2018年 6月山行 山行記

筆者 T・F (2年生)

 今回の6月山行では、登る山に鷹ノ巣山を選択した。前回の山行で誰もエスケープすることなく登り切ることができたため、高低差の大きい稲村岩尾根を通るルートを選び、一年生の体力アップを望んだ。また、今回も前回と同じ様にA隊とB隊に分かれて登山するという形式をとり、上級生が少ないためA隊とB隊の間隔を狭めることにした。

 私は、この6月山行に臨むにあたって、一抹の不安を抱えていた。三年生の先輩と二年生のR・Kが事情により参加できず、今回CLを務める予定だった三年生の先輩が山行の前日に風邪にかかってしまったからである。今回の山行は、三年生一人、二年生三人という私達二年生が主体となって行う初めての山行になった。

5月26日(土) 〈1日目〉

 その日は一年生に物理の中間試験があったため、例年の6月山行よりも少し遅めに、上石神井駅に14:00に集合する予定となった。一年生が前日の試験勉強でよく眠れていないのではないかと不安を感じたが、山行の手前、ネガティブな考えは止めた。

 私は先輩の次に上石神井駅に到着し、先生と部員が全員到着するのを待ったが、14:00近くになってもなかなか全員が集合しない。14:00を少しオーバーして、二年生のM・Kが到着、その後14:13に一年生のN・Hが到着し、14:17に急行拝島行きに乗車した。結果的に予定通りの電車に乗る事ができたが、一年生だけでなく二年生まで遅れてしまうという幸先の悪いスタートとなってしまった。この三人は反省して、これからの山行に活かしてほしい。

 気持ちよく電車に揺られ、気づいたときには川井駅に到着していた。電車の遅延もなく予定通りに川井駅に到着した。

 川井駅から8分ほど歩き、15:56に川井キャンプ場に到着したのだが、やはりこの時期も登山者が多いようで、4つもテントを張るのは難しいかもしれないと受付の方に告げられた。しかし、ここ以外のキャンプ場を探せば、前回のように時間をロスし、就寝時間に影響が出てしまうため、キャンプ場を見て回った上で、私達は川井キャンプ場の奥の方にある、前回の山行と同じ場所でテントを張ろうという判断をした。

 会計のいざこざでだいぶ時間をロスしてしまったため、幕営を開始したのが16:10、天気図を書き始めたのもこの時刻となった。私は気象係を担当していたため、完全な天気図を書くことができなかったのが悔しかったが、これからの練習や山行で今回のミスを挽回していきたいと切に思った。

 食事の方は、炊飯の方がうまくいかず、片方のコッフェルの飯がかなり焦げてしまっていたが、概ね美味しく夕食のカレーライスをいただけた。

 その後ミーティングを行い、19:30に就寝という形になった。昨年登った稲村岩までの登りは相当きつかったので、私はかなり不安だったが、学校での疲れもあり、思いの外すんなり眠ることができた。



5月27日(日)
〈2日目〉

 3:30に全員が起床し、各自おもむろに自分の食器に、コーンスープのパウダーを入れ始めた。とても石が多い場所で寝ていたため、かなり寝苦しかった。次回からはエアーマットを持参して、快適な眠りを得ることを決意した。

 全員が朝食を食べ終わり、今回CLとなった同級生のが「4:40に撤収を開始する」という旨をそれぞれのテントに伝えに来た。彼にとって今回がはじめてのCLになるため、緊張や不安があっただろうが、精一杯CLの仕事を行っていて、同級生として感心した。

 準備運動やゴミ拾いなどをすませ、5:05に川井キャンプ場を出発した。その後、川井駅、奥多摩駅と、予定通りに到着し、奥多摩駅で6:18に東日原行きのバスに乗車した。やはり朝に乗るバスは二年生になってもなかなか慣れず、少しストレスを感じながらも6:54に東日原に到着し、A隊、そして私の所属するB隊が少し間隔を開けて、鷹ノ巣山、そして六ツ石山に向けて歩行を開始した。

 7:05に山道入り口につき、去年の私達を苦しめた稲村岩までの急斜面を登っていくこととなった。確かに疲れたことは疲れたが、去年の山行に比べて、かなり楽に稲村岩まで到着することができた。一年生もこの時点ではさほど疲れている様子もなく、日頃の練習の成果が出ているようだった。

 その後も順調に歩を進めていたが、三回目の歩行の時点で一年生のが疲労により、少しつらそうな表情をしていた。そのため、B隊は少しペースを落とし、遅くとも着実に、頂上まで登っていった。

 A隊より7分ほど遅く、10:24に、B隊は誰一人脱落することなく、鷹ノ巣山山頂に到着した。少しガスがかかっていたものの天気は晴れていて、一年生のときの6月山行、秋季山行と変わらぬ素晴らしい眺望だった。日常の不安など、この景色を見れば誰であろうと吹き飛ぶだろう。

 昼食は、サンドイッチとフルーツ缶をいただいた。個人的には山頂で食べるツナマヨinサンドイッチが最高なのだが、一年生はあまりツナマヨを手に取らなかったようなので残念だった。新しく仲間に入ったコーンマヨも、なかなかに味は良かったが、やはりツナマヨには勝てなかった。フルーツ缶が一つなくなってしまうという原因不明のハプニングがあったが、一年生と二年生と三年生の仲が更に深まる良い昼食だった。

 昼食、記念撮影を終え、11:23に再度歩行に臨んだ。一年生のは登りでの疲労が残っているようなので、彼は先生と一緒にエスケープしたが、頂上まで登りきれただけでも十分なので、日頃の練習に真摯に取り組み、来年リベンジしてほしい。二人エスケープしたということもあり、A隊とB隊は隊を一つにすることにした。

 水根山を経由し、六ッ石山分岐を目指したが、12:40にCLのが腹痛になり、10分ほど隊が止まった。生理現象なのでこれは致し方ないだろう。六ッ石山分岐を通過し、三ノ木戸分岐に向かおうとしたところで、再びハプニングが起こった。13:08に一年生のR・Hが転倒したのだ。切り傷だけで済んだので良かったが、当時の私は少し冷や汗をかいた。

 その後は順調に三ノ木戸分岐を通過し、コースタイムよりも少し早く、この山行の終点となる奥多摩駅に到着した。

 今回の山行は、二年生主体ということもあり、不安な山行だったが、なんとか全員が山頂までたどり着けたので良かったと思う。

 反省点としては、一年生の歩き方がまだ山行に不慣れで、良くなかったことだろう。下りの急な段差をジャンプしてしまったり、前との間隔が空いてしまったときに小走りになってしまったりと、少し危なげだった。

 それに、一年生だけでなく二年生までもが集合時間に間に合わなかったのは、やはり由々しき事態だろう。前回の山行も、前々回の山行も集合時間に全員が集まれなかったので、連続してこのような事態が起こってしまっている。

 次回は7月山行ということで、一年生にとって初めて、一日目から歩く山行となる。コースタイムも延び、これまでの山行よりも格段に厳しくなる山行なので、絶対に今回挙げた反省点を改善していきたい。


《「稜線」第40号(2018年度)所載》



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