1999年 6月山行 山行記

筆者 N・N (2年生)

 新歓山行から20日はど経ち、相変わらず新入部員は入ってくる様子はないけれども、山行だけはしっかりと行われている。

5月29日

 行きのタクシーの中では、E君が前の席の真ん中に座ったため、すごい格好で寝ていた。

 ようやく三ノ瀬に着いた時には、かなり乗り物酔いしてしまったし、E君は首を痛めているし、「本当にこんなんで山に登れるのかな〜」と思いながら歩き始めたが、2日日の行程は2時間程度だったので、意外とすぐに将監小屋についた。

 テントを張る時になって、テント割りが学年別になっていたことをF先生に指摘された。これではテント生活は楽しいが、技術が伝わらないので止めなくてはいけない。

 今夜のメニューは「他人丼」であった。調理中はとても寒くみんなで震えていると、T・N君がうつむいてガタガタと震えていたので、先輩たちが包丁を渡すと、T・N君はまるで別人のようになっていた。楽しく調理をしていたのだが、出来た料理は生たまごが一人一個入っていて非常に美味しかった。自分は今までで最高の出来だと思う。



5月30日

 
2:30起床のはずが、2年生のテントではアラームが鳴ったにもかかわらず誰も起きなかったので、寝坊をしてしまった。

 朝もとても寒く、朝食をもらいに行くのがつらいし、もらった飯がすぐに冷めてしまうのがとても嫌である。また、撤収もつらいが、3年生はテキパキと行動していてさすがだなと思った。そのおかげで、予定よりも10分早く出発した。

 歩き始めてから50経っても休憩せずかなりのペースでどんどん進み、ようやく1時間20分経って休憩した。そして次に着いた禿岩では素晴らしい眺めを見ることが出来た。また、そこは切り立った崖のような所だったので、先輩たちはある映画の名場面をまねて記念撮影をしていた。景色をたっぶり見てから少し降りると、つぶれた小屋があり、そこが飛竜権現だとわかった。ここでザックをおろして飛竜山へのピストンを始めた。新緑の中を身軽で進むのはとても気持ちがよいものであった。飛竜山山頂は木々に囲まれてほとんど展望はなかった。しかし、戻ったら昼食だというので元気良く下れた。

 昼食はパンにフルーツと生クリームをはさんだものだった。山の中で生クリームを食へられるとは、とても贅沢であるように思われる。こんなメニューを考えてくれたS先輩には本当に感謝である。しばらく休憩を取った後、再び出発。

 残りははとんど下りである。下りではペースが多少早くなっていた。道の途中に落ちそうな石があったので、拾い上げて別の場所へやろうと手を離した途端、その石はボールのようにバーティーの前の方へと転がっていってしまった。「あぶない!」。しかし、こういうときは「落!」と叫ぶということを先生に教わった。また落ちそうな石があったが、今度はしっかりと転がらないように置いた。だんだんと温かく、汗ばむくらいになり、山を下りてきている感じが強くなる。やがて農道のような道を行き丹波のバス停につき、解散となった。

 今回の山行は天候も良く、事故も無く、禿岩からの素晴らしい眺めや、石楠花や新緑を楽しめたし、行程も短くてまるでハイキングのような山行であった。



《「稜線」第21号(1999年度)所載》

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