2026年 7月山行 山行記
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筆者 R・H (2年生)
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7月20日 (月) 〈1日目〉 晴れ一時小雨のち曇り
朝、新宿駅南口に集合。6:45に集合の予定だったが、2年生の部員1人が、その時刻に間に合わないというアクシデントが発生した。幸いなことに、我々が乗る特急の発車時刻が7:08であり、遅刻した部員もそれまでには間一髪間に合ったので、予定が大きく狂うことはなかった。
信濃川上から毛木平登山口までタクシーを利用した。川上村といえば、昨年の7月山行で金峰山から下山した先である。昨年の7月山行に参加した部員は、1年を経て再びこの地の土を踏むことの感慨を覚えたのではないだろうか。また新入部員は、東京都を越えての初めての遠征に、胸が高鳴る部分が少なからずあったと思われる。
毛木平で昼食をすませ、ミーティングをした。記録、登山計画のほかに、気温は東京と比べて低いものの日差しが強いことから、この時点で帽子を被っておく、といった事項が共有された。
毛木平到着から30分の滞在をはさんで登山を開始した。行動を開始してしばらく、道幅は乗用車1台分ほどと広く、また平坦で歩きやすい道を進む。
行動開始から30分。このあたりから道が狭くなり、勾配もつきはじめる。一部、下る斜面の足場が狭く、ぬかるんでいる場所がある。そういったところでは、部員は下りながら、斜面上からのM先生の指示をよく聞いて、注意深く足を移していった。
山行記を後進が参照する可能性を念頭に付記すると、斜面にはロープが垂らしてあるが、ロープの先はか細い枯れ木に引っ掛けられているため、体重をかけることはおろか、手掛かりのひとつとして利用することもおすすめできない。
2回目の休憩をとってしばらくすると、雨が降り始めた。いったん隊を止めて、ザックカバーとレインウェアを着たが、再び歩いて5分もすると雨はやみ、それ以降、歩行中は雨が降ることはなかった。
ナメ滝を過ぎて3回目の休憩をとり、千曲川の水源に到着。ここから山頂まで急登となる。この頃には疲れを感じる部員が少なくなく、ペースを落として歩いていった。M先生から「光が見えているから尾根近いよ〜」といった雰囲気の激励をいただきつつ、一歩一歩確実に登っていった。
稜線に出て、さらに歩くこと30分、甲武信ヶ岳に登頂。集合写真を撮影した。眺望は、運の悪いことに雲が濃く、かろうじて川上村方面が望める程度だった。それでも、長い行程を振り返ると、しばし達成感に浸った。
山頂から20分ほどで甲武信小屋に到着。到着からテント設営、調理開始までの流れはテンポが悪かった。これは、新入部員は指示を待って棒立ちしがちで、指導学年が手が空いている部員に仕事を与えることを怠っていたことが原因である。
夕食の牛丼は完成が素晴らしく、特にご飯に関しては、炊飯器で炊くのと遜色ない固さに仕上がった。
夜、20:00に就寝。ところが、22:00頃に激しい雨に見舞われた。程度はかなり激しく、まさに篠突く雨といった様子で、それによって目を覚ます部員も多かった。疲労回復の面で不安が残る夜となった。
7月21日 (火) 〈2日目〉 晴れのち曇り
朝、4:00に起床。ここでも、調理から撤収までの行動がスムーズでなかった。それぞれの詳細について述べていく。
まず、起床から調理開始まで20分を要している。これは、調理を行う場所の決定が全体に共有されていなかったことが原因であると考えられる。調理可能な場所が、テント内とそこから1段上がった場所にある山小屋の炊事場の2箇所あり、どちらで調理するかが伝達されていなかった。
次に撤収だが、この作業に24分掛かっている。これは、テントから出したザック類を置く場所を決めていなかったことにある。登山開始に備えてできるだけ高い位置、すなわち、1段上がって山小屋の入り口前に置く派と、忘れ物チェックを行うためにテント場に置く派に割れてしまい、統率をとるのに手間取ったからだと考えられる。結果として、5:30出発の予定が、それより17分ほど遅れることとなった。
出発直前のミーティングでは、G先生が「怪我と体力に気をつけて、全員で下山しよう」という旨の言葉で部員を鼓舞された。
木賊山山頂付近は平坦で穏やかな登山道が続く。足への負担が少ないうえに、生い茂る苔の匂いが瑞々しく、木漏れ日が優しく照らすのも手伝って、我々は非常にリラックスした気分で歩けた。
前日の豪雨のわりに道はぬかるんでおらず、この日1日中、雨による崩落で危険な箇所を歩くことはなかった。
天気に関しては、晴れたのはほんの一瞬で、木賊山の下りから徐々に雲が立ち込めた。
木賊山を下り、破風山に向かう。下り370m、登り220mの高低差があり、2日目の行程中では体力的に最もハードな区間だと思われる。破風山への登りの急登が一直線に延々と伸びるさまは、昨年の夏合宿で経験した蝶槍への登りを彷彿とさせた。
幾重にも重なる雲のために、登る先の見えないことに嘆くほかないが、それでも、着実に歩を進めていった。
休憩に関して1つ反省点がある。破風山の登りの途中で休憩をとったが、そこは山頂まで10分弱の場所であった。それを知っていた部員は登頂してから休憩をとることを希望したが、体力面から早急に休憩をとりたい部員もおり、意見が分かれていた。
ところが、休憩場所についての話し合いは行われず、登山道の途中で休むこととなったので、少々不満の声も聞こえた。かく言う私も、キリが良いので、山頂まで歩き続けたいと内心では思っていた。後で触れるが、今回の山行では、コミュニケーションの不足が問題として表出する場面が多かったと感じる。
破風山から雁坂嶺までは、G先生の転倒という不運な場面をはさみつつも、比較的悪くないペースで歩いた。
雁坂嶺で昼食。本来は雁坂峠で昼食の予定だったが、休憩のペースを踏まえて、これが時間を無駄なく使えるとして、昼食場所を変更する判断を下した。
雁坂峠を通過し、本格的に下る。急斜面に加えて、雨にかかわらずもともと地盤が緩いようで、滑りやすい登山道が続く。歩幅を極端に狭くし、靴底全体で地面を踏む歩行を心掛けた。
沢と合流する付近になると傾斜は落ち着く。このあたりから3箇所、渡渉する場所がある。新入部員はおそらく初めての渡渉経験になる。1箇所目で部員は、CLのW先輩が踏んだ跡をたどると同時に、M先生の斜面上からの指示に従って渡渉した。小さい歩幅かつ安定した砂利を踏むことが強調して説明された。
2箇所目について特筆することはない。3箇所目では、かつてのワンゲル部員が滑落しかけた場所であることから、M先生が先導し、詳細に足の踏み場と手を置く位置の手本をお示しになった。全員が無事に渡り切り、M先生は安堵した様子だった。3回の渡渉を通して、一部の部員が指示に反して、大股で沢を飛び越えたり、浮石を足場としたりしたことは、危険であり、これは課題である。
最後の渡渉から30分ほど歩くと沓切沢橋に着く。そこから道の駅みとみまで43分の歩行を経てたどり着いた。コンクリート舗装された林道で、登山靴には負担が大きかった。
道の駅みとみで解散式を行う。予定より時間が掛かっての到着となったが、これで、無事に7月山行は終了した。
今回の山行を総括する。まずは、部員の体力面について、全員がリタイアすることなく、長丁場を耐え抜き、目的地まで山行を完遂したのは高く評価できる。この実績は、夏合宿に向けて、部員全員が着実に成長を遂げていることを明確に示すものである。
ただし、行動全体に関しては克服すべき課題がある。すなわち、コミュニケーション不足である。テントの設営・撤収や休憩場所の選定、渡渉の一部の場面などが、その顕在化した例だ。私を含めた指導学年としては、具体的な指示を周知徹底し、ワンゲル組織全体としては、決定事項の達成に向け、目的意識と手段を共有する必要がある。
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《「稜線」第47号(2026年度)所載》
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