2022年 秋季第1回山行 山行記

筆者 R・N (2年生)

10月16日 (日)  曇りのち晴れ

 今回の山行は、現在の2年生への代替わりが行われてから初めての山行であった。もう頼りにしていた3年生はおらず、自分たちで隊をまとめていかなければいけない。また、1年生の参加者の多くは5月の新歓山行以来山に行っておらず、今回が初めてという者もいた。2年生のCLも今回が初めてであるため、CLのMは今回の山行で何か起きないか心配だ、と話していた。

 残念にもその予感は当たってしまった。出来事は二つあった。
 一つ目は水を忘れた者がいたこと。ある1年生は入部後に購入を指示していた水用の容器を購入しておらず、一時は参加を認めないかどうか議論になったが、M先生のご厚意により追加の容器を持ってくることによって問題は解決した。

 二つ目は遅刻である。もともと7時40分に集合予定であったが、電車に乗り遅れたのか、1年生の一人は時間になっても集合場所に現れることはなかった。結局、およそ10分後に集合場所に到着した。二人は今回の失敗で自分の行動で全体に迷惑をかけるとはどのようなものかを身をもって知ったであろう。そう願いたい。

 全員が渋沢駅に集合したのは7時50分であった。そのため、当初乗ることを予定していたバスに乗れることができず、8時8分のバスに乗ることとなった。バスで大倉まで移動し、トイレ、準備体操を済ませた後、8時40分に大倉を出発した。
 
 大倉出発後はおよそ2時間の林道歩きであった。林道といっても、完全な舗装路を歩くものではなかったため、想像していたよりもハードではなかった。沢が近いことから、この林道付近にはヒルが生息していた。沢を渡ることもあったため、何人かの参加者はヒルに噛まれてしまったが、早めの報告により深い傷とはならず、絆創膏程度で済んだ。ヒル以外には目立った問題もなく、2度の休憩をはさみ、林道歩きを終了した。

 11時20分に後沢乗越に到達。ついにここから鍋割山までのきつい登りが始まる。ここから鍋割山への行程では、大倉からの登山客や鍋割山から下山する登山客が多く、隊がストップしてしまうことが多くあったが、CLのMの良い歩行スピードの判断のおかげか、経験の少ない1年生が後れることなく、スムーズに鍋割山へと登ることができた。

 12時35分に鍋割山山頂に到着。いい頃合いであったため、予定を変更して鍋割山で昼食をとったらどうかとM先生から助言があったが、CLのMは塔ノ岳で昼食をとることを選択し、写真撮影、トイレを済ませた後、12時55分に出発した。

 ここからの行程はアップダウンが頻繁に見られる登山道を歩いて行った。また、周りが霧に包まれるようになり、ある程度の高度に達したのだなと感じた。白い霧に包まれた登山道を進む一行は、小丸、大丸を通過し、13時50分に金冷シに到着。この地点で大倉尾根と合流した。地図を前もって読んできたメンバーの中には塔ノ岳はもうすぐだと思っている者もいたが、塔ノ岳山頂直下の急な登りでは、彼らは苦悶の表情を浮かべていた。

 急登を登り切り、14時5分に塔ノ岳山頂に到着した。予定通り、山頂で昼食としてアルファ米を食べることとなった。調理器具を使ってお湯を沸かし、それを容器に入れて待ち、アルファ米を食べる。お湯を沸かすだけ、と簡単に思われたが、点火にてこずり、少々時間を使ってしまった。お湯を沸かしている間に写真撮影をし、食事、トイレを済ませて14時55分、下山を開始した。

 下山開始からしばらくの間は、登りでは後ろを歩いていたA先生が先導した。これは、アップダウンのある鍋割山からの行程において、隊から後れを取っていたにもかかわらず、下りの場面で追いついてしまい、このままでは日没に間に合うか不安になったため、また遅刻によってできた数十分のタイムロスを取り戻すための判断であったそうだ。いつにもまして速いスピードで大倉尾根を下っていった。途中、岩が転がっている場所もあったが、転んで怪我をする者もおらず、スムーズに下りることができた。

 金冷シ、花立山荘、掘山の家を通過後の15時45分からの第5回休憩後は、CLのMが先生と交代してトップを歩いた。A先生の指導あってか、前よりもスピードに乗って下ることができたと感じた。日没に間に合うかという不安の中での下山ではあったものの、比較的整備されていた登山道であったため、難なく突破し、大倉に到着した。17時8分であった。我々が大倉のバス停に着こうとしたその瞬間、バスが発車してしまったため、大倉で解散式を行い、解散となった。

 今回は先生からの指摘の通り、忘れ物、服装、遅刻など、一部の参加者とその他の参加者の山行に対する意識の低さが明確になった山行でもあった。しかし、およそ半分の参加者が初めて、もしくは数か月のブランクという中での山行であったが、大きな怪我や、途中でダウンする人がおらず、7時間強の行程を全員で歩ききることができたのは、ひとまず安心であり、参加者の自信につながるものであろう。


《「稜線」第44号(2023年度)所載》



▲2022年度の山行一覧に戻る▲

■ワンゲル・トップページに戻る■