2015年 秋季第1回山行 山行記

筆者 S・O (2年生)

 3年生の引退に伴い新体制になって初めての山行である秋1山行。直前に部員が一人辞めてしまったので不安の残る中の山行となった。

10月31日 〈1日目〉 曇り

 集合時間は13時。代替わり最初の山行、たった一人の最上級学年、またCLとして遅刻だけは絶対に避けないと、と少し早めに到着。10分以上早く来てしまったので待機していると、なんとOBのOさんが到着。今回はOBのFさんに同行を依頼していたのだが、彼はそのFさんに熊鈴を渡すために来たのだとか。そうこうするうちに全員揃ったのが13時過ぎ。電車まで10分以上待ち、奥多摩へ。

 奥多摩駅に着き、氷川キャンプ場に行くと、そこでは何やら結婚パーティーを開催していたようだった。16時には終わるとのことだったが、いつも大学生が騒ぐ中就寝する部員たちは寝られるか心配しているようだった。

 いざ幕営するとなって、装備袋がないことが判明。どうやら引継ぎの際所在が分からなくなっているようだ。幸い氷川は河原なので石が豊富なのでペグを使う必要はなく、無事幕営を終了。テントが2つしかないこともあり、早めに立て終え各自調理まで休憩。1年生のMは単独では初めて実戦で天気図をとっていたが、同じく大学のサークルで気象を担当し始めたOBのFさんとほぼ同じような天気図をとれていた。その間暇な部員は石切りの得意な能登のレクチャーを受け、石切りに勤しんでいた。

 今回のメニューは肉じゃが。計画の肉じゃがの素は案の定手に入らなかったので麺つゆを使用した。調理を16時半に開始し、30分で調理を済ませる予定だった。しかし米炊きに時間がかかってしまい、寒い中、待つことになってしまった。野菜を下ごしらえして持って行くので味がしみないことを覚悟していたが、炊飯待ちをすることによって味がしみたので結果的にはおいしい肉じゃがになった。今回人数が激減してわかったことだが、やはり一人1合の米は多い。
 カロリー摂取量的に減らしにくいのだが、余りが多く毎回では対処しきないので対策を考えたい。

 テントの中で各々防寒対策をし、19時に就寝。結婚パーティーは既に撤収したようで、幕営場は静かだった。夏合宿でNの体調の問題が浮上したが、今回はどうだろうか。心配をしつつも、悩むことなくいつもの通りシュラフに入ってすぐに寝てしまった。



11月1日
〈2日目〉 曇り

 3時に起床し、朝食を作る。朝食はうどん。今回は生徒のテントに教員を招くことができないため、教員テントに生徒を派遣して作った。昨晩余った米を無理に食べ過ぎたのか、1年生のMの食欲がなく不安な要素がまた一つ。一方、問題のNは元気そうにしていた。うどん自体は悪くなく美味しく食べられた。

 4時半に撤収開始。ジャンボを畳んだあと、ジャンボのポールの袋がまだ中に入っていることが判明。1年生のNがテントの上ではなく下の網状の袋に入れていたことによる不手際だった。一度広げ直して取り出す二度手間になってしまったので、次からはきちんと管理しなくてはならない。

 5時に奥多摩駅前で体操をし、6時27分のバスを待つ。CLが体操の指揮をするのだが、ラジオ体操をしっかり覚えていないせいでいくつか項目が抜けてしまった。思い出しつつ抜けた体操を補完し、体操を終える。

 バスに乗り、7時に出発。1本と少しで稲村岩に到着。Nは心配をよそに好ペースだった。曰く、1週間1日1キロ泳ぐトレーニングをしたとのこと。問題はMで、なによりペースについて来ていない。Fさんに少し早いと言われつつ、ペースをMに合わせて稲村岩を通過。

 稲村岩から鷹ノ巣山頂に向かう途中、何度も獣道を進んでしまうミスを犯した。落葉のせいで踏み跡を見失ってしまったのが原因と考えるが、ルートファインディングの練習不足を痛感した。また後続の別グループも我々の後をついてきていたので結果的に惑わすこととなってしまった。自分たちだけでなく他のグループにまで迷惑をかける行為には十分な注意をしなければならない。

 稲村岩から2本終わったところで、Mが靴擦れを訴えた。ペースは抑えていたので、単純に靴に慣れていないだけだろう。Mはペースが遅いだけで体調的には問題ないようだったので、医療ボックスを使うことはなかった。

 鷹ノ巣山山頂に3本で着くと写真撮影をして昼食をとる。写真撮影の際カメラを持った人が皆、人数が少なくてフレームに入れやすいと言っていた。来年の新入生が入らなければこのままなのだ。何としてでも新入生を勧誘しなければ。
 昼食はサンドイッチ。ツナマヨの評判が思いの外よかったのでこれからもマヨネーズは昼食に組み込んでいきたい。昼食でも若干のアクシデントがあり、1年生がパンの分配方法を把握していなかった。また現地で把握していた私もうまく指示ができなかったので各自の課題になりそうだ。

 頂上からは奥多摩の山だけでなく富士山が見えた。雲がかかってしまい、そこまで綺麗にとはいかなかったが、開けた視界を楽しめた。

 山頂から下る1本で、分岐を見落としコースを間違えてしまった。結果的に同じところに合流するとはいえ、コースをミスしたことに変わりはない。ルートファインディングの技術の欠如がまた現れてしまったのだ。

 水根山と六ツ石山分岐の間でニホンザルの群れに遭遇した。ゆっくり歩く我々と対照的に、サルたちは山を駆け巡るように通過していった。

 山頂から六ツ石山分岐に1本半で到着すると、既に13時を過ぎていた。このままでは奥多摩駅到着が日没を過ぎてしまう。OBや先生と相談した結果、日没後に歩くのは危険だという判断をし、水根へエスケープすることにした。六ツ石山分岐ではニホンカモシカのオスと遭遇。人慣れしているようで、近くに来ても怯えることなく歩いていた。

 六ツ石山を超え、その1本を終えたところで、Nが足をひねってしまった。医療はもともと辞めた部員が担当していたので、包帯の巻き方がわからず見よう見まねで足首を固定した。係ではなかったとはいえ、把握していないのは問題なので講習を受けるなどの対処が必要だ。

 そこから2本で水根のバス停に到着。ここで解散式を行い、今回の山行は終了した。

 今回の山行で、私はOBから数多くの指摘を受け、とてもだらしないCLだったと思う。それによって浮き彫りになった課題点も多い。次の山行にはこれらの対策を考え、実践していきたい。


《「稜線」第38号(2016年度)所載》


鷹ノ巣山山頂にて

鷹ノ巣山山頂から下り、石尾根を行く



▲2015年度の山行一覧に戻る▲

△以前の山行・目次に戻る△

■ワンゲル・トップページに戻る■