2023年 個人山行・滝子山 山行記
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筆者 H・M (3年生)
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今回の個人山行は、体調不調で新歓山行に来られなかったEと、新たに入部したOの訓練を兼ねて行ったものである。それゆえ参加人数はCLの私と、E、N、Oの計4人と少ないものであったが、当日の朝、体調不調で参加できないとOから連絡があり、実際には3年生のみの個人山行となった。
5月21日(日) 晴れ時々曇り
八王子駅集合の時間は6時30分であったが、誰も遅れることなく集まることができた。
乗った列車は八王子6時35分発の松本行で、八王子始発であったため、ボックスシートに座ることができた。中央線のボックスシートに座りながら、わくわくしているのはいかにも私が想像しているワンゲル部らしい光景であった。駅を進むたびに、「この駅からはこの山に登れるよ」と話していて、ワンゲルらしい会話であったと思う。
列車は笹子駅に到着した。準備体操をし、出発した。はじめは甲州街道を歩いて、途中から林道の方へ進んでいった。舗装されている林道のところまではタクシーや自家用車が割と通っていて、武甲山に似ている感じがした。
新歓山行でテントを初めて持った3年生たちは重いザックの重さに慣れておらず、少し大変そうであったので、この個人山行では新歓山行と同じか、それ以上の重さを持つことにした。そのため、ほかの登山者よりも足取りは遅く、たくさんの登山者に抜かれた。
そうこうするうちに、登山道に入った。今回選んだ登山道は1200m付近まで沢沿いを歩くコースで、なかなか尾根に出ないコースであった。そのためか急登は少なく、比較的淡々と登ることができた。沢沿いの道は歩いていてとても気持ちよいところがいくつもあった。
しかし、2日前に雨が降っており、地面がとても湿っていて、木々に日光が遮られて乾いておらず、とにかく滑るのであった。1ヶ所とても滑るところがあり、NとEはスムーズに行けたもの、私は苦戦してしまい、15分ぐらいかけてしまった箇所があった。ほかの登山者は登山靴で足場を掘って、越えていく人もいて参考になった。しかし、新歓山行より重い荷物を持っていて、普段の日帰り山行より身軽さがなく、越えるのに一苦労したが、何とか通過することができた。
沢をから離れて少し歩くと、森林が開けたところがあり、日差しがとても気持ちよく、昼寝をしたくなる箇所もあった。最高の登山日和であった。
最後の登りを登りきるとツツジのピンク色の花が咲いて、とてもきれいであった。
滝子山山頂に着いて記念撮影をしたが、富士山が綺麗に見える側はガスで見えなかったが、北側(小金沢連嶺の方)はガスがなく、見渡せた。秀麗富嶽十二景の一つである滝子山から富士山が見えなかったのは、少し残念であった。
山頂で休憩していると、寂しょう尾根の方から登ってくる団体がいて、みんなヘルメットをかぶっており、危険なコースなのだと思った。その団体のリーダーが全体に対して的確な指示を迷いなく伝えていたことを見て、私も同じように的確な指示を迷いなくできるようになりたいと思った。
山頂から下山する際も滑りやすく、足元を注意する必要があり、気が抜けなかった。私は下りがそれほど得意ではなかったので、とても大変であったが、Eから「歩幅をもっと狭めたほうが滑りにくいよ」とアドバイスをもらい、歩幅を狭めて歩いた結果、滑らずに歩くことができた。普段の山行では下りのペースがとても速く、歩幅が広くなりがちだったが、滑るところは歩幅を小さくした方がよいことを再認識させられた。
途中で男坂と女坂に分かれる箇所があったが、足元の状況を踏まえて傾斜が緩やかであろう女坂を選んだ。滑りやすかったものの、問題なく歩くことができた。男坂だったらどうだったのだろう。
しばらく平らなところを歩いて、尾根から沢に降りる所まで進んだ。そこから先は下が見えないほどつづら折りになった登山道をひたすら下って行った。
沢に出る直前に、山頂であった団体に追いつかれてしまったので、下りをまだまだ練習する必要があると感じた。沢に出ると、切り立ったところもなく、Eのペースに合わせて下ることにした。私にとっては少し早かったが、部活の山行のペースと同じだったので、そのペースで歩くことにした。
林道に出ても同じペースで進んでいった。車道に出たところに駐車場があり、先ほどの団体が帰る支度をしていた。私たちは駅まで30分近く歩かなければならず、駅まで車に乗っけてほしいなと思いつつ、駅まで歩いた。
解散式をした後、初狩駅の前のコンビニでコーラと揚げ物を買って、みんなで乾杯をして解散としたが、下山後の糖分(コーラ)は最高である。
新歓山行に参加できなかったEであったが、テント泊山行の装備を持って問題なく歩けていたのでよかった。夏合宿に向けて、成長できた個人山行であったと思う。
今度は笹子駅の南側にある本社ヶ丸に登りたいとNが言っていて、いい雰囲気になってきたと思う。
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《「稜線」第44号(2023年度)所載》
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