2009年 冬季山行 山行記

筆者 Y・K (1年生)

12月20日

 冬に山を登ることを想像していなかった僕はそれはどんなものかと楽しみでもあった反面、不安でもあった。今回は日帰りであるためサブザックで行った。楽なのか苦なのかもわからない複雑な気持ちでこの山行に臨んだ。

 朝5:40分起床。いつもの山行よりは睡眠が取れるだろうと思っていたが、昨日は3:00くらいまで起きていた。山行としては完璧な睡眠不足である。テンションはガタ落ちしたがそんなことは気にせず支度を済ませて家を出た。集合場所まで25分、比較的楽なものであった。

 日は一日中晴れかなと思いながら、6:45に立川駅に着いた。集合は……若干危なげな人がいたが、きちんとできていたと思う。
外はとても寒かったため電車が来るのが待ち遠しかったが、いざ乗ってみるとドアが開くたびに入ってくる冷気でそんなに変わらなかった。
 青梅駅でM先輩と合流した。今回は先輩にはお世話になるだろう。

 そんなわけで奥多摩駅に到着し、バスに乗って川乗橋に行った。そこでスパッツを着用するわけだが、なぜか僕のスパッツのチャックが上がらなかった。前日(詳しくは当日)に確認はしたのだが。
 先輩たちが手伝ってくださったため、うまく入った。ありがとうございました、そして待たせてしまってすみませんでしたと呟き、高速でラジオ体操をすませて出発した。

 序盤は順調であった。多少の登り道であったが、道路だったので比較的スムーズだった。立派な岩から滴り落ちる水でできた氷柱や道路が凍っているのを見ると、重装備してきてよかったと思えた。このときだけは……。
 そして川苔谷のあたりで休憩。最初の1本はペースを落としたほうがいいと一年生山行のときに言われたことを思い出した。今回CLのT先輩はそれをできていたと思った。

 途中、百尋の滝が見えた。どうやらメンバーはあまり興味がなかったのかはわからないが、僕としては絶景であった。また、このとき初めて重装備してきたことを後悔した。普段汗をあまりかかない僕が大量の汗をかくくらいなぜか体が熱かった。こういうことは今後考えないと。休憩を一回挟み、45°あろう(?)登り坂を登り、無事川苔山山頂に到着した。雪はなかった。多分コースタイムより30分は早かっただろうか。今日は晴れていたからここでの景色もよいものであった。そうして各自持ってきた昼食などを食べ、紅茶などを飲んで、一同は和みムードであった。

 約40分くらいの休憩後、今度は本仁田山をめざした。大ダワとコブタカ山の間で休憩を挟み、本仁田山に到着したが、30秒の写真撮るかとらないかのシンキングタイムだけ終えてすぐ先へと行った。ここからは下りが多くなっていった。

 今回の下りはけっこうレベルが高いものがあった。眠っている体と脳にムチを入れなければと思い、集中していたが、テストの結果が返ってきてないことなどが頭にひっかかったりしたり、いろんなことを考えたりしながら下った。安寺沢の少し手前で休憩を挟んだ。それから30分後に突然事件は発生した。Aが靴紐を結ぶような動作を二度したのだが、そうではなくそれは足がつっていたということであった。僕自身、足がつった経験は多分ないため共感できなかったが、つらいものだとは前から思っていた。K先輩が処置をしていた。M先輩が無理しないほうがいいと言っていたので、AとM先輩はその場で休憩して本隊は奥多摩駅まで下山することにした。

 しばらくすると道路に出た。ああ、なんか久々の道路だなとは毎回思うのだが、今回は一日ぶりというわけでもない。そんなことを思いながら歩いていたが、途中で奥多摩駅はどこかわからなくなってしまった。そこは地図をちゃんと読んだり目印を見ればわかることなので今後はこういうことをなくしていきたい。

 無事奥多摩駅に到着して、5分後にAとM先輩も到着した。Aの脚の調子も多分ましになっただろうと思い安心した。

 下山した達成感を味わい、清涼飲料水でも飲もうと取っておいた未開封のアルミボトルのジュースが、多分気圧の変化によるせいで穴が開いており中身が出ていた。ザックがジュース臭くなりテンションが下がった。しかし代わりに自販で買ったあったか〜いのカフェオレは最高であった。

 冬山行。失敗、成功もあった。各自反省点はあると思う。今度は春合宿に向けてトレーニングなどをやっていくと同時に、反省点などをきちんと解決したい。山にものをほったらかしにしてはいけないように、反省点もほったらかしにしないようにしないと。


《「稜線」第32号(2010年度)所載》


川苔山山頂にて


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