2023年 秋季第1回山行 山行記

筆者 S・Y (2年生)

 今回の山行は、代替わり1回目の山行だ。1年生のは体調不良で参加せず、1年生のも直前で腰痛によりドクターストップがかかった。初めてのCLを務める山行を、1年生含め3人でやり切ることができるのかという不安がある中での出発だった。

 そもそも、宿泊形態は、テント泊ではなくバンガロー泊である。私の予約が遅すぎてテント場が空いていなかった。さらに、準備会では、計画書に集合時間や部員の名簿にたくさんのミスがあったことに気づき、慌てて訂正するハプニングもあった。

 今、振り返れば、出発前の悪い雰囲気をそのまま引きずってしまった山行だったと思う。

10月21日(土) 〈1日目〉 晴れ

 私が6時半に集合場所の拝島駅に着くと、その場にいたから「先生がいない」と報告を受けた。今まで教員が遅れるという状況がなかったので頭が真っ白になってしまったが、からの指摘で、準備会に参加できなかった先生に集合時間を伝えた私のメールに問題があるかもしれないと気づき、昨日の夜に送ったメールを確認した。そして、はっきりと「7時半に拝島集合」と書いて送ってしまっていたことに気づいた。

 今日は歩行時間が短く、多少遅れても宿泊先のチェックインには間に合うため、先生が拝島駅に着くまで待つことにした。

 7時ちょっと過ぎに先生が到着され、我々は拝島駅から青梅駅、そこから奥多摩行きに乗り継ぎ、鳩ノ巣駅へ向かった。

 鳩ノ巣駅到着後、先輩がやっていたことを思い出しながら、たどたどしく準備体操を終えて、8時45分に出発した。

 歩行を開始してしばらくし、市街地から登山道へ続く道へは入ろうとするとき、私はスマートフォンの地図を使ってしまった。先生からの紙の地図を使った方がいいとご指摘をいただき、来た道を戻って正しい方向へ進むことができた。

 8時56分に登山道へ入る。慣れない先頭で、何度も早すぎるとご指摘をいただく中、9時30分になんとか大根ノ山ノ神へたどり着いた。ここで、はじめてチェックポイントに到着した安心感で気が緩み、詳しい確認をしないまま本仁田山とは方向が違う林道へ入ろうとしてしまった。1年生や先生方が疑問に思って立ち止まり、はじめて地図を確認して、ようやく私が進もうとしていた道が間違っていることに気づいた。

 態勢を立て直して、杉ノ尾根を進んだ。1年生の2人には、来られなくなった2人の分の荷物を余分に背負わせてしまっていたが、登りの連続する道でもついてくることができていた。尾根の途中で、2回休憩を取るも、2回ともザックを下ろしても良いという指示をするのを忘れてしまい、パーティを余計に混乱させてしまった。

 その後、瘤高山から本仁田山へと至る。昼休憩のことを、あまり考えておらず、10分の休憩だけで済まそうとしてしまったが、食べるタイミングがないとご指摘をいただき、ここで昼食を取った。

 11時50分に下山開始。F先生から、このルートは少し歩きづらいと伝えられていたが、実際に歩いてみると、きつい勾配に砂利道が続き、気が抜けなかった。厳しい道ではあったが、1年生2人は重い荷物を背負いながら確実に下り、無事に下山をすることができた。

 奥多摩駅から川井駅へ向かい、14時15分に川井キャンプ場に到着した。16時に炊飯と食事を開始した。私の担当は気象であったが、先生からの助言により、今回は1年生が2人しかいないため、私も食事と炊飯を手伝うことにした。

 私は食事と炊飯のことを深く理解していなかったため、CLだから指示を出さなければいけないとはやり、間違った指示を出して作業を混乱させてしまった。また、先生から油がないことを指摘された時に油は、油は必要ないと言い訳してしまった点は大きな反省点だ。

 食事係のと炊飯係のは、今まで自分たちだけで食事を作ったことがない中、先輩が残していったメモを頼りに、うまくカレーを完成させることができた。特に、が初めての炊飯で飯を先輩に遜色ないレベルで炊き上げたのには驚いた。ただ、ジャガイモは保冷が不十分だったためか、黒く変色し使えなかった。



10月22日(日)
 〈2日目〉 晴れ

 4時に起床した。本来は5時20分にキャンプ場を出発し、川井駅発5時44分で出発する予定だった。

 が腹痛を訴えてトイレへ行っている間に、と棒ラーメンを作る。袋に書いてある分量そのままに水を入れ、沸騰するまで待機した。この時、先輩がやっていた光景と比べ、水が多すぎる気がしたが、結果としてその違和感は正しかった。

 20分以上待機しても水が沸騰せず、待つ間に荷物の整理をしていると、が体調不良でここで離脱するという報告を受けた。慌てて、荷物の詰め替えを行う。この時に、が持っていた医療キットを詰め替え忘れ、我々はこれ以降医療キットなしで行動することになった。本来は山行を中止にするほどの事態であるので、絶対に再発を防がなければならない。

 大幅に遅れて、4時55分に食事を開始した。この時点で始発に間に合わないことは分かりきってしまった。結局、5時50分に川井キャンプ場を出発し、6時10分発の電車に乗った。出発時間が遅れることは場合によっては命に関わるため、許されない。昨日の杜撰なスケジュール管理を十分に反省できていなかった。

 奥多摩駅からバスで奥多摩湖まで行き、準備体操を終え、7時25分に歩行開始。過大な自己評価かもしれないが、前日と比べて、ペースの面ではごく僅かに改善が見られたと思う。

 ただ、前日に引き続き開けた岩場などで道を間違えることがあった。後ろの先生の助言を頼りに、どうにかして御前山まで辿り着き、そこで昼食を摂った。

 10時37分に下山開始。湯久保尾根は事前の情報通り、昨日と比べ歩きやすい道だった。今日は1時間ほど遅いスタートになったが、12時59分にはバス停のある小沢に着くことができ、バスを待つ間に解散式を行った。

 あまりにも反省点が多すぎる山行だった。私のスケジュール管理の甘さや判断ミスは夏合宿においては、部員の命を落とすことにもなりかねない。ただ、その反面、部員同士の協力が大事であるということを強く自覚できた。

 反省点を一つずつ部員同士で確認し、秋2山行では再発防止を徹底しなければならない。来年の夏合宿での失敗は、許されない。


《「稜線」第45号(2024年度)所載》


     
本仁田山山頂

   大ブナ尾根から奥多摩湖を望む
左奥は大菩薩嶺、右奥は飛龍山
     
     
 御前山山頂から北を望む
左端は雲取山、その右は鷹ノ巣山、鷹ノ巣山から右に石尾根が続く
   御前山山頂




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