2018年 新歓山行 山行記

筆者 R・N (3年生)

 今年度の新歓山行は奥多摩の三頭山に登った。今年度の2・3年生は、昨年度と比べ、新入生の勧誘に意欲的ではなかったため、新入生が入部してくれるのだろうかと不安に感じていた。しかし、そのような不安は杞憂に終わり、11人もの新入生が入部しワンゲルは総勢18名の大所帯となった。

 これほど部員数が増えると1つの隊で行動をすることが困難であるため、今回はA隊とB隊の2隊に分けて行動することとなった。多くの新入生が入部してくれたことはとてもうれしいことだが、その分上級生の責任が重くなることでもあり、新入生だけでなく上級生の実力も問われた山行であったと思う。

5月3日(木) 〈1日目〉

 今回は1日目が祝日である事や新入生のザック調節をすることを考慮し、11時30分に学院教員室前集合とした。前日から降り続いた雨は止み、さわやかな青空が広がっていた。幸先のいいスタートと思われたが、3年生でありCLでもあると1年生のが10分ほど遅刻してしまった。遅刻理由は二人とも間に合う電車に乗れなかったことだった。今後は余裕を持った行動を心がけてもらいたい。特には3年生でありCLであり、決して遅刻してはならない立場であったため、このことはしっかりと反省してもらいたい。

 その後は順調に電車を乗り継ぎ、予定よりも早く氷川キャンプ場に到着した。その時私たちの目に「本日の受付は終了しました」との看板が飛び込んできた。秋山行の時に見たものと同じものである。どうやら連休中であり多くの人が来ていたため氷川キャンプ場のテント場は埋まってしまっていたようだ。そのため奥多摩ビジターセンター前の広場に移動し、代わりのキャンプ場を探すこととなった。しかし、連休中であるため他のキャンプ場も予約でいっぱいであり、途方に暮れてしまった。

 一方で川井キャンプ場だけは電話がつながらなかったため、一縷の望みをかけ、川井キャンプ場に移動することとなった。幸い川井キャンプ場にはテント5張り分のスペースが開いていたため、川井キャンプ場で幕営することとなった。

 川井まで電車で移動したため、1時間ほど多くの時間がかかってしまったが、集合時間を早めたことが幸いし、食事準備や天気図作成は予定通り行うことができた。天気図は石垣島から福江までの分を記録できなかったため、少し不満の残る結果となってしまった。一方で夕食のハヤシライスは炊飯食事共にうまくできたため、美味しくいただくことができた。

 その後18:49に食事を終わらせ、19:30に就寝することとなった。川井キャンプ場のテント場は河原にあるため、大きな石が無数に転がっていて、非常に寝苦しかった。



5月4日(金)
〈2日目〉

 2日目は、3:30に起床。川井キャンプ場のテント場はかなり凹凸が激しく、熟睡できた部員は少なかったようだ。

 前回の反省を生かし、前日の夜に調理器具を分配し、各テントで朝食のコーンスープとスティックパント食べた。秋山行の反省会でコーンスープを朝食として飲むと気持ちが悪くなるという意見が出たため、朝食には用いなくなったと思っていたのだが、今回再び登場で驚いた。個人的にはコーンスープには問題はないように思えたが、チョコ入りスティックパンと合わないように感じたため、食事係が何かしらの改善策を生み出すことに期待したい。

 その後、4:50に撤収を始め、4:58に撤収を完了した。先生に教わった方法を試したところ、新入生が多かったにもかかわらず、約8分で撤収を終わらせることができた。この方法によってポールを抜く手間を省くことができたため、今後も取り入れていきたいと思う。

 その後、靴紐結びやラジオ体操をキャンプ場ですませ、5:17にキャンプ場を出発。5:30に川井駅に到着し、電車とバスを乗り継ぎ、6:36に登山口の小河内神社バス停に到着。登山口到着後、すぐにA隊が出発し、A隊が浮橋を渡り終えたところで、私が所属するB隊が出発した。

 三頭山の登山ルートは、始めに山のふるさと村の散策路や奥多摩周遊道路を通り、ヌカザス尾根上の道に入るものとなっている。歩き始めてから5分ほどで奥多摩周遊道路に到着し、その時、野生動物のものと思われる鳴き声が聞こえてきた。数匹の鳴き声が聞こえてきたため注意しながら歩くと、野生のニホンザルの群れに遭遇した。群れには多くの子ザルがいたが、写真を撮っても逃げず、私の頭上で木から木へと移動したり、毛づくろいをしたりしていた。ニホンザルに遭遇するのは3年生も初めてのことであり、行動開始後早々に見ることができた1年生はなかなか運がいいなと思った。

 ニホンザルを見られたのはよかったのだが、写真を撮っている途中にカメラの充電が切れてしまった。カメラの故障ではなく、充電のし忘れが原因であったため、今後同じようなことがないよう気を付けてもらいたい。

 行動開始後25分ほどで山道に入り、本格的な登山が始まった。三頭山は山道に入るとすぐに急な登りとなるためペース配分に気を付けながら登った。その結果、序盤はコースタイム以上の時間がかかってしまったが、新歓山行であるため、これは問題なかったと思う。その後も急な登りやアップダウンのある山道が続き、つらい行程であったと思うが、1年生は誰一人として弱音を吐くことなくついてきてくれた。ヌカザス山付近の登山道は特に険しく、息が上がってしまう人もいたが、ここでペースを落とすことで、立ち止まることなく登れたのはとても良かったことだったと思う。

 入小沢の峰を過ぎると傾斜も緩やかになり、広葉樹林の気持ちのよい尾根道となった。その後も順調に歩行を続け、10:42に三頭山中央峰に到着した。歩行開始前はA隊とB隊の間隔を5分ほど開けたが、山頂到着時刻は10分ほどしか変わらなかった。2隊に分けても、ほぼ同じペースで歩くことができていたようだ。

 山頂で2隊のメンバーが合流すると、一緒に写真撮影をし、昼食をとった。今回の昼食はサンドイッチとフルーツ缶だった。1年生のがフルーツ缶を忘れてしまうという問題はあったが、それ以外に忘れ物はなく、無事昼食をとることができた。1年生のがジャムを分けるための小さなスプーンを持ってきてくれたのだが、これによって武器を使わずに済んだためとても良いものだったと思う。

 昼食を終えると、三頭山西峰を経由し、西原峠方面に向かった。西峰からの展望は素晴らしく、富士山や奥多摩の山々を望むことができた。西峰では5分の小休止をとり11:42に歩行を開始。三頭山周辺は多くの観光客でにぎわっており、頻繁にすれ違い待ちをしたため、A隊との間隔が詰まり、立ち停まることがあったが、それ以降は問題なく歩行することができた。

 13:35に西原峠を通過。14:43に仲の平バス停に到着。A隊のメンバーと合流し、バスで武蔵五日市駅に移動し、16:07に武蔵五日市駅に到着した。武蔵五日市駅前で解散式を行い、今回の山行は終了した。A隊、B隊ともに体調を崩したりけがをしたりした人はいなかったため、全員で全行程を終え、武蔵五日市駅に戻ることができた。

 今年度の新歓山行は、全員で全行程を終えることができたという点ではとても良い山行だったと思う。

 他方で、今のワンゲルの反省すべき点が浮き彫りになった山行でもあったと思う。反省すべき点はいくつもある。私は1番の反省点は全体的に緊張感が欠けていたことだと感じている。解散式の時に先生がおっしゃったように、団体行動をするべき場面で自分の世界に入ってしまう1年生が見られ、さらにCLが遅刻するということも起きたりした。これは緊張感のあるパーティーを作れなかった上級生の責任でもある。今回の山行のことを各自がしっかりと反省し、今後に生かすことが重要である。


《「稜線」第40号(2018年度)所載》


小入沢ノ峰付近を行く ヤシオツツジ (御堂峠の少し手前に地点で)

三頭山(中央峰)山頂にて

三頭山(西峰)から北を望む (左端は雲取山、右端は鷹ノ巣山) 西原峠付近から富士を望む

三頭山山頂から富士を望む



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