まずは、Rubyのホームページにある「Ruby インストールガイド」(http://www.ruby-lang.org/ja/install.html)を参照していただければわかると思いますが、Windowsで動作するプラットフォームには、以下の4つの種類があります。どのRubyをインストールするかを決めるポイントは以下の通りです。
プラットフォーム | 特徴とポイント |
Cygwin版 |
cygwin1.dllというダイナミック・リンク・ライブラリを利用して動作するRubyです。Cygwinは、Windows上で動作するUnix環境の1つで、Cygnus社(現在はRedhatに買収されている)で開発されたフリー・ソフトです。Rubyを動作させるには、cygwin1.dllというファイルが必要になります。最新版は、Cygwinのサイト(http://www.cygwin.com/)で入手できます。 Windows XP、Windows 2000、Windows NT4.0では、安定して動作しますが、Windows98やWindows95などのOSでは動作が不安定になることがあります。 ダウンロードするファイルはこちらを参照してください。 ダウンロードするファイル名は、ruby-x.x.x-i386-cygwin.tar.gzです。(x.x.xにはバージョンが入ります)です。なお、2013年8月現在ではバージョンが1.8までしかありません。 (なお、Rubyのバージョンは1.7.xまでは、1.6.x、1.4.xなど2つめの数字が偶数の時が安定版で、1.7.x、1.5.xなど2つめの数字が奇数の時が開発版でしたが、1.8以降は1.8.0、1.9.0などのように3つめの数字が0の場合が開発版、それ以外が安定版となっています。ただし、2.0.0に限っては開発版ではなく、安定版となっています。) ファイルの拡張子は「.tar.gz」となっていますので、tarファイルを解凍できるソフトを用意します。tarファイルを解凍できるソフトの例をいくつかあげます。 FileVisorなどのファイラーと組み合わせて利用する場合には、「tar32.dll」があります。総合アーカイバプロジェクト参照(tar32.dllは、Windows Vista以降のOSにインストールする場合、\windows\system32ではなく、FileVisorなどのファイラーをインストールしたフォルダに入れておきます。) |
Mingw版 |
GNU C Compiler (GCC) でコンパイルしたRubyです。MingwとはUNIX(やCygwin)上でWindowsのプログラムを GNU C Compiler (GCC) でコンパイルするための環境です。Cygwin版のようなDLLは不要で、Rubyだけで動作します。ただし、Unix固有の機能が利用できない制約があります。 どのOSでも作動します。 ダウンロードするファイルはこちらを参照してください。 ダウンロードするファイル名は、ruby-x.x.x-i386-mingw32.tar.gzです。(x.x.xにはバージョンが入ります)です。なお、2013年8月現在ではバージョンが1.8までしかありません。 (なお、Rubyのバージョンは1.7.xまでは、1.6.x、1.4.xなど2つめの数字が偶数の時が安定版で、1.7.x、1.5.xなど2つめの数字が奇数の時が開発版でしたが、1.8以降は1.8.0、1.9.0などのように3つめの数字が0の場合が開発版、それ以外が安定版となっています。ただし、2.0.0に限っては開発版ではなく、安定版となっています) ファイルの拡張子は「.tar.gz」となっているので、tarファイルを解凍できるソフトを用意します。tarファイルを解凍できるソフトの例をいくつかあげます。 FileVisorなどのファイラーと組み合わせて利用する場合には、「tar32.dll」があります(Windows Vistaからは、従来のようにc:\windows\System32にtar32.dllをコピーできなくなっていますので、FileVisorなどのファイラーをインストールしたフォルダにコピーしておきます)。総合アーカイバプロジェクト参照 |
mswin32版 |
Microsoftの Visual C++ でコンパイルしたRubyです。Cygwin版のようなDLLは不要で、Rubyだけで動作しますが、Unix固有の機能が利用できない制約があります。 どのOSでも作動します。 ダウンロードするファイルはこちらまたはこちらを参照してください。 ダウンロードするファイル名は、32ビットのパソコンの場合はruby-x.x.x-xx-i386-mswin32.zipを、64ビットのパソコンの場合はruby-x.x.x-xxx-x64-mswin64_80.zip(x.x.xにはバージョンが入ります)です。なお、2013年8月現在ではバージョンが1.9までしかありません。 (なお、Rubyのバージョンは1.7.xまでは、1.6.x、1.4.xなど2つめの数字が偶数の時が安定版で、1.7.x、1.5.xなど2つめの数字が奇数の時が開発版でしたが、1.8以降は1.8.0、1.9.0などのように3つめの数字が0の場合が開発版、それ以外が安定版となっています。ただし、2.0.0に限っては開発版ではなく、安定版となっています) |
One-Click Ruby Installer for Windows |
Mingw版を元にしたRubyで、インストールするだけで、環境変数への設定も自動的に行います。 インストール方法については、下記のサイトを参照 ダウンロードしたファイルをダブルクリックするだけでする自動的にインストールを行います。 |
Windowsの種類によって、Rubyをインストールする際に注意を要する場合があります。
OS | Rubyをインストールするにあたっての条件 |
Windows 10 |
Cygwin版、Mingw版、mswin32版どれでもインストール可能 |
Windows 8 |
Cygwin版、Mingw版、mswin32版どれでもインストール可能 |
Windows 7 |
Cygwin版、Mingw版、mswin32版どれでもインストール可能 |
Windows Vista |
Cygwin版、Mingw版、mswin32版どれでもインストール可能 |
Windows XP |
Cygwin版、Mingw版、mswin32版どれでもインストール可能 |
Windows 2000 |
Cygwin版、Mingw版、mswin32版どれでもインストール可能 |
Windows Me |
Mingw版、mswin32版のどちらもインストール可能。Cygwin版はできれば避けた方がよい。 |
Windows NT4.0 |
Cygwin版、Mingw版、mswin32版どれでもインストール可能 |
Windows 98 |
Mingw版、mswin32版のどちらもインストール可能。Cygwin版はできれば避けた方がよい。 |
必要なファイルをダウンロードしたら、ローカルドライブに保存しておき、インストールするパソコンのOSにあわせて、以下の手順でRubyをインストールします。
Mingw版やmswin版は、C:\rubyの配下などの適当な場所にダウンロードしたファイルを解凍してください。
One-Click Ruby Installer for Windowsは、ダウンロード用のフォルダなどに保存してから実行してください。
インストールが終了したら、シェルプログラムのConwin32(Comwpad.exe)を起動し、
c:\>ruby -v
と入力して( ruby と -v の間は続けて入力するのではなく、スペースを空けること)、[Enter]キーを押します。下記のようなメッセージが表示できれば、インストール成功です(以下の例はCygwin版の場合です)。
Ruby 1.6.8 (2002-12-24) [i386-cygwin]
うまく表示されなかった場合、下記の環境設定を行ってから、再度実行してください。
Rubyで作成したスクリプトは、ファイラーからダブルクリックすることで実行することができますが、そのためには、「環境設定」を確認しておく必要があります("One-Click Ruby Installer for Windows"をインストールした場合は環境設定を行う必要はありません。)。
Perlの場合は、インストールによって自動的に設定されることが多いのですが、Rubyの場合は各自で設定する場合があります。設定されていないと、スクリプトをダブルクリックしただけでは、実行できなくなります。スクリプトを作成したフォルダに「ruby.exe」をコピーすれば、実行することは可能になりますが、それでも面倒なことには変わりありません。Windowsでは、それぞれのOSごとに設定方法が異なるので、以下の表を参照して、必要に応じて設定を行ってください。
OS | 環境設定の方法 |
Windows 10 |
1.管理者権限のIDでログインします。 2.画面左下のWindowsボタンを右クリックし、表示された一覧からシステムを選択します。 3.左側のメニューから「システムの詳細設定」をクリックすると「システムのプロパティ」が表示されます。 4.「システムのプロパティ」の中の[詳細設定]タブをクリックし、その画面の下のほうにある[環境変数]ボタンをクリックします。 5.「システム環境変数」 の中から 「PATH」のある行を選択し、[編集]ボタンをクリックします。 6.「変数名」と「変数値」という項目が表示されるので、「変数値」の行の最後に該当するフォルダを指定します。たとえば、「C:\ruby」にインストールし、「C:\ruby\bin\ruby.exe」がある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加します(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定します。 7.[OK]ボタンをクリックして、終了します。 8.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できます。 |
Windows 8 |
1.管理者権限のIDでログインします。 2.マウスカーソルを右上(または右下)に移動し、メニューを表示し、表示されたメニューから「設定」をクリックします。 3.「設定」から「コントロールパネル」をクリックします。 4.「システムとセキュリティ」をクリックし、その中の「システム」をクリックします。 5.左端のパネルの中から「システムの詳細設定」をクリックすると「システムのプロパティ」が表示されます。 6.「システムのプロパティ」の中の[詳細設定]タブをクリックし、その画面の下のほうにある[環境変数]ボタンをクリックします。 7.「システム環境変数」 の中から 「PATH」のある行を選択し、[編集]ボタンをクリックします。 8.「変数名」と「変数値」という項目が表示されるので、「変数値」の行の最後に該当するフォルダを指定します。たとえば、「C:\ruby」にインストールし、「C:\ruby\bin\ruby.exe」がある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加します(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定します。 9.[OK]ボタンをクリックして、終了します。 10.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できます。 |
Windows 7 |
1.管理者権限のIDでログインします。 2.スタートボタンから コントロールパネルを開きます。 3.「システムとセキュリティ」をクリックし、その中の「システム」をクリックします。 4.左端のパネルの中から「システムの詳細設定」をクリックすると「システムのプロパティ」が表示されます。 5.「システムのプロパティ」の中の[詳細設定]タブをクリックし、その画面の下のほうにある[環境変数]ボタンをクリックします。 6.「システム環境変数」 の中から 「PATH」のある行を選択し、[編集]ボタンをクリックします。 7.「変数名」と「変数値」という項目が表示されるので、「変数値」の行の最後に該当するフォルダを指定します。たとえば、「C:\ruby」にインストールし、「C:\ruby\bin\ruby.exe」がある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加します(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定します。 8.[OK]ボタンをクリックして、終了します。 9.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できます。 |
Windows Vista |
1.管理者権限のIDでログインします。 2.スタートボタンから コントロールパネルを開きます。 3.「システムとメンテナンス」をクリックし、その中の「システム」をクリックします。 4.左端の「タスク」の中から「システムの詳細設定」をクリックし、[続行]ボタンをクリックすると「システムのプロパティ」が表示されます。 5.「システムのプロパティ」の中の[詳細設定]タブをクリックし、その画面の下のほうにある[環境変数]ボタンをクリックします。 6.「システム環境変数」 の中から 「PATH」のある行を選択し、[編集]ボタンをクリックします。 7.「変数名」と「変数値」という項目が表示されるので、「変数値」の行の最後に該当するフォルダを指定します。たとえば、「C:\ruby」にインストールし、「C:\ruby\bin\ruby.exe」がある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加します(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定します。 8.[OK]ボタンをクリックして、終了します。 9.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できます。 |
Windows XP |
1.管理者権限のIDでログインする。 2.スタートボタンから [設定] - [コントロールパネル] で、 コントロールパネルを開く。 3.「システム」をダブルクリックし、その中の[詳細]タブから [環境変数]ボタンをクリックする。 4.「システム環境変数」 の中から 「PATH」のある行を選択し、[編集]ボタンをクリックする。 5.「変数名」と「変数値」という項目が表示されるので、「変数値」の行の最後に該当するフォルダを指定する。たとえば、C:\Rubyにインストールし、C:\ruby\bin\ruby.exeがある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加する(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定する。 6.[OK]ボタンをクリックして、終了する。 7.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できる。 |
Windows 2000 |
1.管理者権限のIDでログインする。 2.スタートボタンから [設定] - [コントロールパネル] で、 コントロールパネルを開く。 3.「システム」をダブルクリックし、その中の[詳細]タブから [環境変数]ボタンをクリックする。 4.「システム環境変数」 の中から 「PATH」のある行を選択し、[編集]ボタンをクリックする。 5.「変数名」と「変数値」という項目が表示されるので、「変数値」の行の最後に該当するフォルダを指定する。たとえば、C:\Rubyにインストールし、C:\ruby\bin\ruby.exeがある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加する(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定する。 6.[OK]ボタンをクリックして、終了する。 7.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できる。 |
Windows Me |
1.C:\AUTOEXEC.BAT を適当なエディタで開く。 2.「SET PATH=」または「PATH=」または「PATH」で始まる行があるかを確認する。 3.ある場合は、その行の最後に該当するフォルダを指定する。たとえば、C:\Rubyにインストールし、C:\ruby\bin\ruby.exeがある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加する(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定する。 4.ない場合は、「PATH %PATH%;C:\Ruby\bin」という行を追加する。 5.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できる。 |
Windows NT4.0 |
1.管理者権限のIDでログインする。 2.スタートボタンから [設定] - [コントロールパネル] で、 コントロールパネルを開く。 3.「システム」をダブルクリックし、その中の[環境]タブ を選ぶ。 4.「システム環境変数」 の中から 「PATH」のある行を選択し、変数値の最後に該当するフォルダを指定する。たとえば、C:\Rubyにインストールし、C:\ruby\bin\ruby.exeがある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加する(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定する。、[設定(E)] ボタンをクリックする。 5.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できる。 |
Windows 98 |
1.C:\AUTOEXEC.BAT を適当なエディタで開く。 2.「SET PATH=」または「PATH=」または「PATH」で始まる行があるかを確認する。 3.ある場合は、その行の最後に該当するフォルダを指定する。たとえば、C:\Rubyにインストールし、C:\ruby\bin\ruby.exeがある場合は、「;C:\ruby\bin」を追加する(ドライブ名の前にはセミコロンをつける)。別のフォルダにインストールした場合は該当するフォルダを指定する。 4.ない場合は、「PATH %PATH%;C:\Ruby\bin」という行を追加する。 5.再起動すれば設定が反映され、ダブルクリックでスクリプトが実行できる。 |