2008年 冬季山行 山行記

筆者 S・K (2年生)

12月23日

 部活としては初の日帰り山行である。やはりクリスマスともなると、みな秘密の予定があるのかも知れない。うらやましい限りだ。と、いうことで23日、冬の御前山に挑む。

 集合場所である奥多摩までの乗換駅で一年のHにあった。大きな声では言えないが彼はポリタンを忘れたらしく、ミネラルウォーターの500mlペットボトルを4本買っていた。

 ちなみに今日のメンバーは、このHを含む一年生3人と、F、そして私だけである。今年のワンゲルは結構な所帯となった為、5人での山行というのは、かなり久々のことになる。

 奥多摩駅到着。ここでふらりとトイレに立ち寄った私の目に、信じられないものが飛び込んできた。トイレ入口に佇む長身は、今日おやすみのはずだった主将Mのそれであった。CLのFにはすでに連絡してあったらしい。当然である。どうやら私と一年にたいしての軽いドッキリのつもりだったらしい。

 気を取り直して出発だ。登山口を一度素通りしてしまったり、スパッツの装着に多少手間取ったり、186段の石段がきつかったりしたものの、たいしたトラブルもなく一回目の休憩に入った。このころにはもう辺りは積もった雪に覆われていた。純白を纏った木々がとても美しい。

 再び登る。二回目の休憩の後鞘口山の山頂に到着し、ここで昼食をとることにする。昼食はカップラーメン。もちろんお湯を沸かすのだが、ここで私がやってしまった。水を張って火にかけていたコッヘルを倒して、お湯全てを雪の上にぶちまけてしまった。仕方ないので新しいポリタンの貴重な水を使った。残り二つのポリタンだけで何とかあとをもたすことにした。またそこら辺の雪を溶かして使うという案もあったが、さすがに実践には至らなかった。できたカップめんはさっさと食べてしまった。手が凍えそうだったからだ。おかげで味がよくわからなかった。結構あまってしまったお湯に手を浸して冷たさをしのいだ。水に関しては、いろいろともったいないことをしてしまった。反省事項である。

 そこから一本ほどで御前山到着。写真を撮り、休憩を挟んですぐに下りに入る。しかしこの下りがなかなか厄介で、雪の滑りと、落ち葉の下にある石で何度も転んだ。Mと私だけで他の部員の10倍は転んだのではないだろうか。

 そして眼下に奥多摩湖も見えるようになってきたころ、道がとても急になり、かなり時間をとられてしまった。バスに間に合うかが微妙だったため、わりと速いペースで来たはずであったが、登山道を抜けた時にはなんだかんだで5分前。しかし近くにバス停の姿は認められない。どうやらゴールは湖の向こうのようだ。一直線に続く橋(ダムの堰堤)を渡る。もちろんダッシュ。正直相当しんどかった。しかもその橋の長いこと長いこと。疲れた体にはかなりこたえた。TとKはすでにリタイアしているようであったが、まあ責めることはできないだろう。それでも何とか間に合った。

 バスの座席に疲れた体を預け、ついた奥多摩駅で解散。二年だけで温泉に入ると、もう陽は沈んでいた。

 今回の山行は、体力的には楽だった(ただし最後の橋ダッシュを除く)が、耐え難い寒さと、下りの転びやすさには個人的に参ってしまった。反省すべき点もしっかりと直し、春合宿に臨みたいと思う。


《「稜線」第31号(2009年度)所載》


御前山山頂にて


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