2018年 冬季山行 山行記

筆者 T・O (1年生)

 山行記を私たちの代の者が書くのは初だ。それなのに何故自分が選ばれたのかはわからないが、心して書こうと思う。
 私たち一年生にとっては初めて先生方の付き添いがない山行であり、より一層の自己管理が求められる山行となった。また、来るはずだった三年生の先輩方が一人も来ないこととなったのは、悲しいことであり、この冬山行の醍醐味の一つが消えたように感じた。

12月14日 (金)

 7:10に所沢駅改札に集合のはずだった。敢えて誰かとは言わないが、誰かが二日連続で集合時刻に遅れてきた。自分も腹痛で集合時間に所沢のトイレにいたので声を大にして言えることではないが。

 しかし、予定の電車にはしっかりと乗ることができ、無事に横瀬駅までたどり着いた。そこで準備体操等を済ませて歩行を開始した。が、最初の一本は普通の一般道を歩くという何とも言えないものだった。変わったことと言えば、炭酸カルシウム等の製造工場と思われるものを横目に見ながら歩いたということだった。

 登山道が始まったかと思えば、急な登りが続いた。体力を筆頭に、全体的に問題を抱えている自分にとっては本当にキツい時間が続いた。その登りの途中でM・K先輩が両足をつってしまうというアクシデントが起きた。そんな状態でも最後まで登り切ったM・K先輩は、流石だと感服せずにはいられなかった。自分の方が死に物狂いで登っていたのは、恥ずべきことであり、改善が求められるポイントだ。

 地獄のような登りを終えると、そこは頂上だった。眼下に町を一望できる素晴らしい頂上だった。頂上付近から若干雪があったのも相まってか、急に寒く感じた。

 記念撮影を終えると、待ちに待ったカップヌードルだ。水が少ない、逆に多すぎて中々温まらない等、幾つかの問題点はあったものの、これまでの人生で最高に美味しいカップヌードルにありつくことが出来た。

 下山では、開始数分で道を間違えるというアクシデントがあったものの、かなりいいペースで進んだ。またここでも自分は隊の足を引っ張ってしまった。しかし、先輩からアドバイスをもらい、活かすことで、ある程度引っ張りを軽減できたのではないかと思う。やはりワンゲルのスピードは速い。もう少しゆっくり、風景、山を楽しみながら歩きたいものだ、と一番スピードが遅い人間が言ってみる。個人的には尋常ではないスピードで、ワンゲルにとっては遅いくらい(?)のスピードで下り、浦山口駅に着いたのはいいものの、次の電車まで約一時間という特大パンチをくらった。まあ、なんやかんや楽しくスムーズに冬季山行は終わった。

 この次の山行は春合宿である。先生方2人,二年生1人そして一年生3人が戻ってきて、全17人で山行に行けると信じたい。しかし、どんな面子でもやることは変わらない。
 0〜100まで規制することには異論を唱えたいが、最低限のマナーというか行動くらいは自制すべきだと思う。これはあくまでも一個人の意見だ。他にも様々な意見があることであろう。様々な意見が飛び交うことは、大所帯であるが故の長所であり、短所であるだろう。これをどう扱うかは自分たち次第である。厳格にすべきか、寛容にすべきか等々、先生方がいらっしゃらない山行だからこそ考えさせられる部分があったように思えた。


《「稜線」第41号(2019年度)所載》


武甲山山頂から秩父の盆地を望む

浦山口駅にて



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