2018年 春合宿 山行記

筆者 H・S (2年生)

3月29日 〈1日目〉 快晴

 朝5時30分、我々は新宿駅南口に集合予定だった。しかし、と家の距離の都合で彼の家に泊めてもらっていたが時間を過ぎても来ない。寝坊しているのではないかと非常に不安だったが、5分ほど遅れて集合場所にやってきた。どうやら駅の時刻表を確認しておらず、電車の本数の少なさに気づかなかったらしい。ワンゲルにおいて時間は最も重視しなければならない要素の一つである。5分程度とはいえ、万が一の場合もあるのだから再発防止に努めてほしい。

 集合してからは小田急線のホームに移動し、新松田駅に予定通りの時刻に到着。

 そこからバスに1時間程度乗って、キャンプ場に向かった。先生が手続きを済ませ、幕営を開始。泊りがけの山行が五ヶ月ぶりであったためか少々テント張りに時間がかかった印象を受けた。

 その後サブザックを準備して畦ヶ丸の登山口まで向かったのだが、前日に腿を痛めてしまったは残念ながらテントにて待機となった。登山道は途中まで沢になっており、実に心地がいい。しかし雪の影響を受けて川はかなり増水し、渡るのがかなり困難になっていた。増水だけでなく岩の多い地形であるためどこを通ればいいのかわからない箇所が多々あったが、A先生が先導してくださったり、他の部員が道を発見してくれたおかげで迷うことなく順調に行程は進んでいった。

 沢を通過してからしばらくの間は緩やかな道が続いていたのだが、頂上が近づくと一変。強烈な急坂と大量の階段が延々と続いていた。意を決して登ってみるとこれが実にキツイ。階段が膝にダメージを与えてくる上に日差しもかなり強い。この部活に入ってから今まで山行中にバテることは一度もなかったが、今回は相当ギリギリの状態だった。

 山頂で20分ほど休憩をとってから下山を開始。下りでは階段のおかげで難なくスムーズに降りることができ、15時半には登山口まで戻ることができた。

 キャンプ場に戻ってからは少しの休憩を挟んでから夕飯の準備を開始。私も炊飯を開始したのだが、この頃どうにも米の炊き上がりが悪い。上部は異様に柔らかく底部には芯が残るのだ。夏合宿からずっとこの調子なので、なんとか理由を見つけたいところだ。

 夕食は牛丼だった。少々つゆが多かったが、米の硬さが緩和されてむしろ食べやすくなったように思う。食後はミーティングを行い、まもなく就寝した。



3月29日 〈2日目〉 快晴

 この日は朝3時に起床。朝食の準備を始めたのだが、どうやらライエス・テントの部員たちが寝坊してしまったようだ。結果としてやや遅れての朝食となってしまった。また、本来はそれぞれのテント内で調理をするのだが、完全にそのことを忘れており寒い外で全員集まって朝食にしてしまったのも失敗だ。

 反省の残る朝食を終えた後は、サブザックを背負って檜洞丸の登山口まで向かった。前日不参加のKも腿が治り無事に山行に参加することができた。ゴーラ沢出合までの道はほとんど高低差はなかったが、その後はほとんど急坂が続いていて畦ヶ丸に勝るとも劣らない辛さだ。終盤に差し掛かると急な階段の連続で過酷さが増したため後ろを確認しながらのペース調整が非常に重要であった。

 階段を登り切ると穏やかな木道に切り替わり、数分で山頂に到着。山頂には数日前に降った雪がまだ少し残っていて、なかなかに趣深い。富士山もよく見えていて写真を撮るには絶好の場所だ。

 記念撮影を終えてから昼食にしたのだが、ここで問題が再び発生。私を含め全員が食器類をテントにおいてきていたのだ。結果として、先生のナイフをお借りしてジャムを使うこととなってしまった。誰も食器を持って来なかったというのは前代未聞のことであり、二度と繰り返してはいけない大失態だ。新しく部員が入ってくる前に個人個人の意識をもう一度見直す必要があるかもしれない。Fがハムとベーコンを忘れてきたこともあり、朝食に続き何かと問題点の多い昼食になってしまったが、気を取り直して下山を開始。

 登山に丁度いい時間であったためか下から登山者が登ってくることが多く、道の譲り合いをしなければならないのだが、どうにも上手くいかない。登山者に遭遇することが多くなる夏合宿までには見極めができるようになっておきたいところだ。下りの登山道は木の根が張り出しているところが多かったために下りもかなり足を取られやすく、細心の注意を払いながらでも滑ることがあり気を抜けない。とはいえ、難易度自体はほとんど普段の山行と変わらないので全員スムーズに降りているようだった。

 下山後はキャンプ場に向かいすぐに撤収を開始。地面が硬くペグを抜くのに難儀したものの、それ以外は順調であった。撤収後チェックアウトを済ませ西丹沢ビジターセンターにて解散式を行い春合宿が終了。解散直後に全員が自動販売機に殺到するのはもはや定番の光景だ。

 今回は何かとミスが多く、自分たちに何が不足しているのかを痛感させられた山行だったが、新入部員が入ってくる前に改善点を見つけられたということでもあり非常に有益な山行でもあったと思う。次の山行は1ヶ月後だが、それまでに部を見つめ直して新1年生を迎えられる体制を整えておきたい。


《「稜線」第39号(2017年度)所載》


畦ヶ丸山頂にて  檜洞丸山頂にて

檜洞丸山頂から富士を望む   檜洞丸山頂から下る

檜洞丸山頂から下る ゴーラ沢を渡る

満開のミツマタの中を下る (遠景は畦ヶ丸) ミツマタ



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