2014年 6月山行 山行記

筆者 H・T (2年生)

 今年の六月山行は去年と同じく鷹ノ巣山であったが、本来行われるはずであった日程が雨で中止となってしまい、一週間遅れでの山行となった。丁度、大学の理工学部説明会と日程が被ったこともあり、部員の半数が参加できなかったのが残念である。

6月14日 〈1日目〉

 今回の集合は、上石神井駅に、13時10分であった。1年生のOが調理実習で少し遅くなった以外はスムーズに集合でき、全員が集合時間前には駅に到着した。

 予定通りの電車に乗り、奥多摩に着いたのも予定通りの15時過ぎであった。しかし、氷川キャンプ場に着くと、一昨日まで降っていた雨による川の増水などの影響で幕営スペースが制限されており、非常に混雑していた。なんとか場所を見つけて幕営を済ますも、近くには既に騒いでいる大学生グループもおり、夜寝られるか心配になる。

 食事は、先に済ませた方が余裕ができるということで、テントを張り終えると早速準備を開始した。今晩の食事は青椒肉絲である。初挑戦の炒め物系であり、コッヘルで作るのには若干の懸念があったが、事前に調理実習を行っていたこともあり、とても美味しく出来た。クックドゥの力は偉大である。米も少し水っぽかったが美味しく食べることができた。

 夕食後の時間は片付けの後自由時間となり、トランプなどをして、19時半に就寝した。しかし、先の懸念通り、大学生グループがうるさく、寝付くのが大変であった。



6月15日
〈2日目〉

 起床は3時半であった。朝食のスパゲティを食べ、5時半には撤収を済ませ、ラジオ体操後、バス停のある奥多摩駅へ向かう。食事と撤収は問題なく手早くでき、1年生のOも早くも慣れてくれたようで心強い。

 予定通り、6時27分のバスで東日原へ向かう。天気は前日に引き続き快晴だったが、バスに乗り合わせたパーティが鷹ノ巣山へ向かう予定を変更する旨の電話をしていた。昨日キャンプ場で話をした高校生のパーティも雨の影響を考慮して鷹ノ巣山へ行くのをやめたと言っていたので、彼らもそうなのであろうか。今回のルートには沢もあるため若干心配になる。

 しかし、鷹ノ巣山の登山道には雨の影響はほとんどなく、我々は順調に登山を開始した。登山口から稲村岩への道中には人工のものと思われる沢があり、去年は雨が少なかったせいで水が流れていなかったが、今年は数日前までの雨のため水が多く流れ、滝を作っていた。今日の最高気温は関東の平野部では30度程になるとも言われていたが、水を豊富にたたえた沢には朝の冷気がたまり、寒いくらいであった。

 稲村岩へは1本もかからずに到着した。コースタイムよりも早い速度であり、そういったペースで歩ける1年生のOは、今年の夏合宿は問題ないだろう。

 稲村岩で休憩をした後、再び急な稲村岩尾根を登る。普段は尾根に出ると、比較的なだらかな箇所も多くなるため登りが楽になる印象があるが、稲村岩尾根はそうでなく、きつい登りが続いた。
 登って行く途中で、何箇所か地面が緩んで、根が半分程抜けた状態で倒れてしまっている木があった。雨を考慮して予定を変更した人たちも、決して過剰な心配をしたわけではなく、山をあなどってはいけないと感じた。

 どんどん登って行き、鷹ノ巣山山頂の手前のヒルメシクイノタワという場所では昼食をとった。まさしく、といった感じである。
 昼食はパンにピーナッツバターとチョコクリームをつけたものにフルーツポンチを食べた。ここで少し遅れてしまっていたM先生を待ったりもしたのだが、M先生のペースがむしろほぼコースタイムといったところであり、自分達の速度が早すぎた感が否めない。朝食のペペロンチーノのためかF先輩の調子が少し悪そうであったが、問題はないようで、山頂への最後の急登へ歩き出す。

 一年振りの鷹ノ巣山山頂は、見事なまでに晴れていた。去年の曇り空すら時期的なことにより珍しいそうなので、今回のこの快晴は実に幸運である。風が気持ち良く、眺望も良く、部員が半数しか参加できなかったことが残念であった。
 山頂では、先に昼食休憩を取ったこともあり20分ほどの休止とし、写真を撮って再出発となった。

 山頂を越してしまうと、そこからはほぼずっと下りであった。下山の最初の1本で将門馬場の少し前辺りまで進んだ。コースタイムより早いペースであり、下りの衝撃は登りで疲労した足にはこたえた。

 次の1本では三ノ木戸山からの分岐合流点まで進み、更に薄暗いヒノキの林の中を歩いて行く。この時点で高度は大分下がっていたはずだが、日光が遮られていたため快適に歩くことができた。

 登山道を抜けると林道に繋がっていた。この辺りから奥多摩駅と書かれた標識を頻繁に目にするようになるのだが、ここからの道が意外と長い。それでも頑張って歩くと見覚えのある奥多摩の町に出た。
 そして奥多摩駅に到着し、そこで解散式を行い、今回の山行は終了となった。

 今回は参加人数が少なくなってしまい残念であったが、終始快晴に恵まれ、山行自体は終始順調であったように思われる。これからはいよいよ7月山行そして夏合宿となって行くので、練習を怠らず、皆万全の状態で臨めるようにしたいと思う。


《「稜線」第36号(2014年度)所載》


氷川キャンプ場で夕食の準備 鷹ノ巣山山頂にて

鷹ノ巣山山頂から大菩薩の方角を望む 石尾根縦走路を行く (花はヤシオツツジ)



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