2009年 新歓山行 山行記

筆者 K・M (3年生)

 入部してから2年。慣れと長かった春休みによって無気力な人間と化していた私は新入部員の勧誘に乗り気ではなかった。教室回りの回数も減らし、ポスターをつくることもしなかった。だが、今年の新入部員数は6人。私の自堕落さに業を煮やした山の神様が代わりに宣伝を行っていたのだろうか。
 とにかく、私が知らないうちにワンゲルのビッグウェーブは迫ってきていたようだった。

5月9日 〈1日目〉

 午後発ちなので集合は12時55分に上石神井駅。初めての山行だが一年生の集合は上々。対して上級生の集合はひどいものだった。予定していた電車には間に合ったものの、これは大きな反省点である。

 電車に揺られて、氷川キャンプ場に到着、テントの準備に取り掛かる。
 今回使用したテントはジャンエス1張、生徒用ライエス2張、教員用テント1張の計4張である。これだけの数を張るのは初めてだったが、今回は生徒用のライエスに愛称(バルタン、ゼットン)をつけていた。ネーミングセンスこそ悪いものの、作業はスムーズに行うことができた。

 この日の食事はカレーライス。定番中の定番、味もいつも通り。だが、どうしても意識は隣の焼きそば+焼肉の方へ向いてしまう。悲しいけれどワンゲルの性なのかもしれない。
 その後はミーティングを行い、各々で就寝。この日の夜は蒸し暑かった。思い返してみると、半袖かつ上半身を寝袋から出した状態で寝たのは初めてだった。



5月10日
〈2日目〉

 携帯のアラーム音で目を覚ます。寒くは無かったものの、大量の寝汗が気持ち悪かった。
 朝食のうどんを作りながら、ライエスの1つが寝坊したことをA先生から聞く。起床時間を早めに設定していたので予定していたバスには間に合ったものの、2度目は無い様にしていきたい。

 奥多摩駅からバスに乗りスタート地点である深山橋バス停に到着。体操などはキャンプ場で済ませていたので、すぐに出発した。
 出発して20分弱。前を歩いていた1年のNの足が遅くなり始める。彼は運動が得意そうではなかったが、そもそも今年は部員の入部時期がバラバラだったためにトレーニングを殆ど行うことができなかった。久しぶりの運動が登山というのも酷な話だったかもしれない。とりあえず、後ろから声をかけることやA先生がNの後ろについてアドバイスをすることによって頂上を目指していくことになった。

 三頭山頂上に到着したのは11時頃、コースタイムより少し遅れ気味だった。ここで昼食の菓子パンを食べる。大所帯なのでパンの種類やジャムの味で揉めたものの、騒がしくなるほどに盛り上がるのも楽しいものだった。

 下りではペースも落ちることなく進んでいった。道中で1年の阿部が足をつったため、M先生+N+Aの3人はパーティーから離れることになった。
 パーティーを分けてから30分弱、ゴールの仲の平バス停に着く。ザックを降ろして1年生を見ると初めての山行ということもあって、誰もが疲れきっているようだった。
 バスが来るまでに余裕があったので、解散式を行って、解散。

 今回の山行では1年生はよくやってくれていた。
 むしろ、手本となるべき上級生側のミス(特に時間)が多かったのが何よりの問題だろう。次の山行は6月。その時には頼り甲斐のある先輩達の姿というのを見せていきたい。


《「稜線」第31号(2009年度)所載》


槇寄山にて


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