2013年 6月山行 山行記

筆者 Y・O (2年生)

 ワンゲルではここ5年くらいずっと鷹ノ巣山に行っているようで、今年も例年と全く同じ行程となった。稲村岩尾根というのは、奥多摩では1,2を争う急登コースで、登り甲斐があるのだという。行く前から結構緊張していたが、絶対に耐えて見せると心に決めて向かった。
 また、今回から2年生のSが加わった。新しい部員が増えるというのは大変うれしいことである。

6月8日(土) 〈1日目〉 天候:曇り

 今回は13時にいつもの上石神井駅に集合することにした。全員何とか集合時間には間に合ったのが、1年生とM先生がだいぶ前から来ているのに2年生全員が時間ぎりぎりという始末になってしまった。上級生は、ただ集合時間に間に合えばよいのではなく、余裕を持って到着しなければならないのである。反省事項である。

 その後は予定通り電車を乗り継ぎ、15時頃、奥多摩駅に到着した。そして歩いて氷川キャンプ場に向かい、幕営の準備を開始した。前回は雨だったのであまり人がいなかったが、今回は家族連れ、大学のサークルなどたくさんの人でにぎわっていた。夜安眠できるかとても心配である。前回同様、この幕営に問題が発生した。ジャンボのポールのうちひとつが別のものだったのだ。その場は何とか工夫して処理することができたが、以後絶対このようなことがあってはならない。次回は三度目の正直として幕営をきちんとスムーズに行うようにするため、帰ったらきちんと装備を丁寧に確認するようにしたいと思う。

 今回の夕食は新入部員のSのideaで照り焼きチキンとほうれん草のおひたしとなった。とても美味しく食べられたのだが、肉をコッヘルで焼くのは少々無理があると思う。ましてやそのコッヘルの底がひどく窪んでいて、油がうまく全体にいきわたらなかったのである。やはりもう買いなおしたほうが良いのだろうか。飯は今回2年生のFが休んだので1年生二人がやることになったが、多少おこげがあったものの、うまく炊けていたと思う。

 食事が終わり、meetingを済ませたところでA先生が到着した。夕食が早く終わったため、就寝時間まで時間があったので、多摩川で遊んだりした。

 そして19時30分に就寝。先程眠れるかどうか心配と書いたが、その必要は全くなく、ぐっすりと眠ることができた。



6月9日(日) 〈2日目〉 天候:晴れのち曇り

 3時30分に携帯のアラームで目が覚める。目覚めは良かった。そして朝食の焼きそばを作り始める。特に問題もなく、美味しく作れていたと思う。撤収も特に問題なく進み、準備体操を済まして、5時半過ぎに、氷川キャンプ場をあとにする。

 昨年はがけ崩れ(?)の影響で東日原行きのバスが出ておらず、南の浅間尾根から登ることになったが、今回は良かったのか悪かったのか、大丈夫だった。朝の天気は快晴で、絶好の登山日和からなのか、バスには座りきれないほどたくさんの登山客が乗っていた。半数強が途中の川乗橋で降りた。川苔山に行くのだろうか。

 30分程度で東日原に到着し、歩き始める。目の前に聳え立つ稲村岩が大きかった。この東日原の標高が620mで、鷹ノ巣山が1736mなのだが、最初巳ノ戸橋までいったん下るため、実際には1200m以上を登ることになる。稲村岩までの登りは、地図にも“急坂”と書いてあるとおり、結構なものだった。途中に沢(?)があり、何度か渡り返すのだが、ほとんど水がなかった。先生方曰く、例年なら水がたくさんあって渡るのも一苦労で、正規のルートがわからなくなったりもするのだという。この間の奥多摩湖といい、今年の水不足がどれだけひどいか良くわかる。

 そしてちょうど一本で稲村岩に到着し、休憩を取る。個人的にはこの一本が今回の山行で一番きつかったと思う。そしてここから稲村岩尾根の本格的な登りが始まる。それにしてもこの尾根は、標識やベンチ、眺望などがなく、ただひたすら登っていく感じである。しかし、CLのDがペースを落としてくれたので、自分としては割りと余裕を持ってついて行くことができた。

 どんどん高度を稼いで登っていくと、いったん平坦な場所に出る。ヒルメシクイノタワである。名前からして昼食を取りたくなりそうである。

 そしてここから山頂までの最後の登りが始まる。しかし、頂上まであと少しのところで、今回が初めてのSが足の疲れを訴えて、これからのことも考えて頂上まで登ってから別ルートでM先生とともに下山することになった。僕自身としては、自分自身の経験を踏まえて初めてでここまで来るだけすごいと思う。

 ついに鷹ノ巣山に到着した。少しコースタイムより遅れ気味だったと思う。景色はとても良かった。去年登ってきた浅間尾根もしっかり眺めることができた。A先生はもう何度もここに来ているらしいが、こんなに眺めが良いのは珍しいとのことである。そして昼食のサンドイッチとフルーツ缶を食べる。毎回思うがこのフルーツ缶は食べるととても元気が出ると思う。

 45分くらい食事休憩を取って、記念撮影を行い、下山にかかる。ここで、SとM先生と別れることになる。

 下山の石尾根は特に問題なく進んだ。特に水根山までは開けていて、歩いていてとても気持ちが良かった。一本半くらいで六ツ石山に到着する。ここでまた記念撮影を行い、さらに下って奥多摩駅を目指す。

 途中三ノ木戸山への分岐を過ぎてから、去年は水で登山道がぬかるんでいて、滑りやすかったのを覚えているが、今年はやはり、水不足の影響からか、あまりぬかるんでおらず、結構スムーズに下っていくことができた。ここ最近、昭文社の“山と高原地図”もこのぬかるみを考慮して、コースタイムを遅く設定したのだといわれる。

 そして石尾根を終えて林道に出る。去年もそうだったのだが、この駅までの約30分の林道歩きがとても足に負担がかかり、いやに長く感じる。登山靴と林道があまり相性が良くないというのもあると思うが。

 ついに奥多摩駅に到着した。そこで10分程度先に到着したというSとM先生と合流し、解散式を行って、今回の山行は終わりとなった。

 今回は無難な山行ができたと思う。これから7月山行、夏合宿ときつい山行が続くので、これからしっかり練習して、頑張って乗り切っていきたいと思う。


《「稜線」第35号(2013年度)所載》


鷹ノ巣山山頂にて 六ツ石山山頂にて


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