2008年 秋季第1回山行 山行記

筆者 K・K (1年生)

 今回の山行は、正直体力面や精神面で今までの山行の中で一番きつかった。3年が引退して、新たな編成として初めてであり、1年にとっては、1年生山行の成果を発揮する山行でもある。残念ながら、今回は1年2人が参加しなかったが、その友のためにも両神山をいい思い出にするべく、この山行に臨んだ。

10月18日 〈1日目〉

 10月の半ば、中間テストが迫っていたり、学院祭の翌週だったりと、不意打ちのように現れた今回の山行は当日になっても実感がわかなかった。大きなザックと登山靴で、クラスメイトに不思議がられながら、Tと上石神井に向かった。調べていた電車の時刻は間違っていたが、途中からは予定通りになり、問題なく西武秩父に到着した。

 そこからタクシーで日向大谷に行き、登り始める。そのとき、僕が登山用の靴下を履いていなかったことや、準備体操をしなかったことなど、初歩的なミスをしてしまった。このときすでに16時だったので、日没の17時過ぎまでに川を渡り終えてしまおうと1本目は1時間ほどの歩行となった。日が没してからどんどん暗くなり、ヘッドライトで行動するも暗く、30〜40分ほどがえらく長く感じた。登りも急だったので、運動不足の体に堪えた。

 やっと清滝小屋に着き、テントを張り、夕食の準備に取り掛かった。僕の担当は炊飯で、ワンゲル伝統のおいしいご飯を引き継ぐべく、F先輩に教えてもらいながら炊いた。メインのドライカレーもおいしくでき、飯も良かったので、おいしい夕食にありつけた。
 就寝は20時半で、その日歩いていたので、普段よりよく寝られた気がする。またテントの中で、眠いなか朝食を食べるのかと思うとため息が出た。



10月19日
〈2日目〉

 思った通りの朝が来た。いつもは夜の間に雨がよく降っていたが、今日は天気がいいようだ。タラコスパゲティーを食べ、撤収した。撤収はスムーズにできたが、バスの時間まで余裕があるので、日が出るまで外で待つことにした。

 今度はちゃんと準備体操をして、登り始めた。1本半で、剣ヶ峰に到着して、ミヨシ岩に行こうと、歩き始めた。その道は、山の所有者が通行を禁じていて、あまり通る人がいないためか、道がわかりにくかった。その時はパーティは順調に行っていると思っていたが、いままで登ったことのないような道を登り、尾根っぽい、少し崖っぽいところに着いた。そこで少しうろうろしていたが、道がわからず、M先輩とK先輩が先を見に行った。その間、道に迷ったのではと、落ち着かず、さらに、寒かった。先輩たちが道を発見し、みんなで行ってみたがもと来た道だった。

 剣ヶ峰まで戻ろうということになり、もと来た道を引き返した……つもりだったのだが、まあ、迷ったのである。完全に士気が下がり、次の休憩のときは元気がなかった。再び迷いながら歩いていると、人の声が聞こえ、そっちの方へ行ってみるとなんと元の道にたどり着いていた。意外と近くで迷っていたらしい。剣ヶ峰に着き、落ち着こうと昼食にした。

 その後帰りのルートについて話し合い、そのまま清滝小屋の方から帰るか、エスケープルートとして考えていた白井差への道から帰るかを考えた。エスケープルートはさっき迷った道から分かれる道なので、また迷うのではと心配になったが、清滝小屋ルートより1時間あまり短いので満場一致で、エスケープルートを選択した。だが、いつのまにか清滝小屋方面の道に迷い込んでいて、またもや士気が下がったが、道に迷わなくて良かったと思い直した。

 1本半で清滝小屋に着いた。昨日は暗かったのでよく見えなかったが、かなり立派な小屋で驚いた。一見すると、営業を中止して避難小屋になっているとは思えなかった。炊事場も充実していた。そこからの下りはテンポよく行き、順調に下山した。

 今回の山行は道に迷った。一応ダメージは少なかったものの、次からは迷わないようにしていきたい。装備に関しては、1人米を忘れてしまったが、テント張りも撤収もスムーズだった。新編成ではかなり良い出来だったと思う。


《「稜線」第31号(2009年度)所載》

両神山山頂にて 両神山山頂にて


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