2023年 個人山行 瑞牆山・金峰山 山行記

筆者 R・E (1年生)

8月17日(木) 〈1日目〉 曇りのち時々雷雨

 集合は八王子駅で、全員が間に合うことができた。バスに乗り換える韮崎駅には早く着いたため、飲み物を買ったりトイレを済ましたりすることができた。

 バスでは荷物を脇に置いておくことが許されたので、椅子にゆったりと座ることができ快適だった。天気は若干怪しく、不安になった。

 バスが瑞牆山荘に着いて、ついに山行が始まった。最初の50分は緩やかな傾斜の坂を登るだけで、そこまで大変とは感じなかった。富士見平小屋についてからはテントの設営を開始したのだが、初めて使うテントだったため、設営に手間がかかってしまった。今回の山行は新しいテントの練習も兼ねていため、良い経験になった。

 昼ご飯は時間がないため行動食として少しずつ食べていくことにした。ここからはサブザックでの行動となる。
 12時ごろに出発し、そこから30分程は下りであった。下っている最中に瑞牆山の山頂部分の岩場が見え、今からあの山に登るのかと心を滾らせた。

 沢のそばには鎖場があり、今まで体験したことがなかったので緊張した。岩は思ったほどは滑らず、しっかり手を置く位置を見極めれば登れるほどであった。沢のエリアを抜けたあたりで休憩をとった。

 段々と登りも厳しくなってきており、足を上に思いっきり上げなければいけない場面が増えてきた。先輩が足を置いたところを丁寧に踏んでいった。

 登っていくと梯子がかかっている場所に着いた。重心を前にかけないと倒れてしまうのではないかというほど不安定で、先輩含め、丁寧に時間をかけて登った。先輩は梯子や鎖場などがたくさんあるためいい経験になる山だと言っていて、その通りだと思った。

 山頂には岩場が広がっていた。いい景色が見えるかと思ったが、ガスっていて何も見えず、運がないと思った。昼ご飯を食べている間にガスが晴れていることに気づき、見に行くと、一部だが、くっきりと景色が見える方角があった。ガスの変化のスピードの速さを思い知らされた。

 下りは梯子や鎖場で苦戦し、時間を食ってしまった。この経験を次に活かし、もっと速く下れるようにするのが課題だと思った。途中で雷雨が降り始め、急いで歩いていると転んでしまった。焦っている状況でも丁寧に歩くことを心掛けたい。

 テント場に着いてからは少しゆったりした後に、夕食のカレーを作り始めた。夕食の準備をしている最中に急に豪雨が降り出し、ガスが焚けなくなってしまった。テントの中で試し続けたが結局付かず、冷えたカレーを食べることになった。このような悪天候の時に冷静に対処できるようになるのも課題の一つだと思った。



8月18日(金) 〈2日目〉 晴れ

 前日の雨による朝露でテントは湿っていた。触れた場所から濡れていくため、作業しづらい空間だった。
 朝食は棒ラーメンだった。個人が持ってくる小さいコッヘルでお湯を沸かしてしまったため、二人分しか沸かせず、二人分を三人で分けることになった。

 6時頃に金峰山に登り始めた。最初の1本は登りもゆるく、普通の道だった。1本で大日小屋に着き、そこから30分程で大日岩まで行った。大日岩に登るかどうか迷ったが、景色を目当てに登ることにした、大きい岩ばかりで登りづらかったが、見られた景色は絶景であった。大日岩を下りたところで休憩し、そこから丸山まで1本で歩いた。

 丸山から砂払の頭までの道も大きい岩が多く、本当に登りづらい山であると思った。このあたりから森林限界を越え、周りの景色が視界に広がってきた。精神的には楽になってきたが、山自体の難易度は上がるばかりであった。手をつかないと登れないところが増えてきて、いい経験になったと改めて思えた。

 山頂に着くと、そこには鳥居があった。先輩に話を聞くと、ご神体である岩を祀っているため鳥居があるようだ。ガスりかけていたが、何とか景色も見ることができ、登ってよかったと思えた。昼ご飯もここで済ませた。

 下り始めると、登りよりも難しいことに気づかされた。滑り台のように姿勢を最大限まで落とさないといけない岩もあった。平衡感覚から手の付き方まですべてが学べる下りだと思った。

 大日小屋で水を汲んだ。何が起きるかわからないため、水は汲んだ方がいいことを先輩から教えてもらった。

 富士見平小屋でのテントの撤収は、アブが出たため少し遅れた。久々にメインザックでの下りが始まるため、気を引き締めて最後の1本に臨んだ。最後の下りは比較的下りやすかったが、一ヶ所とても滑る岩があり、そこで先輩が尻餅をついてしまった。足場の確保は大切であることが分かった。無事1本でバス停に着き、山行を終えることができた。

 鎖場や岩場など、今回の個人山行で得られたことは大きい。これを次の山行に活かせるよう、しっかりと吸収することが大切だと思った。


《「稜線」第45号(2024年度)所載》



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