1996年 新歓山行 山行記

筆者 T・K (2年生)

5月11日(土)

 5月11日、土曜日。今回新たに新入部員3人と、一昨年まで部長をされていたH先生を加え、我々は新歓山行を行うべく川井駅を降り、川井キャンプ場へと向かって歩いていた。その途中、坂道であのD・Tが転んで膝をすりむいた。この思いもよらない出来事に、CLであった私はこの山行が順調に行ってくれるか少し不安を抱いた。

 そして、その不安は早くも的中した。千葉県大会があるからという理由で氷川キャンプ場を避け、わざわざ川井キャンプ場にしたのに、見事に大学生の新歓コンパらしきものの大騒ぎによって睡眠を妨げられたのである。更にトイレへ行ってその惨状を肌で感じ取ってきた者もいた……。



5月12日(日)


 翌12日、日曜日。前夜の影響で寝不足のため撤収は遅くなるかと思われたが、2時間もかからず、余裕をもって川井キャンプ場を後にした。

 川井駅から電車に乗って奥多摩駅で降り、バスに乗って小河内神社前で降りる、はずであったが、水不足のためドラムカン橋が撤去されていたので、次の深山橋で降り、コースも糠指尾根からムロクボ尾根を通るコースに変更になった。しかも、1年生は勿論のこと、2年生もほとんど経験のない雨が降ってきて雨具を着ることになり、私は前日からの不安に加え、相当の動揺を覚えた。

 深山橋、三頭橋を経て、尾根道に入る。1年生もいたのでどうペースを作ればいいか考えたが、以前SLをやった時、いい感じで歩けたペースを思い出して歩く。2、3度きつい登りがあり、また一度コースを外したりもしたが、1年生にあまり疲労は見られず、コースタイムよりも20分程早くツネ泣峠に着いたので、私の動揺もほとんどなくなっていた。ここで雨も止んできたので雨具を脱ぎ、三頭山を目指した。私は今回なるべく50分で休憩という形を守っていこうと考えていたので、三頭山がもう目の前という時点でも、50分経ったので5分間の小休憩をしようとした。しかし、F先生の一気に登ってしまおうの一声で、小休憩をせず、一気に登頂を目指した。すぐ後ろにいたT・Sにやや疲労の色が見られたが、何とか東峰にたどり着いた。

 ここで昼食をとり、手ぶらで展望台を往復し、再びザックを背負ってから中央峰に登った。

 ここまでが、登り中心のコースであったのだが、コースタイムも無理がなく、ペースも良かったのではないかと思う。

 写真を撮った後、下りに入った。以前SLをやった時には最後にペースが速くなってしまったので、今回はもう少し抑えていこうと考えていた。しかし、徐々にリズムが出てきてペースが上がってしまい、後ろにいたNやO、先生方から批判を受けることになってしまった。どうも私は下り方をしっかりと理解していなかったらしい。

 その後自信を失いつつペースを落とした。途中、西原峠か槙寄山あたりまでのコースタイムを示す道標が立っていたので、それとガイドブックなどに載っているコースタイムとを照らし合わせてみると、いかにペースが速かったかがよく分かった。

 郷原への分岐のところで、バスの時刻に余裕があったので槙寄山まで行こうとしたが、雨が降ってきたようだという話が出たので、そのまま郷原まで下った。(結局雨は降らなかった。)

 前に自信を失いつつペースを落としたと書いたが、最後は郷原までの単調な下りがいい感じで歩けたので自信は何とか戻った。

 今回の山行の反省点としては、下りのペースが速すぎた部分があったという私個人の反省もあったが、新歓の時期のキャンプ場選びやそこでの防音対策、また、前回の山行から話に上がっていた、早く着きすぎそうな時のオプションについてといった事が挙げられる。 最後に、新入部員の3人はよく頑張ってくれたと思う。これからも夏合宿やそれから先へ向けて力をつけていってほしい。



《「稜線」第18号(1996年度)所載》


奥多摩湖側から三頭山に登る 奥多摩湖側から三頭山に登る

三頭山山頂 三頭山山頂


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