2024年 春合宿 山行記

筆者 K・O (1年生)

 今回の山行では丹沢山に登った。部員が減ってしまい、今の代は経験が少ないため2023年度の春合宿と同じコースを登ることになった。今回の山行は主にCLの経験を積むことを主題として行われた。

3月27日(水) 晴れのち曇り

 秦野駅集合時間は8:15。全員が集合した。ただ、集合時間には間に合ったので問題なかったが、もう少し余裕をもった移動を心がけたい。

 その後、バス乗り場に移動してバスに乗る。バス乗り場ではかなりの人が並んでいたが、もう1本バスが来ることがわかると、ヤビツ峠行きのバスへ乗らない人も多くいた。

 ヤビツ峠に着くと、少し移動してゲイターを装着した。前日には雨が降ったため地面がぬかるんでいることが予想されたためだ。しかし、ゲイターを装着したことがなかったため、かなり時間がかかってしまった。

 その後体操を終え、9:25に歩行開始。今回はがCLを務めたが、CLとして先頭を歩いた経験がないため、先生からから数回、ペースが速いという注意を受けていた。何事もなく進み、1回目の休憩を終えて、二ノ塔に登り、三ノ塔に向かう。この辺りから長い木道が増えてきた。

 11:08に三ノ塔に着くと、昼食を摂ることにした。昼ごはんはアルファ米とフリーズドライの具を食べた。
 問題なくお湯を沸かし、フリーズドライを入れたアルファ米の袋に注ぎ、一緒に調理した。沸かしたお湯が少し少なかったため、アルファ米に少し固い部分が残っていたが、概ね美味しく食べることができた。

 休憩を少し多めに取り、12:00までとしたが、昼食が早めに終わってしまったので、10分ほど暇を持て余すことになった。この辺りの休憩時間の見極めというのは今後の課題だと思う。

 三ノ塔からの眺めはかなり良く、雲が少しかかっていたため完全ではなかったが、富士山を見ることができた。
 三ノ塔からは尾根伝いに歩いて行き、行者ヶ岳に着いたところで3回目の休憩を取った。

 その後、新大日、木ノ又大日と進み、塔ノ岳山頂に辿り着いた。最後の方はかなり疲れていたが、そこまでペースを落とすことなく登り切れた。

 尊仏山荘には2週間ほど前に訪れていたが、その時は雪が積もっていたため、今回はまた異なる印象を受けた。
 山荘に入り、しばらくすると、別の団体が大勢来た。なんと19人もの大所帯だった。

 コッヘルに水を入れて、飯を炊く準備をした後、不動の清水に水を汲みに向かった。ひたすら階段を下り続けたが、ザックを背負っていないため非常に軽い足取りで進むことができた。水を汲み、山荘に戻ると、炊飯を開始する。屋内だったためか、想定よりも早く飯が炊け、事前に決めた夕食の時間よりも早く食べ始めることになった。

 夕食は牛丼で、玉ねぎに対して肉が多めだったが、飯は問題なく炊けていて、美味しかった。

 夕食後、記録の確認や明日の行程の確認を済ませて、後は消灯を待つだけになった。かなり暗くなって来たので、トイレのついでに外に出て夜景を見ることにした。空は雲が多かったが、街の夜景は問題なく見ることができた。

 明日は3:30に起床して早めに行動するので、他の人を起こさないように、夜のうちに荷物をまとめておく。疲れていたので、早く眠ることができた。



3月28日(木) 雪

 3:30に全員起床。他の宿泊者もいるため、静かに1階に下りて、炊事の準備をする。チキンラーメンをお湯を沸かしたコッヘルに入れて作った。しかし、お湯が少なかったためスープがほとんどなく、味が濃くなっていた。

 夜の間に雪が降ったので、雨具を着用してから出発する。外に出ると、2週間前に見たような真っ白な光景が広がっていた。

 体操を終えて5:05に出発する。雪が積もっていて危ないため、雪がなくなるまでは先生が先頭を歩くことになった。木道を歩いている間は問題なかったが、進んでいくにつれて雪が固まって滑りやすくなっていた。そのためチェーンスパイクを着けた。

 去年の春合宿では丹沢山まで休憩なしで行けたそうだが、道が凍結していたため慎重に進み、丹沢山に着いたのは6:25だった。

 その後も慎重に歩いていき、不動ノ峰に着いた。不動ノ峰には避難小屋があるのだが、去年の夏に完成したらしく、それまでは屋根がついているだけだったようだ。壁があり、寒さを凌げることに感謝しながら、休憩を取った。

 蛭ヶ岳までは問題なく進んだが、蛭ヶ岳から原小屋平に向かう途中で、のチェーンスパイクが壊れてしまった。その前から少し緩いんじゃないかと先生から指摘されていたが、緩んだ鎖が地面に引っかかり、先端の金属部分が外れてしまったようだ。トラブルがありつつも原小屋平まであと半分というところで休憩を取った。

 この辺りから雪が消えてきたため、チェーンスパイクを外し、私が先頭を歩くことになった。やはりペースが速かったようで、何回か指摘を受けて、後ろを確認することを意識するようになった。原小屋平から姫次に向かうところでは、雪のため先にある道がわからなくなることがしばしば発生した。歩いた跡がなくなっていたり、別の方向に向かっていたりしたためだ。赤いテープを探しながら進んでいき、姫次に着いた。直前の登りはかなり大変だったが、なんとか登り切れた。

 姫次で昼食を摂ることにして、お湯を沸かす。雪が降り始め、かなり冷え込んできた。初日と同じようにアルファ米とフリーズドライにお湯を入れる。初日での反省を活かし、お湯が染み込んでない米がないように混ぜることで多少マシになった。

 非常に寒いので、予定していた時間よりも早く出発することにし、黍殻山避難小屋に向かう。バスが来るのが13:16であるため、気持ち急ぎめに歩きやすい平坦な道を歩いていく。黍殻山避難小屋で尿意が限界だったためトイレに行き、また出発する。焼山までひたすら歩きやすい道だったので、バスに間に合うようにペースを少し速めて進んでいった。

 焼山を下りて30分ほど進んだところにロープが設置されているゾーンがあり、非常に滑りやすい急坂になっていた。危険なので1人ずつゆっくり下りていく。道がだいぶ安定してきたところで休憩を取った。

 その後、バスの時間がギリギリなため、急いで下っていく。このバスを逃した場合、次に来るのが16時台であるためだ。アスファルトの道に出て、さらにペースを上げて進んだが、焼山登山口のバス停に到着した時間がギリギリ遅く、間に合わなかった。本当に僅差であったため、いくつかのトラブルがなかったら間に合っていたことを考えると、少し悔しかった。

 16時まで待つのは流石にきついので、タクシーを呼ぶことにして解散式を終えた。

 今回の山行ではいくつも反省点があり、これからの山行のいい経験になったと思う。


《「稜線」第45号(2024年度)所載》


     
塔ノ岳山頂    丹沢山山頂
 
   
     
 蛭ヶ岳山頂    蛭ヶ岳山頂
 
   
 
  塔ノ岳山頂から見た夜景



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