2019年 6月山行 山行記

筆者 H・Y (2年生)

6月8日 (土) 〈1日目〉 晴れ

 今回の6月山行は、鷹ノ巣山に登った。僕自身1年生の時にこの山を登り、とても体力的にきつかったので、自分自身の1年間の努力を確かめる気持ちと、SLとしてB隊を引っ張ると決めていた。
 しかし、今回は2年生の理系が大学の説明会で参加できず、3年生のR・K先輩も体調を崩して不参加になるなどで、不安な気持ちがあった。また、鷹ノ巣山の稲村岩尾根の登りは非常に厳しいので、普段の練習にはついてきている1年生も大丈夫なのか不安な気持ちが大きかった。

 私は、その日、米を家に忘れてしまい、とても焦った。しかし、学院の近くの某スーパーにちょうど米1合を売っていたため、何とか助かった。それでも、このような忘れ物のミスは決してやってはいけないことであるので、肝に銘じて気を付けるようにしたい。

 13:00に上石神井駅集合だったが、1年生のSと、荷物を残したまま同じく1年生のが来ていなかった。5分したらKは帰ってきたが、買い物に行っていたという。これからは先輩にしっかり言ってから行ってほしい。はさらに遅れてやってきた。食堂で食べていたら遅くなったという。1年生の遅刻など幸先の悪いスタートとなった。この2人は反省して、これからの山行に活かしてほしい。

 電車の遅延も乗り遅れもなく、予定通りに川井駅に到着した。

 川井駅から8分ほど歩き、川井キャンプ場に到着した。川井キャンプ場はこれまでにないほど空いていた。そのため、前回の反省を活かし、ほかのテントと離れたところでテントを張ることができた。しかし、幕営で20分ほど時間がかかってしまった。理由としては石が多く、ペグがささらなかったので、その判断に時間がかかってしまったからだ。夏合宿などでは設営にかかる時間をできるだけ減らしたいと思うので、しっかりしたい。

 食事の方は、飯はうまく炊けたが、底に焦げが大きくついてしまった。それでも、夕食のハヤシライスはおいしくいただくことができた。ハヤシライスも底が焦げていたため、火の調整はしっかりとしたい。

 その後ミーティングを行い、19:30に就寝となった。なかなか自分は寝付きが悪いので不安だったが、学校の課題の疲れもあり、思いの外簡単に眠れた。



6月9日 (日) 〈2日目〉 雨

 3:30に起床し、朝職の棒ラーメンの準備をした。また、起きた時雨の音がしたのでとても憂鬱だった。棒ラーメンの水にゴミが多く浮かんできて水を捨てるなどのアクシデントはあったが、しっかり時間内に食べることができた。棒ラーメンは少し重かったが、おいしいため、これからも朝食は棒ラーメンでお願いしたいと思う。

 撤営やゴミ拾いなどを済ませ、5:00に川井キャンプ場を出発した。その後、川井駅、奥多摩駅と移動し、奥多摩駅では6:02の東日原行きのバスに乗車した。その後、準備運動を済ませ、A隊、私がSLであるB隊が少し間隔を開けて、鷹ノ巣山に向けて歩行を開始した。

 そして、私たちは稲村岩までの急斜面を登っていった。確かに辛かったが、去年に比べて体力がついたおかげか、楽に登ることができた。

 しかし、途中でが、吐き気がするといい、下りることになった。確かに体調がよさそうには見えなかったが、離脱するとは思わなかった。先生は彼をバス停まで連れていき、私たちは引率の先生がつかなくなるので、とりあえず稲村岩まで登ることになった。

 稲村岩まで登り、1年生を見ると、意外と大丈夫そうだった。練習の成果が出ているのかと思いうれしく感じた。

 それから先生が帰ってくるまで約1時間待機した。この時、雨と風でとても寒い中、私は雨具以外防寒着を持っていなかったので、とてもきつかった。防寒着は暑いから要らないだろうと思っていたが、これからは毎回持ってこようと誓った。

 その後、先生も戻ってきて、歩行を開始した。雨が降っていて、雨具が手放せないので、とても中が蒸れて暑く、これまでとはまた違う大変さだった。1年生も辛そうにしており、も2本目、3本目からは疲労により辛そうだった。そのため、B隊は少しペースを落とした。

 また、先生もを下ろした時の疲労によりB隊のペースから少し遅れていて、先に行っていいとおっしゃったので先に進ませてもらった。

 また、僕の眼鏡が元から壊れていてセロテープで補強していたが、取れてしまい、直すのに時間がかかってしまった。メガネはなくては本当に危険なので、予備を持ち歩くなど気をつけるようにしたい。そのような過酷な状況でも何とかSLとしてペースを作って、遅くとも着実に登っていった。

 B隊はA隊より遅れて、何とか鷹ノ巣山山頂に到着した。雨のため、全て曇っていて何も見ることはできなかった。眺望を楽しみに登ってきたので、かなり気持ち的に厳しかった。しかし「これも山」と気分を切り替えた。

 山頂も雨を防げるところがなく、とても寒かった。避難小屋に行くという選択肢もあったが遠いので中止になった。先生もそれからだいぶ遅れて山頂に到着した。二度の山に登っているようなものなのですごいと思った。

 昼食はサンドイッチだったが、ハチミツが本当においしかった。疲れているときの甘いものは本当においしいのだと実感した。

 昼食、記念撮影を終えて、12:22に、再度、歩行開始した。雨や待機による時間変更により、当初の予定から水根山分岐でエスケープすることになった。雨で厳しかったのでこの選択は正解だったと思う。雨により道がぬかるんでいて、とても下るのは厳しかった。1年生にとっては慣れていないので辛かったと思うが、いい経験になったと思う。

 その後、下っていくと水根沢林道に行くはずが、道が危ないため、通行止めになっていた。エスケープするなんて考えてもいなかっただろうからこれは仕方ないとは思うが、事前に情報を集めていれば防げたミスであったと思う。そのため、倉戸山を通り、熱海からバスで帰るというルートになった。このように雨のため大きく予定が変わっていった。

 また、下って行っているときに道に迷ってしまう場面があった。その後、すぐに正しい道は見つかったが、止まっていなかったら危ないところだったと冷や汗をかいた。

 その後は雨のためのぬかるみで転んでしまうなど危ないところが多かったが、コースタイムより早く熱海に到着し、15:17のバスで奥多摩駅に帰ることができた。

 今回の山行は雨が常に降っていたため、普段よりも厳しい山行となったと思う。また、上級生の数も少なく、1年生にとっても2、3年生にとっても大変だった。それでも、なかなかない山行だったため、逆に言えば、とてもいい経験になったと思う。

 反省点としては、下りの歩き方と時間や物に対する考え方だろう。特に1年生は、下りで踏ん張れずに転んでしまうことやジャンプしてしまうことなど危なげだった。また、遅刻や(自分だけだが)忘れ物もあったので、気が緩んできているのだと思う。これからは普段から緊張感をもって練習することで、改善できると思う。次の調理実習ではだれも忘れ物をしないように緊張感を持ってもらいたい。

 次回は7月山行ということで、1年生にとってはコースタイムも長くなり、これまでの山行とは格段に厳しくなると思う。鷹ノ巣山を登れたから大丈夫だと思うが、普段の練習から頑張って体力をつけてほしいと思う。2年生も、1年生の模範として、これまでとは違う姿を見せたいと思う。今回挙げられた多くの反省点を改善していくことが必要だと思う。


《「稜線」第41号(2019年度)所載》


 
鷹ノ巣山山頂にて



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