歌い方
この「おしまこ」は甚句形式で歌われると前に書きましたね。では実際にはどのように歌われるのでしょうか。
例えば24番の後半「寺のお尚様見てほめる」の最後の「る」を前の人が発音した瞬間に、次の人が25番で「踊り踊るならしな良く踊れ」と受けて歌います。他の歌も同じです。前の人が最後の言葉を発してすぐに、次の歌の頭を歌い出すのです。こうすれば歌が途切れませんし、踊りが途切れることも当然ありません。
受ける歌を知らない時は、何番の歌を歌っても、もちろんかまいません。
歌うのに不馴れだったり遠慮があったりすると、「る」が4拍以上続く事になったり、どうかするとそこでぷつっと途切れてしまったりします。そんなときは慌てず騒がず、同じテンポでそのまま踊りながら、次に誰かが歌い出すのを待つんですね。
待ち時間が長くなって次の歌を継ぎにくくなったときは、44番の「切れた切れたよ音頭取りゃ切れた」と続けるとスムーズですし、待ち時間が長くなった事で踊りのテンポが乱れてしまった時は、一番最初に戻って手拍子とともに「エンヤ〜コ〜ラヤ」から入るのがやりやすいようです。
こうして「おしまこ」は、延々と続いていくわけですね。
さて、「おしまこ」の歌詞ですが、野良仕事や漁をする時にせいを出すための歌や、田名部祭への熱い思いをのせた歌など、様々な歌詞があります。更に前のページで書いたように「男女の出合いのきっかけになった」という一面もあるため、中にはそれはそれは艶っぽい歌詞もあったりします。
田名部祭は本来男の祭ですから、以前は今ほど女や子どもが歌うような事は無かったのではないかと思います。成人した男が歌ったのですから、表現もストレートです。「えっ!?この歌詞を女が歌うの!?」という歌詞も、中にはあります。もちろん私は歌ってますが。
ここにはそういった歌詞もそのまま載せますが、未成年、あるいは18歳未満の子に歌わせるのに不適切だと思われる歌詞があったら、その歌を歌うのを許すにしろ許さないにしろ、それは親御さんの責任で判断して、親御さんの責任でお子さんに伝えて下さい。
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