2014年 秋季第1回山行 山行記

筆者 D・K (2年生)

 3年生が引退し、新体制となって初の山行となった。行先はここ数年行っている大菩薩嶺である。前の夏合宿から約3カ月経っており、自分達2年生が1年生を引っ張らねばならないので、少し不安も混じっていた。

10月25日 〈1日目〉 晴れ

 集合はいつもと同じ上石神井駅である。1年生のOに調理実習があるという事だったので、自分とWがあらかじめ彼のザックを上石神井駅まで運んでおいたので全員問題なく集合できた。予定より早い電車に乗る事が出来た。

 その後順調に乗り継ぎ、塩山駅に着いた。ここでCLのTがタクシー会社に待ち合わせの場所を確認し忘れたため、電話で連絡を取り解決した。

 その後、福ちゃん荘に着いた頃には16時半を過ぎていて、陽も沈みかけていたため、急いで幕営・食事の準備をした。幕営は忘れ物無く順調に進み、今回の夕食はリベンジも兼ねて過去一度だけ採用された『ナシゴレン』である。過去の失敗を踏まえ、ナシゴレンの素を使用した所おいしくできたので良かった。

 この後、翌日の連絡をした時に分かった事だが、Wが予備の防寒着を、Mがヘッドランプを忘れたということである。翌朝は早くから行動するのであったが問題が無くて良かったが、次回の山行はさらに日の出も遅く、気温も下がるので、ぬかりなく準備しておきたい。今回の夕食のナシゴレンだけでなく翌朝の蕎麦も過去にワンゲルで事件を起こしていたとA先生から聞いた。新メニューの開発はなかなか難しい。少し広く感じたテントの中で眠りに就いた。



10月26日 〈2日目〉 晴れのち曇り

 3時半に起床し、今回もよく眠ることができた。外は寒かったが、星空が頭上に綺麗に瞬いていた。朝食は蕎麦であった。生茹で状態を防ぐために茹でる前に各自の朝食で使わない方の食器で水洗いをして粉を落としてから茹でた。この方法は成功し、ちゃんと火が通っておいしく食べられた。

 素早く撤収を開始し、5時15分には福ちゃん荘を出発できた。コースタイムより少し早く1本で雷岩に着き、最初の休憩を取った。この頃には陽も上がっていて富士山を眺める事が出来た。既にかなり冠雪していたので、冬は近いなと感じた。だが、休憩中には山頂が笠雲に包まれてしまったので天候が崩れないようにと思った。

 休憩後、今回の山行の最高峰である大菩薩嶺へと向かった。標高2057mあるが、今回のスタート地点である福ちゃん荘で標高1700mあるのであまり登ったようには感じなかった。ここでは眺めは良くないので、集合写真の撮影のみ行った。

 撮影を終え出発しようとした時であった。OがMの靴が左右反対だという事に気付いたのである。当人は違和感を感じていなかったと言っていた。

 大菩薩峠へ向かう途中に反対側からやってきた登山客に2度程会った。おそらく介山荘を早く出発してきた人たちであろう。2回目の休憩を取った頃には防寒着を1枚脱げるくらい暖かくなっていた。

 問題なく石丸峠の分岐点まで来た。去年はここから小菅の方へ東進したが、今年は牛奥ノ雁ヶ原摺山の方へ南下するルートである。少し先の狼平は開けていて笹が生えているところで眺めもよく、山の中にぽっかりとある大菩薩湖が綺麗に見えた。

 3回目の休憩の後、小金沢山に登り、ここでも集合写真を撮った。山頂の標識によるとこの山は山梨百名山であり、かつ秀麗富嶽十二景だそうである。家に帰った後調べて知った事だが、秀麗富嶽十二景は大月市が指定しており小金沢山と次の牛奥ノ雁ヶ原摺山の2つを合わせて2番山頂としているそうである。名前の通り富士山がよく見えた。

 牛奥ノ雁ヶ原摺山に着き、ここで休憩を兼ねて昼食を食べることにした。昼食はおなじみのサンドイッチとフルーツである。今回サンドイッチに挟むものはマロンジャム、イチゴジャム、ハムとからしマヨネーズである。初めてマロンジャムを食べたが、これはなかなかおいしかった。食料係の2人は良いチョイスをしたなと思った。一時的にであったが曇った時があった、その時は少し肌寒かった。周りの木もかなり葉を落としていて山は冬の季節になってきたなと感じた。

 山頂を後にして進むと相変わらず小さなアップダウンを繰り返していたが、少し下り坂の割合が増えてきた。雲が増え来て少し富士山が見え辛くなってきた。頭上も雲が増えていたが、雨雲では無かったので良かった。

 その内に今回の山行で登る最後の山である黒岳を過ぎた。ここからの下り道は地図に書いてある通り、道はえぐれているし、さらに足元には最近刈ったと思われる笹が残っていたため、歩きにくかった。

 そこを抜けると湯ノ沢峠避難小屋に到着した。ここで小休止としてトイレ休憩をした。この場所に着いた時点で11時だったので、予定より大幅に早く湯ノ沢峠登山口に到着すると考えられため、また携帯の電波が通じたので、相談した結果、タクシーの時間を12時半に変更してもらえるように電話した。

 ここからさらに登山口に下って行ったが、途中から沢のわきを進み、丸木橋を繰り返し渡って行った。ある橋のところでCLで先頭を歩いていたTが滑ってしまい沢に落ちてしまった。幸運にもザックから落ちたので本人は傷一つなくまた濡れずに済んだようである。ここから先は橋が危険なため沢の中の岩を渡って歩いた。

 11時45分に湯ノ沢峠登山口に到着した。ここで解散式を行い、今回の山行は終了した。するとタクシーがまず1台来たため1年生+Wが先に乗り、後から来た方に残りの2年生+A先生が乗車した。タクシーに乗ったところ、行きに乗ったタクシーの運転手さんであった。なかなかついているなと思った。

 3年生が引退してから初の山行であったが、大きなミス無く終われたので良かった。次の山行は自分がCLなので気を引き締めていきたい。


《「稜線」第37号(2015年度)所載》


雷岩から大菩薩峠に向かう 石丸峠から小金沢山(遠景)に向かう

大菩薩嶺山頂にて

牛奥ノ雁ヶ腹摺山から黒岳(遠景)に向かう 湯ノ沢峠から下る



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