47 色で身を売る西瓜(すいか)でさえも 中にゃ黒々種がある
48 長さ五、六寸で色紫で つるり下がった藤の花 49 切れたふんどし将棋の駒か 角と思えば金が出る 50 可愛そうだな川守(かわもり)カメコ 八十二になって暇(ひま)貰った 51 それも全くだよ鶏(にわとり)は裸足(はだし) 鶏は裸足でもかがあ持でる 52 鳴ぐな鶏よまだ夜が明けぬ 明けりゃお寺の鐘が鳴る 53 今宵一夜は浦島太郎よ 開けて悔しい玉手箱 54 年に一度の七夕様よ つのる想いの天の川 55 田名部お島子(たなぶおしまこ)の音頭取る声は 大安寺(だいあんじ)柳の蝉(せみ)の声 56 田名部お島子(たなぶおしまこ)の音頭取る声は 絶えず止まずの蝉(せみ)の声 57 恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ螢(ほたる)が身を焦がす 58 鯉(こい)の瀧昇(たきのぼ)り何見て昇る 水の出花(でばな)を見て昇る 59 憎い奴だよ逆さに吊す 踏んでやりたい鼻の先 60 憎い鳥だよあのホトトギス 私の前口あちゃとてた 61 破れ障子(しょうじ)に鶯(うぐいす)描いて 寒さこらえて春を待つ 62 義理にからめば鶯(うぐいす)さえも 梅を離れて薮(やぶ)で鳴く 63 敗げな敗げなよ隣さ敗げな 今夜敗ければ一生の恥 64 どんだば向げの姉っちゃ口ゃねどどんだば 口は有れども恥ずかしい 65 恥ずかし恐いは寝ないうちばかり 寝れば手もでる足もでる 66 ちょっと向げのあんちゃ 生まれぁよどこだ 生まれぁ田名部のバガ息子 67 姉っちゃ声コいいな生まれぁよどこだ 生まれぁ田名部のバガ娘 68 田名部舘山(たなぶたてやま)さ桔梗花(ききょうばな)咲いた 田名部繁盛(はんじょう)と咲いた花
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