続いた。そして出発の日、バイクも積み込んで、キャンプ道具、携帯品、予備工具と部品、完璧に出来た装備に穴があったのは、後で気が付くこととなる。
 大会前日2日前、7月10日には、仕事を定時で終わらせ自宅を夕方6時半に出発。名神高速から北陸道、若狭湾道路経由で9時には京都府舞鶴港に到着。ここで、同じラリーに参加するメンバーに声を掛けられる。どうやら、車に貼ってあるJRMのステッカーで声をかけてくれたそう。このメンバーが、SSERイベントの常連さんで、TBI優勝者モンゴルラリー参戦の練習に来ている常勝さん達。私なぞ足下にも及ばない人たちも、こんな1参加者にも気兼ねなく話に混ぜてくれて、行きのフェリーはあっという間に小樽に到着。
 11日は、朝移動で気になった小物品をコンビニとホーセンターで仕入れ、お昼前には会場到着。主催者側の姿はないが、KTMでテントを張っている方に声を掛けると、こちらもJRM繋がりの方々。過去に菅原義正さんが乗っていたセロー(改)でこの大会に出る女性が整備していたが、ガソリンタンクの亀裂によるガソリン漏れ、リアサスのダンパー抜けなどのトラブルも、このチームのメカニックがテキパキとそのスキルで補修、無事スターを果たした。

    

 夕方にKTM厚木&チームBOCが集まる芦別市内の秋田屋旅館に集合。他のメンバーは水出さんの用意したトラックとハイエースでバイクは輸送、人間は飛行機移動。少し遅れて早坂さんも合流。前夜祭として、近くの居酒屋で決戦に向けてエールを送りあった。
 ここで大事な忘れ物に気付いた!なんと、主催者から送られて来ていた参加受理書を忘れたいたのである。これこそ、スタートラインにも並べない大問題。明日朝にコピーして内容を書き換えて提出しよう。ダメだったらすべてがアウトである。不安であまり寝つく事が出来なかった。そして運命の当日朝を迎えたのである。

2018北海道4DAYSラリー走行データ

(大まかに押さえておきたい情報!)
*SS&CP = 開設距離と開設時間
*GS = ガソリンスタンドポイント(最重要チェック項目)
*END = 当日ゴールまでの距離とマキシマムタイム(コースクローズ時間)

7/13 DAY-1
SS-1 215.92~226.59km T=17:00~19:00
CP-1 120.50~129.00km 15:30~17:00
GS 71.71km 141.38km
END 226.59km 20:00

7/14 DAY-2
SS-1 00.00~10.60km
SS-2 419.96~425.39km 16:30~18:30
CP-1 195.00~220.00km 13:00~14:30
GS 22.11km 26.04km 41.79km 141.39km 192.60km 193.10km 351.69km
END 426.88km 20:00

7/15 DAY-3
SS-1 1.51~6.94km
SS-2 354.90~354.9km 15:00~16:00 (エンデューロコース)
SS-3 420.96~427.42km 16:30~18:00
CP-1 260.0~275.0km 13:00~14:30
GS 29.56km 146.95km 224.87km 228.40km 290.05km 408.32km
END 435.12km 20:00

7/16 DAY-4
SS-1 14.71~21.16km 7:45~8:15
CP-1 40.0~50.0km 8:30~9:30
CP-2 140.0~150.0km 11:30~13:00
GS 64.75km
END 181.58km 13:30

北海道4DAYS Day-1

*DAY-1はKTM690EDでエントリーの西口さんレポートです。

自身の北4一日目までのエピソードです。
 僕にとってSSER北海道4DAYSラリー(北4)出場はひとつの区切りであり、目標だった。還暦に到達、頸椎ヘルニアを患い首が痛くて上を向けず、腕にも力が入らない状態。このままどんどん衰えていって、いずれはビッグオフバイクを下りる日が来るのかな?というやるせなさを感じていた。「よし、やれるうちに挑戦しておこう!」最後のチャンスとして2017年の北4に出ようと思いたち、KTM690ENDUROをヤフオクで落とし、ラリーキットも装着。ところが申し込みを待つだけの段階で思わぬ特命の仕事が入り出場断念となった。凄くハードルの高いラリーだし、準備は大変だし、どこかでホットする気持ちがあったのは事実だった。このまま思いを果たせずに終わるのかなあ?
 そんな折り、KTM厚木フロンティアの水出さんのサポート付きでチームBOC有志達で出場しようと言う話が近藤さんの音頭取りで急浮上。これは渡りに船だった。バイクは運んでくれるし、プロの整備サポートも受けられる。自分たちは飛行機で現地に向かえばオーケーと言う、まるで夢のような計画だった。どうせやるなら万全を期そうと思い昨年暮れに頸椎のオペを決心。骨を削るオペを2回受けて身長が1.3センチも縮んだものの腕の力が復活。めでたく出場する事を決めた。これが無かったら多分自分の北4は無かった。近藤さん、水出さん、ありがとうございます!本当に感謝しています!それでは、僕の担当の2018年北4、一日目のラリーレポートとなります。

  

 夕べの芦別での前夜祭宴会は土谷隊長、水出さん、近藤さん、斎田さん、松木さん、辻さん、早坂淳ちゃん、KTM厚木のお客さんの麻妻さん、そして僕の9人での団結式だった。この先の全員無事完走を祈念して乾杯!DOAとかでは、僕はいつも飲み過ぎの二日酔いで思うように走れない困ったオッサンになるのだが、今回の北4は特別!めっちゃ盛り上がったが、僕は日本酒も焼酎もセーブ、うまい焼き牡蠣とか北海道名物の「コマイ」とかが出てきて困ったが、ビールと酎ハイで軽く抑えた結果、体調万全、ナイスな朝を迎える事ができた。
 芦別の秋田屋旅館からはクルマで移動、スタート集合場所のスターライトホテル前に集合。今回、全面的にサポートをしてくれている水出さんのおかげで、飛行機と電車とバスで楽に移動してきた我々だが、自分のバイクとはここで対面、トラックからバイクを下し車検に向かう事となった。わずらわしいがその前に受付を済ませ、ウェアやブーツ等の装備のチェックを受ける。チェックはかなり細かい。ヘルメットの裏地を剥がし、製造年のチェックまでされた。そのあと、エマージェンシー装備の携行チェック。そして預け荷物(ダッフルバッグ)の計量。20キロ以上だとアウトだが、僕は13キロしかなかった。これも、水出さんのサポートカーのおかげだ。サポートカーに預けた荷物を足すと多分30キロ近くはあったはずだ。
 そしてやっとバイクの車検。僕のKTM690EDはナンバー灯の光が後方に漏れているのと、ETCの配線に問題があるからと言う事でアウト。やはり歴史あるラリーだし厳しい。配線をやり直し、ナンバー灯に簡易的にガムテープを貼って漏れないようにして出直すことに。ここまでで、サポートカー横の基地テントの場所と車検場の間を重いブーツを履いて装備を運んだり、バイクを押したりで行ったり来たりを何回も繰り返したことで、走る前からハアハア息が切れて心臓ドキドキのヘトヘトふらふらになるはめに。サポートカーがあってもこの疲れかただから、無かったらと想像すると・・・ラリーは走り出すまでが本当に面倒で長い。
 やっとのことでロールマップをもらい、マップホルダーに装着。これはDOAみたいにマップをセロテープでつなぎ合わせるのではなく、初めからロール式となっているので巻くのが楽だった。そのあと開会式、そしてブリーフィング。CPまでの距離、CP、SSの開設時間をガムテープにマジックでメモをし、ハンドル周りに貼りつけていく。スタート前の昼食で海鮮どんぶりが配られたが、スタート前になんで生もの?大丈夫かいな?準備で疲れて胸いっぱいで食欲はゼロだったが、長旅前の貴重なエネルギー源なので無理やり腹に詰め込み、いよいよスタートとなる。
 ゼッケン順に30秒間隔でリエゾンスタート。ボクは縁起の良い38番(ドリカム美和ちゃんのラッキーナンバー♪)で、トップから19分後の順番だ。出身地と名前を一人ひとりマイクで紹介されながらのスタートとなる。いやはやかっこ良いぜ!さあいよいよだ! ここまでが本当に長かった。午後からのスタートなのにゴールは約200キロ以上も先だし、さすが北4、スケールデカ過ぎ!

  

   

 天気は小雨だけど暑くもなく寒くもなくで上々、北海道らしいフラットで長い林道を土谷隊長(DUCATI MULTISTRADA 1200 ENDURO)達と気持ちよく快調に飛ばす。ちょっとスピード調整をして待ち、スタートが後のBOCメンバーみんなと揃って走る事も考えたが、お互い好みのスピードが違うし、もしもの時間オーバーとかで他人のせいにはしたくないので、自分のペースで走ることにした。しかし、不思議と揃って来るもので、いつの間にか近藤さん(KTM690ENDURO-R)とのランデブー走行となる。しかし近藤さんは本当に上手になられたなあ。アクセル開け開けなので後ろに回ると石がバンバン飛んで来るし、マジで速い。ほんの3年ほど前まではテネレ660でなんでもない林道で転びまくっていたのに凄い上達ぶり。危なげない走りでガンガン一緒に飛ばして行けた。
 コマ図を見ての走行なのでどこへ行くのか知り得ないが、なんとなく道北に向けて上がって行くのがわかる。途中、林道の中でほとんどのライダーが間違うポイントがあった。右折のポイントがほんの10メートルほどの間に2本あり、みんな奥のフラットな林道に突入。しかしその先が全くマップと合わず、続々とUターン。
 それでも後からあとから後続が突っ込んでくるし、渋滞が起きるほどだった。やっと手前の林道に入ったが、まるでDOAのアタックポイント並みの難所だった。草まみれの薮コキ、グジュグジュのヌタチュル&突然のクレバス。こっちは軽い690だから良いものの、土谷隊長は馬鹿でかいドカのムルティー1200なのでさぞかし苦労していることだろうなあ・・・・と思いつつも先を急ぐ。
 そして一つ目のCP到着。手違いがあり、オフィシャルカーの到着遅れ等の小さいトラブルはあったが、まあまあ順調にラリーは進む。その後のコマ図走行は噂どおりに簡単だった。ラリーメーター(RC-7)があれば距離は完璧だし、距離間隔の細かいDOAを迷わず走れる人にはちょっと物足りないだろう。しかし、リエゾン林道は本当に長いしゴールはまだまだ先、遠いなあ!
 そんなこんなで約200キロ走り、いよいよSS1が近づいて来る。距離が近づくにつれ、だんだんドキドキと心臓が高鳴ってくる。コマ図に従い薄暗い林道に入って行くと、遂にSS1スタートのフラッグが目に入った。
 各ライダーは到着順に30秒間隔で順次スタートとなる。みんな前方をまっすぐ見据え、無言で縦に並ぶ。談笑する声は全く聞こえない。オフィシャルが指で秒読みカウント。「15秒前!」「5秒前!」バイン!バイン!前走車が空吹かしをして次々と全開でスタートして行く。僕の一人前には偶然早坂淳ちゃんがいて、KTM990ADVで無言で待機。順番が来ると、落ち着いてスタートして行った。
 気合を入れなくても前走車を見てると嫌でも気合が入りまくるが、とにかく一本目、ここでいきなり転倒したりコースアウトすると全てが台無しだ。北海道行きを許してくれた嫁さん、家で待ってるかわいいワンコ達。お父さんは無事帰るからなあ! ワザとドリカムの歌を「フンフン♪」と口ずさみ、テンションを落とすことに専念していると、いよいよ自分の番がまわって来た。
 SS1スタート!前半は幅3メートルくらいのフラットな登り直線中心の林道だが、両側から枝や葉っぱが生い茂り、コーナーの先が全く見えない。きついカーブか?と思ったらそうでもない高速コーナーだったりで、ついつい減速し過ぎる事もある。前走車が付けたブラックマークを頼りに走るが、S字コーナーは最短距離の真っ直ぐのブラックマーク、右コーナーは右側轍をなぞって削れた跡がついている。ひえー凄い!
 「そうか、クローズドコースだから対向車は来ないんだ!」って気を取り直して必死に跡をなぞって飛ばす。いつものBOCツーリングで、高橋良くんや池内師匠達とプチ競争する時くらいの、ちょい飛ばし気味のスピードでブラインドコーナーに進入してみる。でもいつものキープレフトじゃなくコース幅を一杯使うと全然突っ込みが足らず、立ち上がりで出口外側の道幅がいっぱい余る。前走のトップクラスの人たちは、外側ぎりぎりまで使って爆走しているであろう事が、残されたブラックマークでわかる。コーナーからの脱出は2速、3速全開!4速にも一瞬入る。わおー、めちゃ長い直線だ!でも幅が狭く、怖くてせいぜい90キロ止まり。オーッとコーナーだ。690はスリッパークラッチのおかげで急なエンブレとフルブレーキでもエンストしないのであり難い。
 ここで今回の新兵器、シンコー216MX-216SXが威力を発揮した。去年のSSERチャンピオンの泉本選手も選んでいると言う逸品。MT21とは比較にならないほどグリップし、一気に減速できる。なーんだ、まだまだ行けるんじゃないか~。と言うことで、どんどんスピードアップさせて行く。
 この北4のSS、コマ図はあるにはあるが、全く見なくても走れるようになっていて、間違いやすい所にはオフィシャルカーが止まってくれていたりする。とにかく北海道は超ハイスピードなSSが多いので、もしミスコースして引き返して来たバイクがあると重大な正面衝突が起きる、それを避けるためだとか。
 山を登り切ったところで今度は連続下りコーナー区間に入る。この辺に来ると少し様子がわかってきて自分では結構攻めてるつもり、これはひょっとしたら上位でゴールできるかも?なんて自己満足でほくそ笑んでいると、左の下りコーナーで転倒してうずくまるライダーが!ハスクバーナっぽい色だが、ライダーは倒れたままで全く動かない。止まって助けようかと思ったが、SS途中だしごめんね、そのまま通過する事に。
 後でわかったが、この方、藤原さん達のAビッグのお仲間でいつもはBMW-GS-ADVに乗ってらっしゃる方だった。去年秋のDOAでも温泉で一緒になったりして顔見知り。ハスク701ラリーバージョンで出場されていて、スタート前に「頑張りましょうね」とお互い挨拶したのに。どうも股関節脱臼で戦線離脱されたらしい。お気の毒な事です。
 しかしゴールは遠いなあ。距離は10キロそこそこだが、ずっと全開だから集中力が切れそうになってきて、口の中がカラカラに乾いてくる。そんなこんなでやっとゴールのフラッグが見えて来た。CP100って書いてあるフラッグがゴールだと思ったので、僕はそこでちゃんと一旦停止した。するとだいぶ先でオフィシャルさんが、おいでおいでと手招きしている。あれ?ゴールはどこなん?パイロンのところ?どこー? って事で僕のSS1初体験は無事終了した。あー面白かった。

   

  この、CP100での一旦停止の件。どうやらCP100フラッグでは止まらずそこから減速、その先のパイロンで停止すれば良かったと理解したのはSS3日目の事でした。タイムはだいぶ損したが、まあそんなこともラリーの内って事です。
 ゴール後、オフィシャルさんが言うには、今晩の泊りは正面のホテルですと。温泉もあり布団で寝られるらしい。小雨の中、テント張らなくちゃ、と思っていたが、とんだ誤算、疲れていたのでホントうれしい。
 で、バイクを進めると、水出さんがオレンジのKTMテントを張って待っていてくれた。ちょうどその頃雨脚が強くなってきていたが、全く濡れないところにバイクを止める事ができる。他のプライベーターの人たちは濡れ鼠になっている。水出さんは早速バイクをスタンドアップし、チェーン清掃やスポークの増し締めとかをてきぱきとやってくれる。まるでワークスライダーになった気分だった。
 そのあとは風呂に入って疲れを取り、バイキングでの晩飯の時間。開設は18時から20時までと、そこはやはりラリーなので時間は正確。ぐずぐずしていると食いそびれてしまう。いつまでもだらだらと宴会と言うわけにはいかないが、チームKTM厚木&BOCメンバーが集まり生ビールで乾杯!初日全員完走!最高の気分で検討を称え合った。
 その後、夜遅くになって、SS1の結果が壁に貼りだされたが、あれほど頑張ったのに11分33秒で完走52台中21位と言う結果に。早坂淳ちゃんはさすがSSER常連さん、僕より5秒早い11分28秒で20位ゴール。あれれ、負けちゃったなあ!でも明日はもうちょい頑張ってリベンジするぞ。1位はなんと、9分34秒だとか。なんと2分も早い!10キロそこそこの長さでどうやったら2分も早く走れるのかわけがわからない。まあ悔しい結果だが、初参加で無事完走できたので良しとするか。

レポート範囲の管轄外(笑)ですが、ちなみに2日目朝1番のSS2、リベンジ挑戦の結果。
 昨日のSS1と逆方向に走るコース。SS1のタイム順でスタートした。僕は21番目でスタート。2回目のコースだしだいたいの路面のグリップ感やコーナーの大きさが読めるので、昨日よりだいぶん攻めて見た。コーナーでは轍のバンクをフルに使ってコーナリングスピードを稼ぐが、例えば右の轍のバンクから左の轍のバンクに乗り換える時が怖い。こんなことは普段のツーリングではできないが、S字連続コーナーでは最短距離を走るため、右の轍と左の轍の間にある草ムラの上をまたいで走ることになる。でも「もし草の中に石とか隠れていたら吹っ飛ぶな!」とかは絶対考えないようにしないと怖くて全開にできない。直線も多分100キロ超えまで飛ばしてみた。会社には、「甥の結婚式で北海道に行ってきます。」と言って来たのもついつい忘れ必死に走った結果、20番目で僕より30秒前にスタートした淳ちゃんの背中が見え出したところで、昨日5秒負けた借りは返し、リベンジ完了。
 結果、10分58秒。昨日とは逆方向だが35秒短縮し、15位でフィニッシュ。シングル入りまでには残りまだ30秒くらいの短縮が必要だが、それは無理な相談だ。これがまあ今の僕の限界です。
 トップは9分13秒で1分40秒以上も先。原モータースの原さんもあのデカい1200GSラリーを振り回し、10分10秒で8位。1200GSで4速全開で走るんですって!ひとつ間違うと崖落ちか立ち木に激突するかも知れないのに、この人たちは薮の先の見えないコーナーを見通す超能力でもあるのだろうか。いやはや、凄い方たちだ。

  

 北4のSSを走ってみて思ったことは、エンデューロとかモトクロスの草レースで相当速い人でも、ここでいきなり上位に立つ事は難しいだろうってこと。エンデューロコースには絶対無い、何百メートルも続く細いフラットダート林道の直線、その先の、木の枝や葉っぱで隠れて見えない先に突然現れるコーナー、急カーブかと思えばとんでもない高速コーナーだったり、かと思えばそれがまた突然急カーブに変わる事もあり、巨大な水溜りやギャップが現れることもある。そこを三桁のスピードで走りながらも瞬時に先を判断し、できるだけスピードを殺さずにタイムを削り取って行かなければならない。バイクを正確に操る体力とテクニック、ダートを高速で走り続けられる並外れた気力と集中力と、瞬時にコースの先を見抜く判断力。それらがひとつでも欠けたら勝てないのだろう。正にパリダカールラリーの世界を少しだけ垣間見た気がした。(以上1日目レポート終わり)

(後日談)最終日が終わった後、たまたまホテルの温泉の露天風呂内で、2位入賞の杉村さんや原さん達と出会う機会があり、彼らの鍛え上げられたボディーを目の当たりにすることとなった。まあ、皆さん腹筋はバキバキに割れ、筋骨隆々!本物のアスリートでした。ごめんなさい、参りましたです。

北海道4DAYS Day-2

*DAY-2はKTM250-6DAYSでエントリーの辻さんレポートです。

 犬もバイクも溶けてしまいそうな記録的猛暑日が続いたこの夏。松井秀喜の始球式で幕を開けた夏の甲子園野球のアナウンスでも、熱中症に注意するようしきりに呼びかけていた。地方大会を勝ち抜いて来た全国56校の球児たちの勇姿をテレビで見ながら、偶然にも56名のエントリーがあった北海道4DAYSラリーの記憶を呼び起こしてそろそろレポートを書かなければと考える。だが、あれはいつの出来事だったのかと、もはや自分にとって遥か遠い記憶になってしまっていることに気付き愕然とする。いや、あるいは真夏の夜の夢として忘れ去ってしまいたいという気持ちが、無意識に働いているのかもしれない。

  

   

 西日本を襲い、今なお深い爪あとを残している7月の豪雨。道路は寸断され、鉄道も甚大な被害を受けて復旧まで相当な時間がかかりそうだという。勤務先で7月に人事異動があり、新しく受け持つことになった部署では、洪水被害にあった関係者の情報をかき集めようと努力している部下がいた。その労をねぎらいながら、あなたの新しい上司はこれから涼しい北海道でバイク三昧の日々を送ろうとしているんだよ、と、心の中で自責の念にさいなまれていたのが、出発3日前のことである。行くべきか、やめるべきか…。えーい、ウジウジ考えても仕方がないと割り切って、後ろ指を指されつつ白い目で見送られ、何とかたどり着いた北海道の空はどこまでも澄み渡っていながら、自分にとっては湿り気を帯びた重いものであった。
 「これがラリーです」。第1日目の夜、貼り出された順位表を見ながら落ち込む身に、水出さんの言葉が妙に心にしみる。言い訳にもならないが、ラリーの何たるかもよく理解しないまま、初日の芦別スタートを切ることになった。DOAよりシビアでハードな内容であるという点は覚悟していた。が、それは距離が長いとか、林道がきついということであって、途中にもうけられたクローズドコースでのタイムアタック(SS)がすなわち順位に直結するという認識が今一つできていなかった。だから、初日のSSでブッシュに突っ込んでいるハスクバーナの脇に仰向けに転がって身じろぎしない参加者を見つけ、こりゃ助けなきゃとバイクを降りたとき、まさかそのあと割り切れない気持ちを引きずったままラリーを続けることになろうとは、ちりほども考えなかったのである。
 左カーブを曲がり損ねてブッシュに突っ込んだゼッケン7番ハスクバーナを引っ張り出して、平らな場所に移動。猛烈な勢いで突っ込んでくる後続車に注意しながら、雨の中、倒れたままの7番さんに様子を聞くと、まったく身動きが取れない。股関節を脱臼したか骨折したかもしれないという(後に大腿骨骨折と判明してリタイヤ)。途方にくれていると雨がさらに激しくなって来たので、本人を抱え起こして背中のリュックからカッパを取り出して彼の上半身にかける。しかしもうそれ以上何もできないので、オフィシャルに救助を頼んでおくよと言葉をかけて、ようやくその場を後にする。これが普通の林道コースであればなんということもない話なのだろうが、SS区間だとおマヌケである。試合に負けてからルールを知りませんでしたなんてことを言うバカな甲子園球児はいない。勝つためには必死で練習してひたすら戦うのである。ラリーも同じで、たとえ道端で赤子が泣いていようが、美女が裸で手招きしていようが、決してバイクを止めてはいけない。何があってもとりあえず走りきる。それが鉄則である、らしい。困った人は助けましょうという博愛精神は必要だが、一旦SSに突入したら鬼になる。まあ、そうだよなあ。ゴール地点でオフィシャルに報告すればいいことじゃん。お前ができたことなんてほとんどないわけだからさあ。こんな心の声を反芻しながら残り3日間を走るハメになってしまった。水出さんの言葉が再び心の底でこだまする。「これがラリーです」。
 まあ、そんなわけで翌2日目は自分が最後尾スタートだから開き直って気楽に行こうじゃないかと心機一転、昨日のSSでは途中でウンコしていたと思えばいいじゃんと自分の気持ちを切り替える。これから少しずつ順位を上げていく喜びもあると思っていた。ところが、思いもよらず人騒がせな出来事を起こしてしまったのである。出発地の芦別にはあったはずの自分の荷物が見当たらない。

   

 今回はオフィシャルに預けるものとは別に水出さんのサポートカーが付いていてくれるので、着替えや予備のマップケースなどは別のバッグに入れておいた。そのバッグがどこを探してもないのだ。焦り始めて水出さんに尋ねてみると、そのバッグは残しておくものと思って芦別に置いてきましたとの返事。い、いや実はそのバッグの中にはDAY3とDAY4のコマ図も入っているんですけど。……じゃあ、明日戻って取ってきます。
 水出さんの判断はいつも早い。「これもラリーです」。しかしここは名寄で、明日はどこへ行くのかだれも知らない。いや、正確にはオフィシャルしか知らない。1日500km以上走るラリーで、芦別に戻ってバッグを取ってさらに次の宿営地に向かうなどということが本当にできるのか。そして、その間にほかのメンバーに何かアクシデントがあった場合サポートはどうするのか。出発時に水出さんに預けるべき荷物をしっかり伝えておかなかった私のミスだ。サポートカーがあるゆえの油断。重量制限を気にせずいくらでもモノが運んでもらえると思っていた甘い考えが招いたミスである。水出さんのみならず、ほかのメンバーにとんだ迷惑をかけてしまうことになった。皆さん、ごめんなさい。しかしマップケースにDAY2までのコマ図をあらかじめ巻いておいたのは良かった。
 この日のラリーはとりあえず走れる。と思っていたがどうもマップケースの調子が悪い。メルカリで購入したプラモの部品を多用して作ったその電動マップケースは春のDOAでは大活躍。そいつがどうも調子が悪いのだ。調べてみるとコマ図を巻き取るためのロッドの片側のビスが締めこまれてしまっていて、モーターの回転に支障が出ているようだ。あれやこれやいじってみたがうまくいかず、手動に切り替えようにも、ロッド同士を結ぶキャタピラが引っかかり、にっちもさっちもいかない状態。仕方なく一旦マップをケースから外し、キャタピラを切断してロッドのビスを緩めてハンドルレバーに輪ゴムを巻いて何とか手動で回せるように。思えば、6月の強化合宿からすでに兆候はあったのだ。普段使うことのないマップケースは安いものでも充分、と、いい気になっていた自分に反省。やはり装備は信頼できるものをしっかり取り付けて参加すべきである。皆さん、ラリーに参加するときはケチケチせず、しっかりした装備で臨みましょう。備えあれば憂いなしです。
 かくして私の北海道4DAYSラリー珍道中はこうして2日目を迎え、名寄を出発して北上、宗谷岬で折り返し、中頓別まで走る426.88kmの長~いルートの幕が切って落とされた。昨日のゴールがこの日のスタート地点。いきなりSSなので、スタート地点は熱気でむんむんしている。皆、ものすごいスピードでスタートし、見る見るうちに林の中へと消えていく。昨日のルートを逆に走る。4人抜いたところでSS終了。やはり前日の事故現場を通過する瞬間には心がざわついた。

   

    

 その後距離の長いフラットダートをひた走る。土谷さんはこのダートコースで3桁のスピードを記録したそうだ。私の小排気量車では、当然出ない数字である。その後は土谷さんとオホーツク海を右手に見ながら北上。CPも海沿いの砂地に設定してあり、ハンドルを取られないよう慎重にぶっ飛ばす。ふと気付くとナンバープレートがステイごと内側に大きく折れ曲がっているではないか。これではまずいと手で戻そうとするが、ステイが硬すぎてうまくいかない。やむなくステイは諦めてナンバープレートだけ何とか手で曲げ戻して走るハメに。
  さらに北上を続けているとやがて道路標識に宗谷岬の文字がちらほら。もうすぐ日本最北端というちょっと手前で 絶景のフラットダートに突入。主催者の粋な計らいに感謝する。宗谷岬に到着して記念撮影をしていると、近藤さん西口さんも到着して、4人で一緒にパチリ。もう少しゆっくりしていたかったが、時間もないので先を急ぐ。
  遠くに利尻富士の雄姿を見ながら、今度は南下。舗装道路をただただ走り続ける。土谷さんのドカティのテールライトを追っかけながら。大型バイクについていくのが辛くなって来たころ、ようやくこの日2本目のSSが近づいて来た。手回しのマップホルダーや乾きやすいコンタクトレンズのせいにしたくなるような情けないタイムでSS終了。まあ、スピード競技には向いていない人間ってことなんでしょうか。まあ、それでも何とか無事ゴール。
 水出さんはその日のうちに芦別まで戻り、私の荷物をピックアップした上で、ゴールで待っていてくれた。本当にご迷惑をおかけしました。そしてその疲れをまったく見せることなく、到着したメンバー全員の車両点検とタイヤ交換を次々とこなす姿に頭が下がりっぱなしであった。
 この日は当初、テント泊の予定だったが、翌朝が雨の予報だったため主催者が急遽ロッジをとってくれた。ただ、50名が3棟に振り分けられたため、一人当たりのスペースが狭く、荷物の置き場にも困った。近藤さんはテント泊という選択をし、土谷さんは水出さんのトランポに寝ることに。これもラリーなのだろう。北海道4DAYSの2日目はちょっとした混乱の中で幕を閉じた。

  

北海道4DAYS Day-3

*DAY-3はKTM690Enduro-Rでエントリーの近藤さんレポートです。

 はーい、大会3日目は近藤@KTM690Enduro-Rが担当です。オフロード新参者の私が、無謀にも昨年の北4に参加し無事完走したことが、諸先輩の負けず嫌い虫に火をともし、ついに今年のBOCチーム参加につながった大きな要因であることは、ご承知の通り。
 昨年はオフロード未熟者という自覚により、絶対にケガをしないぞ、なんとしても完走するぞという目標で慎重運転に終始した結果、むしろ望外の40位台前半という結果につながりました。今年は2度目の参戦ということで昨年より少しでも早く走ってやろうという欲がSS区間での度重なる転倒につながり、結果的に昨年より全般的にひどい結果となってしまいました。なかでも3日目はもっとも苦労した日でした。

前日までの回想レポート
 大会2日目の朝7時半、道北中頓別のピンネシリ温泉ホテル望岳荘の用意してくれた朝食をたんまりと平らげた私達チームメンバーは、スタート位置の脇に陣取りトップ選手たちの雄姿を見守りました。ホテル前に参加者のバイクが揃い前日までの総合成績順に出発するのですが、この日のスタートロケ―ションは抜群でした。スタート地点そのものがダートで、低い山並みに向かって少し上り坂を150メートルほど直進し、左にゆるくカーブするという流行り言葉でいうならインスタ映えするスタート位置です。
 何しろ速い!どうなっているんだ!というのが正直なところ。トップ選手たちは飛び出したと思ったらぐんぐん加速し、ブレーキランプも灯さずにゆるいカーブをむしろ加速していくかのように、すっ飛んでいくのです。いやはや、別世界の住民が同じレースに参加できていることが北4の魅力の一つだと感じた一コマでしたね。
 私はゆっくりのんびりとスタートしましたよ、端から見ればね。当人としては、アクセル開け開けの気分なんですけどね。直線路では少しおしりも振りましたから・・・。

   

   

 さて、3日目はスタートして間もなく、SS4のピンネシリ林道です。ここは2日目最後のSS3区間を逆に登っていく区間です。登りはいいんです、ドクターXばりに「わたくし絶対に失敗しませんから」って、遅い登りは誰だって転ばないですよね。それに昨日走っているだけに、なんとなく安心です。
 ここからオホーツクの海岸までのリエゾン区間は、4日間のなかでも最も長く感じた人が多かったのではないでしょうか。道北から南下しつつ、宗谷支庁から上川支庁そして網走支庁まで山間部が続き、少し平地を走ったと思ったら、山登りと山下りが繰り返し現れるルートです。言ってみれば走りごたえ、噛み応えのあるルートでしたね。しかも、スタート時分にはパラパラとまばらな雨でしたが、走るほどに雨脚が強くなり、バイクも身に着けたカッパもどろどろです。リエゾン区間が長―く感じたのは、そのせいもあるでしょうね。
 昨年の道央から道東を往復したルートでは多くの人が抱く北海道らしい雄大な風景の中を走るリエゾンが続きましたが、3日目午前のリエゾンはむしろ北関東から南東北の山中巡りの雰囲気とどことなく似ているように感じました。平地の人家の少なさが大きな違いです。
 どこだったか全く覚えていませんが、山から下りて背の高い草木に囲まれた緩いカーブをしばらく走ったら、本当に久しぶりにコンビニが正面に見えてきました。人の気配というものの安心感を強く感じました。みなさん、ここで休憩&昼食です。西口さん、松木さん、斎田さんらチームのメンバーとも再会です。斎田さんは、ラリーメータが故障したそうで、他の参加者を追走する状態になって困っていましたが、コンビニにラリーメータの制作者の中村さんが到着して部品交換してもらいました。
 午後からは雨もほぼあがり、オホーツクのコムケ海岸の砂地ルートなどは楽しめました。少し雨も含んでいてラッキーでしたが、乾いていたら難所でしたね。ちょうど早坂さんや土谷さんと一緒になり、早坂さんについて深砂の上を走ったので安心でした。
 そこから西に走るルートはフラットな長ーい長―い道で、疲れがピークになってきまて、途中、用水路の脇のガードレールにバイクを止めて、へたりこんだように非常食のチョコレートをかじっていた初老の男を見かけませんでしたか?あれが私です、はい。
 その疲れのピークに合わせるように主催者は恐ろしいSSを用意していました。SS5です。国道を脇に入った単なる草っぱらのように見える臨時のコースは、途中に水路があり数日前からの雨もたっぷり含んでおり、ぜんたいにヌタヌタです。
 前半の登りをなんとかやりすごし、右に大きくまがったところは、なんと沼のような場所に突入です。懸命にアクセルを開け開けで、沼を過ぎたと思った気の緩みがいけなかったのでしょう。ハンドルを大きくとられて、気が付いたら左の深さ30センチばかりの水路にバイクが転落です。私はバイクより前の草地に飛んでおりました。
 必死に水路からバイクを持ち上げようとしますが、何ともなりません。数分は格闘したでしょうか。「ああ今年の北4は終わった」「主催者のスイーパー車両を待つのみか」と思ったら、すぐ後ろで大型オフローダーがコース上で転倒です。なんと大会唯一のドカティじゃありませんか、土谷さんじゃありませんか。何という天恵、ふたりなら何とかなるかも。駆け寄る私を見て、土谷さんも同じことを考えたでしょうか。

   

 まず、土谷さんのドカティを二人でおこしてルート外に避難させ、続いて私のKTMは水路からフロントタイヤを脱出させ、なんとか草地に戻すことができました。ありがとうございました。完走できたのは、土谷さんのおかげです。
 この日最後の林道、SS6の鍾乳洞線は昨年も走った快走路です。前半は直線が少し長くカーブも緩いから、アウトインアウトのコース取りでアクセルを回せます。しかし、このころには、いささか体力の限界を超え始めました。後半は長い下りでヘアピンが連続しています。体力を振り絞り、気力を振り絞りでしたが、ゴールまで本当にあとわずかというところの下り左カーブで速度を制御しきれず、今年のSS区間として4回目の転倒です。じつは、リエゾン林道では4日間をとおして一度も転倒していません。おのれの欲と未熟な技量がすべての原因です。反省点、多し。
 3日目のビバーグ場所は、とうまスポーツランドキャンプ場です。去年もここでテントを張りました。ゆっくり風呂に入り、食事会場に行ったら、バイキングはほとんど平らげられていました。
 遅く食事会場についた私と松木さんは、残っていたご飯と具のほとんどないスープと漬物をひたすら食べて腹を膨らませるほかありませんでした。その瞬間は愕然としましたが、これもまた良き思い出となりました。##

北海道4DAYS Day-4

*DAY-4はKTM690Enduro-Rでエントリーの斎田さんレポートです。

 本日は最終日、ここまで三日間を掛けて1200Km以上も走ってきたがついにこの日を迎えた。今日はSSが一つ、CPが2つ総距離は 181.58kmである。

   

   

 最初のSSはDay3の最後のSSと同じ林道で、例年であれば前日の逆進となるが今回は前日と同じ方向であった。慣れもあり無理をしたくなるところであるが、調子に乗るとロクなことが無いのでここは慎重に対応した。
 SSの後は「メンバー全員で気持ち良く揃って走りましょう!」という事になり、SSを出た所で合流し一緒に走り始めた。これをしてみるとペースが思いのほかに落ちた。次の林道も荒れていたり道が川の様になっていたり、藪漕ぎをしたりで中々走り応えがある。

  

 この林道で自分は派手に転倒してしまい、その後は更にペースが落ちてしまった。SSでは慎重に対応したのに、リエゾンで転倒してしまった。しかも右手を打ったらしく親指が痛い。指は動くので折れてはいないと考え(と気持ちの整理をし)そのまま走る事にした。途中で待っていてくれたおかげでなんとか皆に合流することが出来た。自分が合流できて安心するのもつかの間で、土谷会長の姿が見えず皆が会長はスタックしてしまったのではないかという事になり、今まさに救助に向かおうかという所で会長も合流。CP-2でチェックを受けたのはタイムリミットの10数分前で危うくペナルティーを受けるところであった。
 林道を抜け舗装路に出たあとのガソリンスタンドで皆が給油をしているときに、このままだとタイムリミットに引っかかる可能性があるのでバラバラに 走るという事になった。しかし、その後のCP-2は実はタイムリミットに余裕があることがわかり、記念撮影したりコンビニに寄ってそこで一緒になったメンバーと長めの休憩とったりすることが出来た。
 ここで、グローブを外して右手の状態を確認。痛いが確かに折れてはいない感じだが、左手と比べると少し親指が太く色が赤黒い。予想はしていたがやはり右手の状態を見てしまうと、いっそう痛くなった気がする。右手は痛いが時間はあるのでのんびりとしたペースでCP-1からCP-2までのおよそ100km程の長いリエゾンを無事に通過し、ゴールの少し前にある最後の林道もフラットで気持ちよく走る事が出来た。
 最後の林道を抜けしばらく走とゴールが見えてきた。このゴールをくぐれば長かった北海道4DAYSも終わってしまう。この四日間の間、雨が続き路面が悪かったり、ルートを見失ったり大変な事もあったがもうすぐ終わってしまうと思うとまだ走りたい気持ちが沸き上がって来る。

  

  

 こんな事を考えている内に大会メイン会場のポディウムに到着、通過し、チェックカードとオフィシャルに提出した。そうすると無事にゴールできた安堵感と達成感で満たされた名残惜しい気持ちを抱えたままバイクをパルクフェルメに預けた後は、閉会式までの時間を使ってゴールの余韻に浸りながら荷物の片づけを進めた。
 北海道4DAYSは今回で3回目だがいつもこの片づけの時間帯は良く晴れている気がする。開催期間中は雨が降ることが多いが、最後の片づけの時間が晴れているのでとても清々しい気分となり「来年もまた来よう」という気になる。片づけを一通り終えると閉会式が始まる時間になっていた。閉会式ではフィニッシャーメダルを受け取り一人ずつ挨拶をした。これが毎度の事ながら非常に緊張する。自分は緊張するほどの成績ではないのだが。しかし、一人ずつ挨拶するので段々参加者の顔と名前が一致してくるので良い慣習だと思う。
 また、成績といえば、クラブメンバーの成績トップはやはり西口さんであった。その後の懇親会でも色々な方々が挨拶をし親睦を深めた。ここまでで公式行事は終わり、チームメンバーの一同は芦別の宿の戻り、例年お世話になっているスナック「あすなろ」に向かった。いつものママさんが出迎えてくれ、ラリー中の出来事の話やカラオケで閉店まで大いに盛り上がった。今回はBOCとしてのチーム参加もあり大人数で大変楽しいラリーでした。

   

   

北海道4DAYS エピローグ

DAY-5 次へと続く遠い道のり。(土谷の帰宅までの回想録)

 無事に完走出来た達成感がメンバー全員に漂うなか、「ラリーは家に着くまで」という事で、関東メンバーは、千歳空港のフライトに合わせてバス&電車移動。水出さんの輸送トラックとハイエースは、苫小牧夕方発のフェリーに合わせて宿からフェリーターミナルへ向けてお別れ。
 私と早坂さんは、バイクと車のあるスターライトホテルに戻ると、数名のエントラントがおり、挨拶を交わしながら撤収開始。大まかにパーツを外してあったので、最終積載準備の間に、雨で濡れたテントや洗濯物を干し、おおよそ2時間で撤収・車輛搭載完了。会場のホテルでお土産を買って、早坂さんと二人で道の駅に移動。水出さんお薦めの芦別市名物「ガタタンラーメン」を堪能し、ここで早坂さんともお別れ。苫小牧→八戸フェリーに乗るため南下の方向で、私は小樽港なので、西へ向かいます。

  

 県道と国道をつなぎ、日本海まで出ると、穏やかな波打ち際で砂浜に座って4日間の想い出に浸ります。札幌市内の回転寿司で海鮮物を腹一杯食べ、小樽港に向かって夕陽を見ながら車を運転。今回のラリーは大きなダメージもなく、人と競えるような成績にはならなかったけど、とりあえず目標(完走)は達成。いろいろ考える事はあるが、北海道の大自然の中を目一杯走れた事に、充実感と自信が付いた。

   

 夜中11時半発の日本海フェリーに乗り込むと、関西方面の自走ライダーと、ラリー中の話で盛り上がりながらも、睡魔に襲われ就寝。
 次の日は、フェリー航行時間(21H)で日本海に沈む夕陽を見ながらゆったり船旅を満喫し、夜9時半に舞鶴港に到着。ここからは、愛知までの160kmの高速道路移動で帰宅へ。そして、全ての行程が終了である。次のラリーはSSERでは初開催のラリー東北3days(私は未参加)、その前、DOA鮫川大会があり、マットファクトリーのミステリーラリーがあり・・・。今年はまだまだ一杯のイベントが盛り沢山。頑張ります!
そしてムルティーは、部品交換と軽度な点検の為、ディーラーさんへちょっとお預け・・・。
 自宅に着くころには、東海地区では連日連夜35℃越えの命に関わる猛暑日らしい。生きていけるかな・・・。
END

スペシャルサンクス!

 始めまして、神奈川県厚木市でKTMの販売店をしております、フロンティアの水出です。

 今年の北海道4DAYSはBOCの皆さんと一緒に参加しました。先日、土谷会長から「ビッグオフロードクラブ通信にレポートを書いてみませんか?」とお話をいただきましたので、レーシングサポートの立場から2018年北海道4DAYSラリーを報告いたします。
 私自身、北海道4DAYSは2010年からエントリーしており、今年は始めて「ビッグオフロードクラブ」の皆さんとタッグを組んでラリーサポートという立場でエントリーしました。

  

●僕がやって貰いたいことをやりたかった。
僕自身過去の大会は、ラリー期間中にはマシン整備をほとんどせずに過ごしていました。SS内での落下でDNFという結果はあったものの、マシントラブルで走行不能という経験はありませんでした。ただ、翌日に向けた“安心” もありませんでした。
 昨年は、BOCメンバーの近藤さんと斎田さんとエントリーして、ありがたい事にお疲れさん会を開いてもらいました。その頃からラリーサポート案が僕の中で考えるようになり、近藤さんに打ち明けたところBOCの仲間と一緒にサポートという立場でエントリーする事が実現しました。

●現地サポート
ビバークに戻ってきた車両のメンテナンスに関しては、下記内容でメニュー化しました。
・ライダーとのコミュニケーション
・灯火類のチェック
・各部増し締め
・ドライブチェーンのメンテナンス
・エンジンオイルのチェック

●DAY2のビバーク
タイヤ交換の日です。僕がタイヤ交換をしたのは、西口さん、土谷会長でした。早坂さんはセルフでタイヤ交換されていました。(さすが!)
トップライダーと同じタイミングで、西口さんが到着しました。タイヤ交換のリクエストがあったので、早々にゴールしてくれて助かりました。西口さんは全体的に早いラリー運びでした。
全体の半分の行程が進んでいますので、皆さんのマシンもくたびれ始めています。DAY2のメンテナンスは特に集中しました。

●ドライブチェーンがキレイだとアガる!
ビバークに戻ってきたメンバーのマシンを、メンテナンスのメニューでチェーンの調整、清掃、給油をやりましたが、チェーンがキレイになるとサポート側も気分が良いです。

●RALLY TOHOKU / 2019北海道4DAYS
今年の4DAYSの準備をしている期間、最初の頃はサポート側と割り切って準備に掛かっていましたが、ラリーがスタートする週に入ったらラリーストとしてエントリーしたいという気持ちになりました。
まずは初開催となる RALLY TOHOKU からエントリーします。(プレエントリー済み)

その他にも BIG OFF-ROAD 系のイベントにも積極的に参加していますので、お気軽にお声掛けください。
また、BOCの皆さんと会える日を楽しみにしています!

モーターフィールド フロンティア/KTM厚木(仮)
〒243-0814
神奈川県厚木市妻田南2-7-21
TEL 046-206-4347
FAX 046-206-4348
Website https://frontier.storeinfo.jp/
E-mail   info@mff-frontier.org
担当 水出(みずいで)