2007年 1年生山行 山行記

筆者 S・K (1年生)

 今年は一年生山行があり、僕たち一年生はF先生、OBのK先輩と共に日光へ行った。当然、この山行では炊事等あらゆる事を一年生が中心となってこなさなければならない。また夏休み中ろくな運動をやっていなかったこともあり、体力面での不安も抱えながら今回の山行に臨んだ。



9月3日 〈1日目〉

 集合は浅草駅。夏の合宿でとても忘れ物の多かった僕だが、ここに来るまでに早くも一つ忘れ物に気づいてしまい自分の迂闊さに腹が立った。

 全員集合時間に間に合い日光へと向かった。現地に着き少しのんびりして、湯元温泉行きのバスに乗った。幕営するのは湯元のキャンプ場だが、今日は赤沼というところで降り戦場ヶ原をハイキングする行程でそこへ向かう。初日は山に登らないのである。

 下車ししばらくしてから歩き出した。以前来たことのある道を懐かしく思いつつ、木道を歩く。
 途中眺めがよく気持ちのよい場所で昼食のため休憩をとった。しかし昼食を買いそびれていた僕は先輩からもらったパンと行動食のお菓子でもたせた。休憩中に先生から周囲の木の種類や地図の読み方のコツについて教えていただいた。
 その後一本で湯滝に着き、そこから少し歩くと湯ノ湖が見えた。この湖沿いにキャンプ場へ向かう。

 到着し一休みしてから、広い自由な感じのキャンプ地にテントを立てた。もちろん一年だけの作業である。フライが小さい気がしたが無事に設営完了。
 テント内に荷物を入れ、少しの疲れがとれると明日の歩き始めのコースの偵察に出かけた。今は使われていないリフトに沿い、登りにくい砂利道を登ると、明日登る方向に急な斜面がそびえたっていて少しため息が出た。

 温泉に入り、少し経ってから炊事に取り掛かる。メニューは無難にカレーライス。それでも不安でしょうがない。Tは飯炊きなので、Mと僕はルー作りである。しかし料理をすすめていくと焦げが浮き、炒め過ぎたたまねぎの色素が染み出たりしてルーを溶かす前からルーみたいな色になった。結果的にはルーを入れると見た目もまともになって味もおいしかったので安心した。飯もよく炊けていた。しかし、先生や先輩にかなり助けていただき、一年生を中心とした行動が出来なかった。

 食後にミーティングをし明日の準備をした。そして7時半就寝。起床時刻は3時半である。僕はすぐに眠りに落ちた。



9月4日 〈2日目〉

 二日目。朝食のうどんを食べ、食器を洗うため外へ出る。寒かったが満天の星空だった。この天気が続けばいいが……。
 体操をし、4時40分、予定より早めの出発。一年生山行ということで、先頭は僕とM、交代で務めることになった。

 前日の坂を上り、最初の急坂に差し掛かる。途中先輩の意見で順番を入れ替えたりし、二本目は僕が先頭になった。先頭はペース配分に気を使うのはもちろんだが、正しいルートを見つけるという仕事もある。前々からこれには自信がなく、実際何度か道を間違えてしまった。パーティの先頭で歩くことの難しさを理解した。
 やっと尾根に出たのは7時ごろ。ここからは白根山までたいした登りはない。

 天狗平を過ぎ休憩を入れ、前白根山頂まで来た。
 ここである問題が持ち上がる。このまま予定通り白根山を目指すか、すぐに五色山の方へ歩きショートカットするかである。つまり、このパーティの今の体力、ペースでは白根登頂は難しいということなのだ。結局エスケープすることにした。

 そうなると時間が有り余る。他の登山者のいない山頂で記念撮影をし30分ほどゆっくりした。よく晴れていて展望がすばらしく、うっすらと富士山も見えた。
 そしてようやく山頂を出発し五色山を目指す。途中で五色沼が見えた……。訪れる予定だったのだが。

 国境平までは両脇に草の生い茂る道があり、先頭だった僕のズボンは草の露でぬれた。
 9時20分、国境平で昼食をとる。
 ここからは下りだ。時間もたくさんあるが気を抜いてはいけない。

 そして出発。ぬかるんでいるところがあり滑ってしまったりしたが、割と順調に進んだ。
 50分経ってもいい場所が見つからないので急坂の途中で一息入れた。足場は良くなかったが、時間に余裕があるので少し長めの休憩をとり、再び歩き出す。
 もうすっすり急坂も終わり、地面も平らになってきたなと思ったら結構あっという間に車道に出てしまった。

 そしてテント場に着き少し休んで撤収した。その後バス停で解散式を行い、先生以外は温泉に入って帰途についた。

 全体を通しての感想として、一年生だけで出来たことが少なかった気がした。また体力面での問題で白根山を断念したことについては残念で、ふがいなくもあった。これからのトレーニングに一層力を入れようと決意した。
 これからの山行に向け、課題がいくつか見えた今回の山行であった。



《「稜線」第29号(2007年度)所載》

▲2007年度の山行一覧に戻る▲

▲以前の山行・目次に戻る▲

■ワンゲル・トップページに戻る■