2010年 冬季山行 山行記

筆者 D・A (2年生)

12月18日

 今回の山行は先輩、先生のいない完全に自分たち2年生を中心とした初めての山行だったので、期待9割不安1割といったところであった。 

 家を出た時、周囲はまだ真っ暗だった。集合場所へ向かう途中の電車から見える草木や家の屋根は一様に霜が降りて白くなっており、冬であることを一層実感させられるものであった。西武秩父の駅に着いた時の寒さはかなりきつく、防寒着の必要性を久しぶりに実感させられた。

 登山口に到着したときも依然として非常に寒く、寒さにせかされるように急いで各自準備運動を行い、行動を開始した。

 最初の登りは車道であったこともあって思いのほか体力を消耗してしまった。この時にはすでに息もあがり始め、登山口に到着したときの格好では逆に暑すぎてしまうほどであった。

 最初の休憩を挟んでからの行動はCLが皆の具合を見てペースを調整したため、あっけないほど順調に進んだ。地図を見ればわかるように今回のルートは最初にある程度登ってしまえばすぐに山頂に着いてしまうかなり楽なコースであったことも関係していたのだろうが。それに加えて若干懸念されていた道の状態が雪も積もっておらずかなり歩きやすかったこと、そしてサブザックだけであったことから普段の山行よりもだいぶ歩きやすくさえ感じたことが順調に進めた理由だろう。

 西武秩父駅に到着したときはそのあまりの寒さに不安で一杯であったが、山頂に呆気なく着いてしまった時には既にそんなことは頭から無くなってしまっていた。普段ならこれから本格的に登るという段階で山頂に到着すると、そこで昼食にした。そこからの景色は、天気が良かったこともあってはっきりと秩父の街を見おろすことができ、その周りを山が囲んでいる様子もまた素晴らしいものであった。去年は天候に恵まれなかったが、今年は非常に天候に恵まれ、今年最後の山行も締めくくりとして十分な景色であった。

 山頂には微かに雪が残っており、段々と寒さがきつくなってきたために、昼食の片づけを終えると早速下り始めた。山頂からの道が少しわかりにくかったが、途中出会った親切な御老人の方々に教えてもらい、無事正しいルートを見つけることができた。感謝である。下りは遅れを取り戻すかの如く駆け下りていった。夏合宿の時も感じたことだが、今年の1年生は非常に優秀で遅れることなく速いスピードにもついてきている。1年生が2年生以上に頼もしいのはこちらとしても行動が楽で助かっている。

 1年生の頼もしさも実感でき、締めくくりとしては十分な山行であった。次の山行が楽しみである。


《「稜線」第33号(2011年度)所載》


武甲山山頂にて 武甲山山頂にて

武甲山山頂から秩父の街を見おろす


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