2018年 7月山行 山行記

筆者 A・K (3年生)

 今回の山行は、私にとって新歓山行以来の山行となった。6月山行に私用で参加できなかった私は、新入部員との山での関わりが少なくなってしまっていたことが大きな不安要素となっていた。というのも、今回の私はB隊の先頭を歩くことになっており、歩行のペース管理をしなければならなかったが、1年生の体力の状況を把握しきれていなかったからである。

 また、期末テスト明けから7月山行までに練習の機会が一度しか設けられておらず、全体に「部活を行う」という気持ちが薄れていることも懸念された。このような、羅列するとキリがないような不安要素が今回の山行には潜んでいた。

7月23日(月) 〈1日目〉 晴れ

 今回の山行は、1年生のと2年生のR・Kが不参加となり、引率の先生と先生を含めて18人で行われた。1年生にとっては、早朝に新宿に集合しての山行は初めてだったため、集合がスムーズにいかないことも懸念されていたのだが、集合時間の6時30分には全員が無事集合することができた。

 予定通り、新宿を7時発の特急に乗り込み、韮崎駅に到着したのが8時37分。そこからタクシーを用いて瑞牆山荘に到着したのが9時50分であった。その場で昼食をとってから、10時25分に富士見平小屋へ向かって歩行を開始した。

 富士見平小屋に到着するとすぐに設営を行い、サブザックで瑞牆山への登高を開始した。私が先頭に立つB隊はA隊に5分ほどの間隔を空けて出発した。当日はカラッと晴れており、絶好の山行日和であった。瑞牆山は傾斜が急な岩山で、ペース管理が難しく、メンバーの間に間隔ができてしまうことがあった。急な場所はそれぞれのペースで登り、安定した場所で落ち着くのを待つという形が良くなかったのだろう。

 瑞牆山の中腹でB隊のに目に見える疲労が出てきた。A隊は問題ないだろうとのことで、先生がB隊に合流してくださり、先生の登り方下り方の指導のもと、B隊は無事登頂し、富士見平小屋に帰着することができた。

 1日目の夕食はシチューであった。シチューは春合宿以来だったが、以前とは違い人参がなかなか柔らかくならず、食べごたえを意識して大きく切ったのが仇となったのだと考えられた。また、夕飯の片付けの際にコッヘルの掃除がスムーズに行われなかった。誰が何をするのか、具体的な指示ができなかったことは非常に反省しているが、責任の所在が不明瞭な点が、人数の多い次の代の課題となると感じた。



7月24日(火)
〈2日目〉 晴れ

 2日目の歩行は金峰山への登高である。1日目で疲労が見られたB隊のは、A隊のと入れ替え、先生の目が届くようにし、歩行を開始した。2日目も1日目同様にB隊はA隊と5分の間隔を取り、歩行を開始した。

 ところが30分ほど歩いたところでA隊の背中が見え始めた。45分歩行したところでA隊に追いついてしまい、A隊と同時に休憩を10分取り、再度A隊の出発から5分遅らせて歩行を再開した。その後もB隊はA隊が50分歩いた距離を45分で歩くというペースで歩行した。

 この原因として、B隊とメンバーを入れ替えたA隊の2人の体力をケアしつつ登っているA隊のペースが落ちていたこと、もしくはB隊のペースが速すぎること、これらが考えられた。結論を言ってしまうと、B隊のメンバーには目に見えるバテが見えなかったため、A隊のペースがいつもより遅いことが原因だと思われた。申し訳ないのだが、これでは夏合宿への参加は危ういだろうなと思われた。

 金峰山の登山道は鎖場もあったものの大きな難所はあまり見られなかったように感じた。森林限界を超えると、周りが開け、好天も相まって素晴らしい展望であった。

 金峰山の山頂で全員で昼食をとり、下山の準備をした。下山時はA隊とB隊とは別に、体力の危うい先生に補助されて下りたため、3つのグループに分かれるような形になった。彼の体力面は非常に心配なところだと改めて感じた。対して、A・B両隊は問題なく、富士見平小屋に後続の2人よりも早く下山した。ここで撤収がスムーズに行われず、下りてきたA先生のお叱りを受けた。

 今回の山行は、夏合宿が翌週に控えているにもかかわらず、様々な問題が露呈してしまった山行であった。1年生の体力不足に関しては、いかんせん人数も多いため、仕方ない面はある。しかし、山行に臨む態度、雰囲気が部全体として非常に良くなかったと言える。これは、翌週の夏合宿にあたって間違いなく改善しなければならない問題であるとともに、次の代にとって最も大きな課題であると考えられる。


《「稜線」第40号(2018年度)所載》



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