2009年 1年生山行 山行記

筆者 H・Y (1年生)

 一年生だけで全てを行う「一年生山行」。それがぼくらにもやってきた。普段先輩に頼ってきたことも全て自分たちでやらねばならないため、正直不安なことも多いまま出発した。今回は部員4名とF先生とAコーチで行くことになる。場所は北八ヶ岳の天狗岳だ。

9月4日 〈1日目〉

 はじめて一年生だけで駅に集合して、電車に乗り込む。無事茅野についてから、タクシーで白駒池キャンプ場前の駐車場に着いた。そこから30分の歩行の後幕営地である白駒池キャンプ場に向かうのだが、そこではじめてトップを歩くことになった僕は、とても目立つ看板に気がつかず、キャンプ場へと続く道とは全然違う方向へと歩いてしまった。すぐに気づいて正しい方向へと行けたからよかったものの、もうこんなことはあってはならない。

 キャンプ場に着いてからテントを張ったのだが、フライの張り方やペグの打ち方など、基本的なことさえまだ完璧に出来ないことがわかった。反省事項である。それに、時間もかかりすぎていた。また、僕は当日銀マットを忘れてしまい、少しジャンエスの床が余ってしまった。やってしまった。

 しばらく休んでから夕食のカレーを作ろうとしたのだが、そんなに手際よくはできなかったものの、結果としてはとてもおいしく出来たのでよかった。むしろ、調理中に降ってきた雨、雹のほうが明日の天気を心配させる原因となった。また、Aコーチから明日の初めのルートを確認するように言われた。先輩たちはこんなこともやっていたのかと初めてわかった。ミーティングを行い、明日に向けて19時に眠りについた。



9月5日 〈2日目〉

 いつもより少し遅く3時半に起床し、うどんを食べた。幸い雨は降っていないらしく、むしろ快晴のようだった。サブザックに荷物をつめ、さあ出発!と思ったら僕はヘッドランプも忘れてしまっていた。本当にやってはいけないミスであった。反省のため白駒池で泳ごうかと思ったが、時間も無いため出発した。

 最初の一本のトップは歩くスピードがとても難しく、少し気を抜くと速くなってしまう。初めて知るトップの仕事に慣れないながらも歩いていると、分かれ道に出た。僕はこっちだろうと思い左に何気なく行こうとしたら、Aコーチに、思い込みで行くなと注意を受けた。迷ってからでは遅い。地図を確認する。そう言われ、この後からこのことを考えながら行動することになる。

 そこからトップを交代しながら歩いていき、順調に歩いていって、ニュウへと着いた。快晴の天気のおかげで、360度周りの景色が見えた。本当にきれいな景色で、今まで行った山の中でもかなりいい景色だった。そこを降り、歩いていると東天狗岳についた。そこは人も多く、またきれいな景色が見られた。そこから西天狗に行って、昼食をとった。そしてまた歩き出したのだが、その間もAコーチは本当にたくさんのことをアドバイスしてくれた。山に向いた服装のことや、岩場や木に結ばれた目印のことなど、他にもたくさん、知らなかったことを教えてくれた。

 順調に進み、黒百合平、高見石小屋ときたのだが、高見石小屋から分岐があり、ぼくらは迷わず高見石のほうにいこうとした。しかし、そこでAコーチに止められた。進むほうは左の高見石ではなく、まっすぐ行くキャンプ場だったのだ。しかし、ぼくらは高見石へと行くものだと勘違いをしており、そこでまた注意をうけた。計画書の通りではなかったことだが、そういった意思の疎通も行わねばならないと思った。

 無事歩行を終え、キャンプ場で撤収をした。撤収にも時間がかかってしまった。こういったことも反省事項である。

 今回の山行は一年生だけでやっただけに、難しいことや、初歩的なミスなども多かった。今まで先輩に頼っていたことがたくさんあったと痛感したので、今回浮き彫りになった反省事項を次につなげて、これからの山行を有意義にしていきたいと思う。


《「稜線」第31号(2009年度)所載》

▲2009年度の山行一覧に戻る▲

▲以前の山行・目次に戻る▲

■ワンゲル・トップページに戻る■