2025年 新歓山行 山行記
|
筆者 Y・W (2年生)
|
|
5月11日(土) 曇り
今年のワンダーフォーゲル部には新しく1年生が2人、2年生が1人の計3人の部員が入った。去年の私の入部時には5人と少人数だった部員も今や9人となり、部室がすごく狭く感じたことに感動した。
当日、朝はあいにくの雨模様だったが、昼になるにつれて雨も止み、時間通りに上石神井駅に集合できた。移動も全く問題なく、川井キャンプ場到着までとてもスムーズに進んだ。去年、我々2年生が新入部員だった頃は、集合に遅刻するなどしていたが、今年の1年生にはそういったそぶりは全くなく、良いメンバーになりそうだと思った。……しかし、これは恐らく初手から遅刻した我々の代がイレギュラーすぎたのであろう。
設営も15分程度で終わり、1時間半の自由時間は川で水切りをして過ごした(新1年生の逸材を発見した)。炊飯も調理もすごくうまくいき、この1年間でワンゲルは確実に成長しているように感じた。
ミーティングでは、玉ねぎを事前に切ることを伝え忘れていたこと以外で特に反省もなく、臨機応変な対応ができてよかった。2日目もこのまま何事もなく進むことを願い、19時30分に就寝した。
5月12日(日) 曇り時々晴れ
3時半に起床し、朝食を作り始めた。新入部員3人は3時半起床に慣れていないのか、なかなか目が冴えていない様子だった。ガス切れなどでお湯を沸かすのに若干手間取ってしまったが、押してしまった時間の分を、片付けと撤収の手際の良さで補い、4時55分に撤収完了できた。
川井駅で乗車し、6時に奥多摩駅に着くと、最終準備を済ませ、いよいよ山行がスタートした。
今回のコースには、登山道に入っていきなりこれ以上ないほど急な愛宕神社手前の階段が存在する。この階段はリタイア者が出たり、勝手な行動をして先生に??られたりと、ワンゲルではなかなかに有名なのである。
愛宕神社を越えた先の2本目は鋸山の周辺で、急な登りと下りを繰り返す、なかなかハードなコースである。しかし、2回目の休憩になっても新入部員の三人は弱音一つ吐かなかった。去年、1回目の休憩で「疲れた」といい、そろそろ山頂だと勘違いしていた我々2年生からすると、なんてすごい奴らなんだと思い、尊敬した。
鞘口山から山頂までは、山頂に見えてまったく山頂ではないぬか喜びを促すスポットが多く存在する。去年、これに何度も苦しめられたのを懐かしく感じながら、11時に御前山山頂に到着した。
山頂では昼食を食べ、景色を楽しみながら去年の思い出などを語り合っていた。それにしても1年生が「疲れた」と一言も言わないのが信じられなかった。長い登りに疲れていることは確かだと思うが、やはり今年の1年生は根性のある優秀な部員だと思った。
登りがきついコースでは下りが楽なのはよくあることで、今回のコースの下りはずっとそこそこ急な下りだった。私は去年の新歓山行で下りにすごく苦戦したため、1年生の様子を気にしていたが、心配など要らなかったようだ。まったく言うことなしの下りを見せてくれた。
逆に、2年生は少し余裕があったのか、おしゃべりが目立ち、私は気が抜けて滑ってしまった。このようなミスがない頼もしい先輩になるのはもう少し先のようだ。
12時40分にサス沢山で最後の休憩を取った。去年は登りの途中で見たのと同じ景色とは信じられないほどきれいに感じ、体力とメンタルの面で大きく成長していることを感じられた。同時に、この景色を楽しむ余裕がなかった去年の自分が少し情けなく思えた。景色を楽しみたいなら、やはり普段の体力づくりは重要なのだ。
そのまま13時39分に登山口を出て、バスに乗車し、13時55分に奥多摩駅に到着。新歓山行は幕を閉じた。
今回の反省としては、食材を切ってくることを伝え忘れたり、パンが少し足りなかったりと、事前準備の漏れが目立っていた。今回は臨機応変な対応で乗り越えることができ、大きな問題にならなかったものの、長い山行では重大なミスになりかねないため、部員の間で装備をこまめに確認しあうなどして、今後は絶対にないようにしたい。優秀な部員も増えたので、今後もより良い山行にしていきたいと思う。
|
《「稜線」第46号(2025年度)所載》
|
|