2011年 7月山行 山行記

筆者 J・S (3年生)

 3年生がもうすぐ引退という大切な時期に、チーフリーダーという大役がまわってきてしまった。しかも今回は初日から登りがある。様々な不安を抱えながらも、奥秩父・甲武信ヶ岳へ向かう。

7月22日 〈1日目〉

 6時50分、JR高尾駅に集合することにした。今回乗る小海線は本数が少ないため、予定の電車に乗れないと到着が1時間以上遅れてしまう。人数が少ないから大丈夫だろうと思っていたら、Yから電車の遅延で遅刻しそうだという連絡が。いきなり嫌な予感がしたが、何とか間に合った。その後は順調に進み、野辺山からタクシーで毛木平に行き、そこで昼食にした。

 朝は少し曇っていたが、昼にもなると晴れていた。日陰にいる分にはあまり暑くなく、風は涼しかった。今の2年生が入部してからはかなり天気に恵まれているような気がする。気になっていた台風の影響も殆ど無かった。

 昼食をとったあと、甲武信ヶ岳を目指して登り始める。前半は比較的緩い傾斜で、登りやすい道が続いた。後半になると段々急な登りが増えていったが、順調に頂上に辿り着くことができた。心配していたペース配分も、特に問題は無かったようだ。山頂付近で少しペースが上がっていたということを除いては。せっかくの山頂なので、長めに休憩をとった。少し曇っていたものの、なかなか良い眺めだった。

 十分に休憩をとった後、山頂から少し下り、甲武信小屋に到着。そこですぐにテントを張り、夕食の支度を始める。夕食は鶏丼というあまり聞き慣れないメニューだった。要するに親子丼の卵なしである。それだけでも十分おいしかったが、辛子マヨネーズをかけると絶品であった。ご飯もおいしく炊けていた。ここ最近本当に食事が豪華になったと思う。

 食後のミーティングで、2日目は甲武信ヶ岳にもう一回登らずにそのまま下ることになった。夏合宿の練習、ということで翌日3時に起きるために20時に就寝となった。



7月23日 〈2日目〉

 朝、というより夜中の3時、携帯のアラームで目が覚める。そして黙々と朝食の準備にとりかかる。毎度のことながら、食べている間に気持ちが悪くなってしまった。そして今回は珍しくKも食べていて気持ちが悪くなったようだ。ペペロンチーニがワンゲルの朝食に姿を現すことはしばらく無いだろう。その後は後片付けをし、1リットル50円の水でポリタンを満タンにし、撤収。そしてあたりが明るくなってきた5時頃、破風山に向けて出発した。

 歩き初めて50分程で破風山避難小屋に到着し、そこで休憩をとった。前日よりも雲が少なく、吹く風が少し寒いくらいだった。標高が高いだけあって、夏だということを忘れてしまいそうになる。避難小屋を出発してからまた急な登りが出てきたが、破風山、東破風山、雁坂嶺と順調に進んだ。

 出発から3時間半ほどで雁坂峠に到着し、そこで昼食をとった。日本三大峠という看板があったが、確かに眺めはよかった。今回の山行で一番の眺めだった。そして遠くには雪の溶けた富士山も見えた。下界では嫌がられる日差しも、風のおかげか、ぽかぽかしていて気持ちがよかった。

 雁坂峠を出発すると、ひたすら下りが続く。下りではペースアップするワンゲルだが、今回は11時23分のバスに間に合わないだろうと判断し、慎重に下っていった。しかし、沢に下りると何度かルートが分からなくなってしまった。もう少し冷静に周囲を見渡すべきだった。

 50分ほど歩いて沢のすぐ脇で休憩をとった。バスに間に合いそうだったので、AとYからペースアップの許可が下りた。ということで、林道に出ると、時計を気にしながら一気にペースを上げた。が、最後の最後で曲がるはずの道を直進してしまった。詰めが甘かったと反省する。しかし、何とかバスの時間には間に合った。

 道の駅みとみからバスで1時間ほどで山梨市駅に到着し、解散した。

 今回も色々と失敗はあったものの、全員しっかりと歩けたので、この調子で夏合宿に臨みたいと思う。


《「稜線」第33号(2011年度)所載》

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