2010年 新歓山行 山行記
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筆者 Y・H (3年生)
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今年は、2人の新入生がワンダーフォーゲル部に入部してくれた。学院雑誌にワンゲルの紹介文を載せ忘れ、その上講堂でのオリエンテーションも行っていなかったので、一時は誰も入部しないのではないか、と焦ったが、そのようなことにはならなかったので一安心である。二年のTは休んでしまったので、9人の部員で蕎麦粒山に臨む。
5月8日(土) 〈1日目〉
13時10分と、少し遅めの集合時刻のせいか、全員遅れずに上石神井に集まった。3年のTはなぜか上下学院ジャージという姿で登場したが、他は特に問題はなく、幸先の良いスタートとなった。
JR川井駅に着き、バスの時刻表を確認するが、そこで私は愕然とした。ゴールデンウィーク中にホームページで調べていた時刻とは違っていたのである。よく見てみると、今年の4月から時刻表を更新していたことがわかった。ホームページの方も更新しておいてほしいと思った。次のバスまで1時間以上あるので、仕方なく歩いていくことにした。
1時間くらい歩くと、奥茶屋キャンプ場に到着した。ここで幕営する予定だったのだが、あいにくもう営業していないようだ。そのままUターンして中茶屋キャンプ場に向かう。今日はそこで幕営することに決まった。到着すると早速テントを張り、新歓山行の定番であるカレーをつくる。そして20時就寝。1年生にとって初めてのワンゲルのテントである。やはり狭くて寝苦しいとか思っているのだろうか。
5月9日(日) 〈2日目〉
翌日、午前4時に起床し、きつねうどんをつくった。そして撤収し、準備体操をする。このへんは意外とスムーズに進んだ。そしていよいよ本格的な歩行である。私はこの山行で初めてのCLをすることになっていたので、とても緊張していた。とにかく1年生の前で恥をかくわけにはいかない、絶対に道は間違えたくない、と思い、はりきってスタートした。
しばらくの間コンクリートで舗装された道を歩きつづける。この時私は、道に迷わないようにするのに必死で、ペース調整のことを考えていなかった。案の定、休憩の時間にペースが速かったと指摘されてしまった。要反省である。しかしそのようなペースでも1年生は遅れずについてきていた。体力面での心配はないようで、頼もしく思った。
登りでは特にペースに気をつけた。しかし、踊平の手前で道を外れてしまい、先生がそれを言ってくれなければ迷ってしまっていたかもしれないところであった。出発前にあれほど危惧していたので、やる気がごっそりと削がれてしまった。だがCLである手前、そうは言っていられないので、とりあえず開き直ることにした。初めてだから仕方がないのだ。もちろんちゃんと反省している。
4本もの歩行の末、蕎麦粒山にたどり着いた。空を見ると雲ひとつなく、快晴といったところである。だから展望はすごくよかった。少し狭い場所であったが、ここで昼食をとった。このとき、私は昼食の準備をするよう指示をするのをすっかり忘れてしまっていた。気をつけなければいけないのは歩行中だけではないことを実感し、気を引き締める。CLというのは大変だなぁとつくづく思った。
蕎麦粒山で少し長めの昼休憩をとった後、急な下り坂と登り坂を経て仙元峠にたどりつく。ここを越えればあとはほとんど下りである。バスの時間には十分間に合いそうなので、なるべくゆっくり行くことにした。
下りは順調に歩き切ることができた。バス停を探すのに少し迷ってしまったが、それでも反省会をする時間の余裕はあった。ケガ人もでず、何事もなく終わったのでホッとした。1年生にとってはワンゲル部で初めての山行が天気に恵まれたのはとてもよかった。ワンダーフォーゲル部や山行に対して良い印象をもってもらえればいいなと思う。
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《「稜線」第32号(2010年度)所載》
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