2019年 秋季山行 山行記

筆者 K・N (2年生)

 夏合宿が終わって、3年生の先輩方が引退し、我々2年生が中心となる新体制での初めての山行となった。

 今回登ったのは6月山行で登っている鷹ノ巣山だ。私自身は大学で行われた理系の説明会のため、6月山行には参加できなかったのだが……。前回の秋1山行は台風により中止になってしまったので、実に3ヶ月ぶりの山行となった。奥多摩は台風19号の影響がまだ残されており、例年は六ツ石山へ縦走するところを峰谷橋からのピストンとなった。

11月9日(土) 〈1日目〉 晴れ

 上石神井駅には12:45に集合予定であったが、4限目が体育のクラスがあったので、12:50に変更となった。私は授業が終了して12時35分に教室を出たのだが、駅に到着したのが12時45分直前だったので、もう少し出発まで手際良くできるようにようにしたい。

 集合には全員が間に合い、予定よりも20分早い12:58の拝島行に乗車し、13:41に拝島駅で青梅線に乗り換えた。青梅駅で乗車したのは14:22の予定通りの電車であったが、早めに行動したことによって座って奥多摩駅まで向かうことができた。

 奥多摩駅に到着し、氷川キャンプ場まで行ったのだが、既に受付が終了しており、過去に何度か利用したことがある川井キャンプ場に変更となった。

 結局、川井キャンプ場に到着したのが16:02と予定よりもかなり遅く、受付をした後、私は皆が幕営を行う隣で天気図を書くこととなった。一段落して幕営に参加しようとするとほとんどの作業が終了しており、4月から著しい成長を見せている1年生たちを心強く思った。

 台風の脅威はキャンプ場にも残されていた。食事の準備をしている時に水を汲みに行ったから「向こうに興味深いものがある」と話をされた。ミーティングが終わり、トイレに行くついでにそれらしきものを探そうとしたのだが、全く見当たらなかった。まだ就寝時間までには余裕があったので、Nに案内をしてもらった。そこにあったのは水道だ。蛇口のみを残して地面に埋まっていたのだ。おそらく土砂が流されてきたのだろうが、それにしても私たちが使用していたのだから高さ70pくらいはあったはずだ。普段の生活では触れることの少ない自然の驚異を体感する瞬間であった。



11月10日(日)
〈2日目〉 晴れ

 私たちは予定通り3時半に起床し、朝食の棒ラーメンを食べた。今回は新発売の醤油を購入したのだが、とんこつに比べあっさりとしており、非常に食べやすいという声が多く挙がった。

 撤収を終え、キャンプ場を出る、というところで1つ問題が発生した。キャンプ場の入り口にはプラスチック製のチェーンが張られていたのだが、我々が通るときに破損させてしまったのだ。その時は午前5時過ぎと時刻が早く、管理人の方もいらっしゃらなかったので、下山後に改めて謝罪することとなった。

 その後、川井駅に移動し、始発で奥多摩駅へ向かった。電車が到着してからバスが発車するまであまり時間がなかったが、あまり乗客がいなかったこともあり、スムーズに行動することができた。

 峰谷橋に到着し、歩行が始まった。最初の2本の歩行は完全にアスファルトのみで、部員たちからも「物足りない」との声がちらほら聞こえてきた。冒頭にも記載した通り、3ヶ月ぶりなのにもかかわらず、誰も遅れることなくついてきていて安心したと同時に、今回CLを担当したの技量にも感嘆した。全員が遅れないペースを作り出すこともそうだが、それを山行全体を通して維持し続けることは少なくとも私にはできないからだ。

 3本目の中ほどで浅間神社を通過し、本格的な山道に入った。その後は多少の起伏はあったものの山頂手前まで問題なく歩いていった。しかし、鷹ノ巣山避難小屋を過ぎたあたりで分岐を進む方向を間違えてしまった。山頂へ進む道ではなく、水根山の方への巻き道を選んでしまったのだ。立て看板の方向が微妙な上、山頂への道が見にくかったこともあるが、私自身違和感があったにもかかわらず、間違っていないのだろうと過信してしまい、に声を掛けなかったことを後悔している。今後はCLに十分声が届くところにいる時は道を間違えたことをとりあえず声に出して伝えていきたいと思った。

 鷹ノ巣山の山頂で集合写真を撮影し、昼食を摂ると、すぐに下山した。

 夏合宿で下りが安定しない1年生が何人かいると聞いていたのだが、想像よりもはるかに安定していた。入部当初から1年生たちの体力の高さには驚かされてきたが、今回もまた一つ驚かされることとなった。

 浅間神社を通過し、アスファルトに出た時、また一つ問題が発生した。日差しが強く、帽子を着用しようとしたところ、1年生は全員持ってきたのにもかかわらず、2年生の2人が帽子を忘れてしまっていたのだ。しっかりと反省して次回からに生かしてもらいたい。

 その後は、特に何事もなく、峰谷橋に到着した。最初に来た臨時のバスが満員で乗れず、軽く絶望するハプニングがあったが、そのバスの運転手の方が定刻のバスが後から来ると教えてくださり、無事山行を終了できた。

 朝の川井キャンプ場のチェーンの件だが、被害が少なく修繕も済んでいたため、弁償等も発生せずにすんだそうだ。

 今回の山行は、新体制での初山行としては成功と言えるものだと思っている。だからと言って、失敗がないわけではないし、今後失敗しないとも限らない。良い部分を引き継ぎ、悪い部分を改善して、引退した先輩方に恥じぬ部にしていきたい。


《「稜線」第42号(2021年度)所載》



▲2019年度の山行一覧に戻る▲

■ワンゲル・トップページに戻る■