2024年 秋季山行 山行記

筆者 H・S (1年生)

 本来、10月に実施される予定であった秋季第1回山行が、中止された。その理由は、私の都合が合わないことの連絡が遅れた、計画書の提出が期限に間に合わなかった等が挙げられる。準備が整っていない状態では事故や怪我などの恐れがあることから、それらに鑑みて中止という運びになった。そのような状態で臨む今回の山行。新たな部員も迎え入れ、不安材料が多い中で始まった。

11月3日 (日)  晴れ

 7時頃に立川駅の青梅線ホーム集合の予定であったが、私が遅刻したため、全員が合流したのが青梅線の中となった。またこの日は臨時急行便が出ており、普段とは違うホームからの青梅線であったため、集合場所に齟齬が生じてしまったという。このようなことがないように、以後は準備会等で臨時便の確認など細心まで注意を払っていきたい。

 この日は三連休の2日目で、天気も絶好の登山日和であったため、奥多摩駅はいつもに増した賑わいを見せていた。そんな中、私たちはバスに乗り、今回の登山開始場所である鴨沢へ向かった。

 鴨沢に着いて、すぐに準備運動等を済ませ、登山を開始した。色づき始め、それぞれの表情を見せる木々が、秋だということを強く認識させた。

 1本目は遅すぎないペースで順調に進んでいた。CLのペース配分の上手さには脱帽である。
 2本目も同様に良いペースで進み、特筆して挙げられる難所もなかった。

 そして、堂所へと向かう途中の風呂岩で昼休憩を取った。今回は新たな試みとして菓子パンを昼ごはんに採用した。特にあんぱんが好評であった。食パンなどの無機質なものではなく、味そのものがパンにあるというのは小さいようで大きいことだ。

 3本目は歩行こそ問題はなかったが、メリハリが付けられていなかったと感じた。というのも、休憩をとる時間になったタイミングで、ちょうどに写真を撮る場所があったのだが、そこで休憩を取るか写真を撮るか、であやふやなままの時間があったのだ。次にこのような場面があれば、先に休憩にしてから写真を撮るなど、工夫していきたい。

 4、5本目も問題なく歩き、小雲取山に到着。その後、雲取山避難小屋に着き、15:28に山頂に到着。このとき既に日が暮れ始めていて、速やかに雲取山荘に下った。

 雲取山荘に着いてから幕営地を探したが、時間が遅かったことと、三連休のピークに来ていたこともあり、場所取りに時間を要した。最終的には斜面になっているところに設営した。このような経験は厳しい条件下に置かれた時に生きてくるだろう。いい経験であった。

 16:40分に設営を終了し、すぐに食事の準備に取り掛かった。この時既に日は沈んでいて、辺りはかなり冷えていた。ここで、私ともう1人の部員がガス缶はもっているが、バーナー・ヘッドを持ってこなかったいう致命的なミスを犯してしまった。この影響もあり、食事の準備が終わったのが17:20分とかなり遅くなってしまった。また、炊飯で給水時間を忘れてしまうなどのミスがあったため、硬すぎるご飯になってしまった。部活で調理の練習の機会を設けるべきだと思った。

 その後のミーティングは、食事の準備が滞ってしまったことに対する反省や、2日目の出発時間を30分早くするといった内容であった。
 その後19:30に就寝した。1日目は歩きこそ問題なく出来ていたが、雲取山荘に着いてからの準備が遅かったことが反省点だろう。



11月4日 (月)  晴れ

 3:30に起床し、4:00に調理を開始した。動きが遅かったことや、周りの気温がとても低くかった影響で調理終了が4:40と40分もの時間がかかってしまった。
 撤収もかなり遅く、雲取山荘を出発するのは予定から40分遅れた5:40となってしまった。

 雲取山山頂に着いたタイミングでちょうど日が昇ってきた。下には雲海が広がり、辺り一面パノラマで、富士山も全体がハッキリと見えた。登山をやっていて良かった心から思える瞬間であった。そこからは小雲取山に到着し、その後、休憩をとった。

 2本目は基本的に下りであり、1日目とは変わった気分であった。2本目の休憩時に先日から体調が悪かった先輩が先生とともに鴨沢にエスケープし、5人で奥多摩駅に向かうことになった。

 七ツ石山への登りの途中から見えた雲取山はもう手の届かない位置にあった。ここでも問題なく進み、3本目の休憩に入った。

 4本目ではどこかで巻き道に入るタイミングを逃してしまい、高丸山に登ってしまった。しかし、その後に巻き道に軌道を修正でき、無事に本来のルートで進むことが出来た。途中でメンバーに棘が刺さってしまったため、絆創膏を使用した。

 巻き道をちょうど出たところで昼食休憩を30分間とった。
 そこからは問題なく鷹ノ巣山に登り、順調に六ツ石山に着いた。先日の雨が乾ききらず、ぬかるんでいた道もあったが、慎重に進むことが出来た。

 14:40には一般道に合流し、予定よりも早い15:15に奥多摩駅に到着した。そこでミーティングを行い、山行は終了となった。

 今回の山行では、今までに経験したことのない長い距離の歩行だったが、それを歩けたことに自分の成長を感じた。一方で、食事の面では今までできていたことが出来なくなっており、反省点が多くあった。

 次回の冬季山行を終えると現1年生は2年生に、現2年生は最高学年になり、新しく部員も入ってくる。そんな節目の時期の山行に多くの失敗をしてしまったことは至らない点ではあるが、現状レベルが低いことが知れたのは良い点と捉えることも出来るだろう。今回の反省を生かし、11月19日には炊飯練習を実施する運びにもなった。今回の山行は、レベルを上げるための糧となる意義のある山行になったと思う。


《「稜線」第46号(2025年度)所載》


     
雲取山山頂から飛龍山を望む   雲取山山頂 
   
 
雲取山山頂から南を望む (早朝)
富士の手前は、左から雁ヶ腹摺山、小金沢連嶺、大菩薩連嶺。中景はミサカ尾根。遠景右奥は南アルプス。
 
 
   
     
 雲取山山頂 (早朝)   七ツ石山山頂 
 
   
     
 石尾根の尾根道   石尾根の尾根道 
 
   
     
鷹ノ巣山山頂    六ツ石山山頂 



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