2014年 冬季山行 山行記

筆者 N・W (2年生)

12月17日

 今回の山行は冬山行ということで、先生方が来ない生徒だけの山行で不安だったが、夏に引退された先輩方が全員来られるとのことで、とても楽しみにしていた。

 家を出るときは快晴で前日のどんよりとした天気がうそのようだったが、まだ寒く山頂ではどれだけ寒いだろうかと思った。集合は、中央線が少し遅れたため遅くなったが、何の問題もなく出発した。

 一本目は舗装されている道と、久しぶりの山行ということで、全体のペースはゆっくりだった。最初の休憩では、気温があがってきていて気合を入れてきた防寒対策を後悔するほどの暑さだった。水が最後尾の人に渡されるときに人数が多いのを見て、先輩方が引退されてまだ半年も経っていないのにとても懐かしくなった。

 二本目からは舗装が終わり坂もきつくなり、いよいよ登山らしくなってきた。道の途中に、整備のためだろうか、小道との分岐がいくつかあったのを横目に見ながら、メンバー全員遅れることなく進んでいった。

 そうして気が付けば百蔵山の山頂についていた。本日のメインをもう半分終えたことなる。まだ天気も良く山頂にベンチまであったが、昼食はもう少し進んでからにすることになった。山の天気はころころ変わるということは知っていたが、やはり久しぶりということもあって勘が鈍っていたのだろうか。

 しばらく歩き、次の休憩で昼食をとることになった。若干曇っているのが心配だが、腹もすいていたため昼食の準備をする。今回は恒例の「各自で用意」に加え、お吸い物を導入した。去年の昼食はでは雪の降る中で凍ったおにぎりを食べるものだったため、何か温かいものをと思い簡単に作れるお吸い物を作ろうと思った。本当はもう少しカレーうどんなどしっかりしたものが食べたかったが、日の入りが早く山梨まで来ているのであまり時間がなく簡単なものにした。

 昼食の準備を始めてしばらくすると急に風が吹き始めた。雨はなかったから続行したが、これがまずかったのかもしれない。強風のため小さいプチヘッドに火がなかなかつかない。やっとのことでお湯を沸かしお吸い物の素を入れて啜る。残念なことにすぐにぬるくなってしまい想像していた感じとは違ったが、冷え切る山の中ではとてもおいしかった。

 ありがたいことに吹き荒れる風の中で何も飛ばされることなく、飛んでくるものもなく、無事に昼食を終えられた。ただあまりの寒さに一年生の一人が咆哮をもって寒風に対抗しようとし、その手法を各自が使い始め、誰ともすれ違わないでよかったと思った。

 その後吹き乱れる風の中を進むこと一本。扇山についたころには天候は穏やかになり景色も良かった。最悪のタイミングで昼食をしてしまい、食料係として申し訳なく思う。山頂で休憩を取った後、予定では犬目の方へ行き、温泉に入るつもりだったが、相談の結果、大久保のコルまで戻り、鳥沢駅に行くことになった。この下る道が分岐が多く多少わかりづらかったが、地図と経験のある先輩を頼りに無事に駅までたどり着き、解散することができた。

 今回の山行では先輩方に久しぶりに会えて楽しかったが、頼りになる先輩方を見て自らの頼りなさを痛感することができた。今回も何かと失敗があったが楽しい山行だった。次の山行はもっと楽しいものにしたい。


《「稜線」第37号(2015年度)所載》


百蔵山山頂にて



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