2006年度 個人山行・三頭山 山行記

筆者 Y・M (1年生)

2007年2月11日

 今回
訪れたのは、奥多摩・三頭山である。出発前には、御前山、川苔山の時も特に問題は無かったため今回の行程も難無くこなせるだろうと考えていた。

 予定は、高尾駅集合小淵沢行の電車に乗るというものだった。この高尾駅、小淵沢行という組み合わせは、秋季第一山行の時と全く同じである。その時の惨事が思い出されるため、当日は余裕を持って到着。
 無事に集合し、上野原駅に着き、タクシーに乗り込む。中では、景色を見ながらくだらない事をひたすら考えていた。ウッ……。鶴峠に着いた時には既に手遅れ。車酔いをしていた。更に軽い腹痛まで襲ってくる始末。

 準備をし終え、入山。引き続き腹痛に襲われる。特に苦しそうな様子もないSやKに対し、初っ端からきつく感じる自分。不甲斐ない……。腹痛を紛らわすためにより集中して歩く。休憩を挟んだあとは雪に覆われた道をひたすら行く。凍結はしていなかったが、皆何度か足を滑らす。同じ道を何度も通っているような錯覚に襲われ嫌気が差してきた頃に、山頂へ向かいそうな雰囲気の道に出た。ここからは先頭を歩いた。先頭を歩いていつも感じるのは(いつもと言っても、数回しかしていないが)、「もう少しペースを上げて」と指摘されるかもしれない不安である。勿論適当に歩いてるわけではない。普段のペースでも限界の手前の手前くらいのスピードで歩いているため、ペースを上げたらへばってしまう可能性がある。だから先頭をするのが怖い時もしばしば。ちなみに「もう少しペースを下げて」の指摘は大歓迎。

 多少傾斜のきつい道を登っていくと、開けた所が見える。山頂であって欲しいという希望は見事打ち砕かれ、見えるはずだった景色の代わりに更に上へと続く階段の連続しているのが見えた。モチベーションが一気に下がりながらも階段を一歩一歩登っていく。東峰の展望台に到着。

 皆でカメラに景色を収めた後は避難小屋まで下りた。目の前には雪化粧をした富士山が壮大に聳え立っていたが、まずはトイレへ駆け込む(笑)。富士山を見ながらの食事はとても満足。カップラーメンにもかかわらず(だからこそ?)、ゆっくり、食事と景色を満喫した後は下山する準備をする。

 Kが軽アイゼンを装着していたので、私も装着した。が、これは失敗だった。次の一本では、凍結している所は勿論、雪すらほとんどない道を歩いた。斜面の方向を全く考慮していなかった。石と軽アイゼンが擦れ、頭の痛くなるような音が鳴る。軽アイゼンを外してからは、かなり順調。傾斜も程よい。あっという間に、車道に抜けた。

 数馬温泉に着き、時間を確認。「現在14:40」、「バスの時間15:17、次17:34」。ここで二つの選択肢があがった。「温泉にゆっくり浸かり、ゆっくり休み、17:34に乗る」「15:17のバスに乗り、早めに家に着き、ゆっくり休む」の2つ。私は3つめの選択肢「温泉に急いで入り、15:17のバスに乗る」というのを選んだ。SとKはゆっくりしていくらしい。半分駄目もとで浴場に飛び込んでいった。更衣室から出る時には時計は15:13を示していた。迷惑と分かっていながら、廊下を猛ダッシュ。

 しかし、努力虚しく温泉の自動扉から飛び出した時には、バスが発車してしまっていた。「温泉にゆっくり浸かれず、バスにも乗れず」最悪のパターン……。正に二兎を追う者は一兎をも得ず……。ん? バスが発車してしまっているはずのバス停に、まだ登山客が並んでいるのが見えた。頭が「?」で埋めつくされていたが、とりあえずバス停まで行ってみる。並んでいる人に聞いてみると、なんと臨時便が出ているらしい。2分後くらいに無事バスに乗ることができた、ラッキー。こんな事もありました。

 今回は無難にこなせた山行だと思う。もう1ランク上を目指し精進をしていこう思う。


《「稜線」第29号(2007年度)所載》

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