2014年 7月山行 山行記

筆者 N・M (3年生)

7月20日 〈1日目〉 曇り時々雨

 夏合宿のための調整を目的として雲取山・飛龍山で7月山行を行った。1年生のMとUにとっては入部後初の山行となった。

 1日目の集合時間はUが電車を間違えたために、集合よりも5分遅れて到着してしまった。先行きが不安である。そして西武秩父から三峯神社まではバスに乗り、三峯神社から幕営地である雲取山荘まで向かう計画であった。

 この日の天候は晴れていて風も吹いていて、山を歩くのにはとても気持ちがよかった。メンバー全員が順調に登っていき霧藻ヶ峰(1523m)に着いた。このころから少し小雨が降り、視界もあまり良くなかったために、山頂からの景色は望めなかった。

 霧藻ヶ峰の山頂を後にし、前白岩の肩を過ぎ、前白岩に向かう途中に2年生のHが体調を悪くし、歩くペースが落ちていったので、我々とは別にM先生に引率していただき、後から山荘に到着することになった。やはり少しジメジメとした天候と期末試験後というブランクが影響しているのではないかと思う。練習以外でも個人で体力と持久力をつけるように訓練する必要があると思った。

 前白岩の肩を過ぎて白岩山(1921m)に登り着いた。自分としては短時間で結構な勾配を登り、少し大変な思いをした。少し休憩を取ってから大ダワまで進み、男坂か女坂のどちらを経由して山荘まで行こうか迷った挙句、女坂を選び、無事山荘に到着した。

 幕営地は斜めに傾いた斜面にテントを張ることとなった。テントを張っている最中、小雨が大雨となり、フライを設置していなかった旧ジャンボテントの本体はびしょびしょになってしまい、この日の夜は冷たく寒い夜を過ごすことになってしまった。幕営代を払っている最中に長い休憩を取ってしまい、幕営が遅れてしまったのが原因だと思う。その日にA先生から注意を受けたが、迅速な行動が必要だったと思う。夏合宿での幕営に活かすべきであると思う。

 夕食は麻婆茄子であり、食事もテキパキとこなし、美味しく食べることができた。しかし、後から到着したHは夕食を食べられず、かなり体調が悪く、限界も伺えた。両先生の考えとしては、2日目の朝に体調が悪かった場合、雲取山山頂までは一緒に行き、そこから別ルートを通って下山するそうである。夏合宿に向けて体調を整え直してほしい。

 就寝は19:00で、起床は3:00となった。明日が8時間にわたる長期戦なので、体の調子を回復させて2日目に臨みたいと思った。



7月21日 〈2日目〉
 曇り

 3:00に起床した。雨は降っておらず、今日はいい天気になるのではないかとも思った。

 朝食はうどんだった。いつもうどんは食べていることから順調に作れ、味も問題なかった。朝食を済ませ、5:20の撤収も順調にこなし、5:50頃に山荘を後にした。

 登った後なので告白するが、この日は自分のワンダーフォーゲル部人生において最も厳しい登山だった。

 初めの一本目は雲取山山頂へ向かう0.7kmの行程で実際体力的にも問題はなかった。雲取山山頂はガスがかかっていて景色は望めなかったが、ガスに包まれた頂は名前の通り「雲を取る頂」を表した幻想的な場所と化していた。集合写真を撮り、山頂を後にするときにHとM先生と別れることになった。Hには是非夏合宿でリベンジしてほしいと思った。

 こうして山頂を後にした我々だったが、雲取山山頂(2017.1m)から飛龍山(2069.1m)の約3時間強もの行程は本当に地獄であった。何も景色が変わらず、ただひたすら草でおおわれ足元の見えない一本道、一向に距離の縮まらないように錯覚を起こす道標、急な登りと下りが続き、山を越えていく行程、これは自分の体力面、メンタル面に大きな影響を与え、かなりギリギリな体力と精神力だったと思う。また、それらの障害にガスにより肌にまとわりつくジメジメとした湿気も加わり気持ちが悪かった。後ろの方でバテ気味だった自分はメンバーに情けない姿を見せてしまったであろう。更に自分を鍛えないといけないと思う。

 飛龍権現に到着後、飛龍山に登る前に昼食をとることにした。ここでもどこか指示が通らなかったのか、食事の準備をもたついてしまった。団体行動である以上、時間にルーズであってはいけない。またテキパキと幕営、撤収、幕営はこなさないといけない。そういう自覚をメンバー全員が持てば、メリハリのあるいいパーティーになると思う。

 昼食をとった後、ピストンで飛龍山山頂を目指した。ここは山頂というほどの景色は皆無と言ってもいいくらい望めない。集合写真を撮り、下山している際に帰り道が分からなくなってしまった。分からなくなったら落ち着いて来た道を引き返して確認することが最も安全なことを学んだ。

 無事飛龍権現に戻り、後は下るだけかと思っていたところ、熊倉山(1624m)までの行程で急な登り下りがあり、体力的にもまたくじかれる結果となった。途中滑りやすい橋や岩があり、注意が必要であったが、Oが滑った拍子に岩で手を切ってしまった。処置をとった結果、深い傷ではなく問題はなかったが、一瞬の気の緩みが事故に繋がるということを再確認した。転ぶ際は中途半端に尻餅をつくのではなく思い切って後ろに反ること、そうしてザックから着地するのが被害少なくて安心だということを後の反省会でF先生から学び、新たな発見でもあった。

 14:15に丹波から出発するバスを目指していた。しかしギリギリであったので、最後の2本はペースを上げることになった。最後の行程は地図でも急斜面があると記載されていて心配していたが、事故もなく下りきったが、結局間に合わず、次のバスを待つこととなった。丹波に到着後、解散式を行い、今回の山行を終了した。

 1年生の2人にとっては7月山行が初でかなり厳しいのではないだろうかと心配していたが、難なくこなしたので安心し、今後に期待できると思った。2年生は皆が安定していて、料理もでき、頼もしい存在である。3年生は次の夏合宿で引退だが、最後まで気を緩めずに歩き切ってほしいと思う。


《「稜線」第36号(2014年度)所載》


雲取山荘の手前を登る 雲取山荘の手前を登る

雲取山山頂にて

飛龍山山頂にて 飛龍権現にて



▲2014年度の山行一覧に戻る▲

△以前の山行・目次に戻る△

■ワンゲル・トップページに戻る■