2022年 冬季山行 山行記

筆者 K・S (2年生)

12月15日 (木) 快晴

 今回は藤野駅に7時とかなり早い時間に集合することになっていた。歩行予定時間が長く、日の入りの時刻までに下山できるかどうか不安であったためである。

 今回は2名が集合時間に間に合わなかった。その時刻までにからは電車で寝過ごしたと連絡があり、CLがバスに乗るように指示を出した。しかしながら、は時間になっても連絡が付かず、後で寝坊していたと連絡があり、不参加ということになった。出鼻を挫かれるようなスタートであった。

 7時16分に藤野駅を出発し、登山口へ向かう。しばらく舗装路が続き、登山口に到着。道中でと合流し、急な登山道を登っていく。当初心配していたように道が凍結していたり、積雪があったりすることもなく、歩きやすい登山道であった。

 木々の間から顔を覗かせる富士に盛大なネタバレをされたような気分になりながらも、頂上からの眺望に期待を募らせ、歩を進める。一旦勾配が緩やかになったところで第1回休憩を取る。期末試験明けの運動不足と冬の厚着のせいもあってか、部員達は額に汗を滲ませていた。

 休憩を終えると、平坦な尾根と傾斜の急な登りを繰り返しながら、陣馬山へ向かう。冬の風は肌を刺すような冷たさであったが、日差しの暖かさと相まって、程よい気候であった。

 陣馬山直前の階段を登りきり、9時23分、独特の馬のモニュメントのある頂上に到着。振り返ると冠雪し、凛とした雰囲気を纏う富士山がはっきりと見えた。その横には南アルプス、反対側には夏合宿で行った男体山、日光白根山まで見渡すことが出来た。こういった景色を目にすると、やはりワンゲルに入って良かったと感じる。

 写真を撮り、長めの休憩を終え、9時54分に出発。景信山までは急なアップダウンもほとんどなく、快適な尾根歩きを楽しんだ。

 途中、堂所山を通過したところで、第3回休憩を挟んだ。眺望は悪かったが、鬱蒼としていて、これはこれで山らしく良いものであった。

 11時51分、景信山に到着。記念撮影を済ませ、昼食を摂る。頂上からは都心の方向が一望できた。空気も澄んでおり、スカイツリーも見ることができたためか、一同会話が弾んでいた。

 昼食はおにぎりであり、暖かい食事が恋しくも感じたが、やはり山での食事は何を食べても格別に美味しいものだと改めて実感した。また、頂上の茶屋の奥からは相模湖と程よく雲のかかった富士山を同時に見渡すことができ、絵画のような美しさに目を奪われた。

 12時33分、歩行再開。徐々に下っていき、小仏峠を越えると登りが続くようになった。13時17分、城山に到着すると第4回休憩を開始。私はもともと腹が弱い体質ではあったが、腹を満たした後の気の緩みのため防寒を怠り、腹を下してしまった。幸いなことに山頂にはトイレがあったため惨事には至らなかったが、こまめな体温調節の重要性を実感した。

 気を引き締め直して、高尾山へと向かう。城山からは階段や木道、平らに均された登山道が続き、徐々に登山客も増えてきた。やはり平日でも高尾山は人が多いのだろうと少し辟易とした気分になりながらも進んで行った。

 もみじ台前から階段が続き、終わったと思った矢先に石段が現れ、一気に高尾山山頂まで上がる。地図から傾斜が急になっていることはわかってはいたが、実際に直視すると憂鬱な気分になるものであった。

 14時10分、若干の疲労を感じつつも階段を登りきり、高尾山山頂へ到着し、第5回休憩を開始。高尾山は行き慣れた山であったためか、一同あまり感動を覚えている様子はなかった。

 水分補給を済ませ、歩行再開。4号路の入口には滑りやすい登山道と注意書きがされていたが、舗装路でないことに安心感を覚え、土の地面の良さを噛み締めながら歩いた。高尾山ケーブルの高尾山駅を過ぎると岩混じりの急な下りが続いたが、特にトラブルもなく下りきることが出来た。舗装路に出ると、少しもしないうちに清滝駅へ到着。時刻は15時30分であった。そこで解散式を済ませた。

予定では日の入りに間に合うか怪しかったが、1時間程の余裕を持って行程を終えることが出来た。怪我などもなく、期末試験明けであったにしては上々の出来であったと言えるだろう。今回の山行では2年生は勿論、1年生も早めのペースに遅れることなくついていけていたところに成長を感じた。

 ただ、改善すべきは連絡の遅さだろう。本来、遅刻や不参加(やむを得ない事態を除く)自体あってはならないことだが、連絡を怠れば、さらに隊全体の行動に遅れを生じさせることになる。これは本人の責任が大きいが、それを許すような部の雰囲気を作った2年生にも責任がないとは言えないだろう。

 また、休憩の後、出発するに当たって、少しもたつくことがあったことも課題である。これに関しては、意識すればすぐに解消できる課題なので、しっかりと早めの行動を呼びかけていきたい。こういった声掛けが不十分なところは、後輩を引っ張っていく2年生全体の課題であると感じた。


《「稜線」第44号(2023年度)所載》



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