2017年 6月山行 山行記

筆者 Y・B (3年生)

 今年の6月山行は例年通り奥多摩の山に登る。とはいえ、鷹ノ巣山から七ツ石山にかけて登るルートは6月山行としては珍しく、先生からも厳しいという話を聞いた。最後まで気を引き締めて、何事もなく全員無事に下山できるよう、しっかりみんなを引っ張って行きたい。参加者は、3年生4人、2年生1人、1年生5人に、先生を加え、12人である。

 私は今回初めてCLを務める。2年生の1学期から入部したため、同学年の部員とは1年以上の経験の差があるが、主将はそれを承知で任せてくれた。その期待に恥じない仕事をしたい。

6月3日 <1日目>

 天気は快晴。山行日和というには少し暑すぎるくらいだ。4限終了の鐘がなり、13時ちょうどに全員が集合し、山行が始まる。西武新宿線に遅れが出ていたため、予定より早い電車に乗ったものの、氷川キャンプ場到着は時間通りであった。

 15:15に設営を開始したが、完了までに15分を要した。CLとはパーティをまとめ指示を出す立場であるが、緊張のせいかうまくできない。的確な指示は行動の質に直結する。結局、この時も主将の手を煩わせる形になってしまった。からは初めてだからとも言われたが、CLがこれではあまりに頼りない。リーダーの責任の重さを痛感した。

 夕食はハヤシライスだった。16:00前に炊飯を開始し、17:50に食事を終えた。ルーは問題なく完成したが、飯の方は納得のいく出来ではなかったようで、これは先生も同じ感想を持ったらしい。炊飯のは今回の出来に関して、今まで作った飯の中で下から数えた方が早いというくらい、うまく炊けなかったと言っていた。芯が残っていなかったのがせめてもの救い、というようなこともこぼしていた。夜のミーティングでは少し落ち込んでいるようにも見えた。僕は美味しい飯だと思ったんだけどなぁ。

 就寝時間は、先生と相談し、20:00にした。その際に明日のコースの確認を行ったのだが、バスの到着時間にギリギリのコースタイム設定やエスケープルートの少なさに関して指摘を受け、新たに鷹ノ巣山から六ツ石山を経由して奥多摩に帰るコースをエスケープルートとして追加した。ゆとりのない計画は事故に繋がる。そうなってしまった時にはCLの臨機応変な判断が必要となる。反省会でも言われたことであるが、リーダーとしてみんなを引っ張って行く難しさや責任の重さを改めて感じた。

 その日はいつものごとく騒々しい夜だったが、横になるとすんなり眠りに落ちた。僕は緊張で眠れないタイプではないらしい。



6月4日 <2日目>

 翌日は予定通り4:00に起床。リッツにコーンスープという朝食を済ませ、その後、5:30に撤収を開始した。撤収にかかった時間はかなりの好タイムで、前日の設営を挽回するような出来だったと思う。奥多摩から東日原のバスの出発が6:27なので少し早めにキャンプ場を出発することにした。1年生のは脚がまだ本調子ではなく、このまま歩いてより悪化させては本末転倒なので、奥多摩駅についた段階で途中離脱させた。

 6:50に東日原に到着。準備運動をし、7:00に1本目の歩行を開始した。日原から鷹ノ巣山のルートは始めの稲村岩手前の急坂がなかなかきついポイントであるため、ペースには注意を払って歩いているつもりだったが、後ろから何度か速いと言われた。あとから聞いてみるとどうやら1年生にとってここが一番辛かったらしい。歩行中にペースについて1年生が意見するのは気が引けるのだろう、CLとして気を配ること、部員の体力を見極めることの重要さを再確認した。

 2本目を歩き始めて、しばらくするとM・Kが体調不良を訴えた。は次の休憩で回復したが、M・Kに関しては厳しい様子だったため、先生に付き添ってもらって下山させることにした。山頂に着くまでに何度かルートファインディングのミスをしてしまった。あってはならないミスである。しかしその度に先生が声をかけてくれて、なんとか遅れることなく登頂できた。本当にありがとうございました。猛省します。

 山頂で昼食をとり、残りのコースタイムとバスの時間を考慮し、予定通りに七ツ石山に行くために11:15に鷹ノ巣山を出発した。鷹ノ巣山から七ツ石山にかけては、南のルートを使ったので、平地のような平らな道が続き楽に歩を進められた。この季節、千本ツツジ付近ではその名の通りツツジが見事であった。

 七ツ石山分岐で荷物をおろし、七ツ石山までのピストンを開始する。七ツ石山山頂で写真を撮り、ピストン終了後、分岐で休憩を取った。残るは鴨沢までの下りを残すのみとなったが、本当につらいのはここからである。登り尾根の下りは単調でただひたすらにまっすぐに下りるだけだったので、面白みに欠けたコースであった。小袖乗越で最後の休憩を取り、15:32に鴨沢に到着した。

 今年の1年生は体力面に関しては問題なさそうだ。M・Kの離脱があったものの、新歓山行の様子を見る限りは大丈夫とA先生も言っていた。

 初めてCLは学ぶことが多かった、周りへの気配りや計画を立て、それを実行する責任の重大さ、難しさを体感した。1日目は緊張でうまく指示が出せなかったが、2日目は挽回できたと思う。余裕のある計画作りなど、7月山行に向けて課題を見つけられた山行であった。3年生にとっては残り少ない山行なので、1回1回を有意義なものにしていきたい。


《「稜線」第39号(2017年度)所載》


稲村岩尾根を登る 鷹ノ巣山山頂にて

千本ツツジ付近から大菩薩連嶺
右端は大菩薩嶺、左端は雁ヶ腹摺山
七ツ石山山頂にて



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