2011年 6月山行 山行記
|
筆者 H・Y (3年生)
|
|
6月4日
〈1日目〉
今回は大変なことが起きた山行だった。私の3年間の山行ではもちろん、先生方の今までの経験でも、このようなことは初めてだったという。そして、そのために大きなルート変更も余儀なくされた。大変ショッキングな今回の山行は、きっと全員にとって忘れられないものになったことだろう。今回の山は、奥多摩の鷹ノ巣山。しかし、実際に登ったのは六ツ石山である。
まず、1日目。この日は順調であった。予定通りに集合したメンバーは、予定通りに電車に乗り、奥多摩に着いた。今回のメンバーは4人。先生が2人いらっしゃり、パーティは6人である。実は、本来ならばあと2人は来られるはずだったのだが、体調不良などで来られないらしい。やはり、体調管理は大切だ。
氷川キャンプ場に着いた我々は、早速呆気にとられることになる。氷川キャンプ場のキャンパーの数が尋常ではないのだ。我々のテントが張れるかどうかも怪しいのでは、と思ったが、端っこの方にスペースをなんとか見つけ、滑り込んだ。
テントを立て終わると、しばしの自由時間の後、私は係である気象の仕事にとりかかった。ラジオを聞き取り天気図用紙に記入するのだが、今回はA先生にも褒めていただき、一安心だった。
その間、他のみんなは夕食の準備をする。今日のメニューは麻婆豆腐で、ご飯も美味しく炊けており、2年生2人もとても頼もしい。
1日目は、このように平和に終わった。この時は誰も、明朝何が起こるかを、知る由もなく、眠りについた。
6月5日 〈2日目〉
そして、起床。適度に涼しく、よい天気だった。我々は早速、朝食のうどんの準備にとりかかった。
うどんはワカメが鍋の下にたまっており、皆に分配したら、A先生に3年生が食べるよう注意されてしまった。
そして、朝食を終えた我々は、各自の荷造りをしたり、ポリタンに水を汲むためにテントから出るのだが、ここで異常事態が起きた。なんと、今回のチーフリーダーのAの登山靴がなくなったというのだ。すぐに先生にも報告し、皆で周りを探した。先生は交番にいって、サンダルを借りた。
そして、皆で30分ほど探していると、I がついに靴を発見した。どこにあったのかといえば、川にプカプカと浮いていたのだという。一体誰が。周りのキャンパーの酔っ払いだろうか、などと話しながら、とにかく見つかったのだから、出発することにした。
当初予定していたバスは、乗れそうにないため、キャンプ場から歩いていける六ツ石山に行くことになった。
出発した我々は、突然のルート変更にも関わらず特に迷うこともなく行けた。緩い登り坂を登って行くと、どんどんその傾斜はきつくなり、私は久しぶりの山行ということもあり少しばててしまった。
六ツ石山の山頂は、狭く、天気も曇りだったため、景色も特に見えなかった。そこで写真を撮り、昼食をとった。
そこからは下り始める。下りは特に問題なく進み、途中の神社を過ぎて、道路に出てM先生を待っていたのだが、そこで、先ほどの神社からこの道路まで随分早く着いたな、という話になった。すると、後輩のKが、先ほどの神社と、地図の神社は名前が違うと指摘した。3年生も先生も気づかなかったのに。今年の2年生は頼りになるものだ。
こうして、今回の山行は行程自体は無事に終わった。しかし、靴がなくなるというトラブルがあったことは、かなり大きな出来事だと思う。見つけてくれたI
には、本当に感謝だ。
我々3年生に残された山行は、あと2回。気を引き締めて、ワンゲルに取り組もうと思う。
|
《「稜線」第33号(2011年度)所載》
|
|