2020年 秋季第2回山行 山行記

筆者 K・S (2年生)


 今回の山行は今年度2度目ということで、個人的には前回の反省を生かして成功させたかったものだった。というのも、2年生には初めての山を自分達がメインで攻略し、1年生には7時間に及ぶ歩行を乗り切れるかという課題があった。しかし、予定していた15日はCLの都合が合わず急遽8日に繰り上がり、前回からおよそ2週間程で疲労感も残り、また翌週に中間テストがあった部員も多く、私もその1人だった。

 そんな中、初めてである川苔山、前回より歩行時間も長く、集合時間も早い今回の山行を乗り切れるか、正直、自分の中には不安があった。これに加え、私は前回CLでやらかしがある。緊張感の下、とにかく山行へ向け、当日の集中力を上げるべく、就寝した。

11月8日 (日)  曇り

 今回は7時集合で前回と30分早かったが時間内に全員が来た。Kが英検で、K、Gは成績を優先。1年生のHも当日に体調不良と、残念ながら部員全員が参加できたわけではなかった。こればかりは各々のやむにやまれない事情もありしょうがなかったが、やはり全員で登りたかった。直前に山行同意書をお願いする形になったが、10人中9人がちゃんと持ってきていた。忘れたのが2年生なのは少し気になるところだが、これから気を付けてくれることを信じたい。昼食のおにぎりも無事調達でき、電車に乗った。

 青梅線は10月よりも人が多かった。私たちは手前の鳩ノ巣駅で降りたが、奥多摩駅へ行くと思われた人も多く、やはりバスを回避した判断は正しく、前回の反省が生きた所だった。

 鳩ノ巣駅から、トイレとストレッチを済ませ出発した。第1回目の歩行はコースタイム通りの適度なペースで行った。感染対策を怠らないという前回の姿勢は直前の準備会でも確認し、歩行中にマスクを積極的につけるなど全体の意識は高く、コップに水をつぐのも慣れた様子だった。直後の分岐の判断で少し時間をとってしまったが、地図を出して判断しようとする人が多く、私も1年生と話し合ったりできた。こういったことも前回はあまりなく、部全体にいい雰囲気が出てきたと思う。A先生の助力もあり無事分岐を越え、新たな山道へ進んだ。

 それからしばらくは分岐のない道が続き、順調に進んでいった。落ち葉も少なく階段もあり歩きやすい山道で、自分も時折開けた側の景色を楽しんだり、紅葉の境目に差し掛かった所で辺りを見回す程度の余裕があった。途中の舟井戸からは落ち葉が増え、登りも傾斜があがり、すれ違う人も多くなった。個人的に山頂手前のアップダウンがややしんどかったが、1年生にそのような気配はなく、自分の体力不足を感じた。前回もそうだったが今年の1年生の登りは頼もしい限りだ。

 12:10に川苔山山頂へ着き、昼食をとった。もともとパンより飯派の私にとって、おにぎりは最高の昼食だった。味のチョイスも鮭とツナマヨとナイスな選択で、日帰り山行ならではの試みに、新鮮味を感じた。眺望は、晴れて日差しが眩しくもなく、雲で視界が悪くもなく、程よく見渡すことができた。このおかげで、昼食時に頭をよぎった中間テストを忘れ、山行に切り替える事ができたといってもいい。

 記念撮影を終え、本仁田山へ。舟井戸通過直後、踏みあとが薄く、登山道が見分けにくい所があったが、A先生とCLのKの先導で乗り越えた。

 しかし、ここから手こずる人が続出した。原因は、前回の山行で都民の森へルート変更したため、1年生に下りの経験値が全くなかったことである。主に大ダワ付近の急な下りと本仁田山を越えた後の下りで、特に後者は登りと下りで倍の時間を要することがこの道の難易度を物語っている。落ち葉や小石でバランスを崩したり、岩場の足の置き方にてこずる1年生が多く、落石することも多々あった。彼らにとって良い反省点になっただろう。

 私はといえば、慎重になりすぎたのか、前との距離が開くことが何度かあった。1年前の反省会で同じことを言ったと思いだし、何も変わっていない自分に恥ずかしくなった。

 結果的に、怪我をしたり体調を崩した人はおらず、安寺沢からはまた順調なペースで下った。下りに時間がかかってしまったが、日の入りまでに山道を抜け、17時過ぎに奥多摩駅に到着した。

 今回の山行は前回の反省を生かし、トラブルも非常に少なく、全体の自信や結束を強めるいい機会にすることができた。本当に先生方と先導したCL、SLの2人には頭が上がらない。そして、この経験を糧として、これからも部員全員でより良い山行を目指すべく練習に励んでいきたい。次回の冬山行では1年生は下りの経験をして慣れていく機会にして欲しいし、代替わりから初めてガスを使う予定なので、先ずはそこからだ。


《「稜線」第42号(2021年度)所載》


 
舟井戸付近の雑木 川苔山山頂から西を望む 

 
 
 川苔山山頂にて

 
   
 舟井戸を過ぎ、大ダワに向かう 大ダワに向かう尾根道 
 
 
   
 大ダワに向かう 大ダワに向かう 



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