2006年度 個人山行・武甲山 山行記

筆者 A・S (1年生)

2007年1月23日

 4時30分起床。私にとってはこのうえなく早い時間の起床である。一通りの準備を済ませて5時過ぎに家を出た。向かうは集合場所の横瀬駅だ。行きがけのコンビニで購入したのはカップヌードルカレー。24時間営業万歳。

今回の個人山行1年生シリーズは奥武蔵、武甲山である。先輩方からは禿山だと聞いていたのだが、その分展望は素晴らしいようである。

 とりあえずは皆問題なく東飯能駅に集合した。ただ早く集合しすぎた私とMは駅で震えていたのを付け足しておこう。朝の冷え込みは下界でもなかなかのものだ。

 そこから皆ねむりこけながら電車に揺られる。一路横瀬駅を目指す。駅に着くと早速靴紐をしめて歩き出した。陽が上がって来たのでテンションも上がって来たようだ。駅から武甲山らしき山も見えている。駅前の地図をみるとなんだか山まで遠そうだけど、そんなこと気にしない気にしない。

 しばらくはなんということはない住宅地が続く。林道までオーダーも組まないでいいだろうと、アスファルトの上を闊歩するワンゲル部員3名。ひたすら歩く。そこの角を曲がってもまだ車道。もうすぐ林道に出てもいいんじゃあないか? いいえ、まだ車道。

 延々と続くアスファルトの道に辟易としながらも歩き続け、そうするうちに通っていたのは石灰を生産する工場地帯であった。煩雑に突き出た煙突やら資材やらがなんだか面白かった。映画の一シーンにでもなりそうな、白黒フィルムが似合うような、そんな光景を楽しみながら抜けるとついに林道である。

 余談であるが林道の途中で2匹の犬に遭遇した。この辺の別荘か民家で飼われているのだろうか、つぶらな瞳を私たちに向けて歩いてくるのだが、いかんせん怖い。なんとなく怖い。なぜだか私らのほうに寄ってくるのだ。噛まれはしないかと不安になって追い払おうとするのだが、一向に構わぬ様子で寄ってくる。隊列が少し乱れながら犬にせかされて林道を行く、小心者の高校生3名。犬は逃げるから付いてくるのだ。

 林道を抜けるとやっと登山道に入った。踏みしめる土の感触が心地よい。雪も薄く積もっていて、綺麗な景観であった。登っていると「○○丁目」と彫られた丁目石が目に入ってきた。だんだん上がっていくにつれて、数字も大きくなっていく。2、3時間も登ると数字が45あたりになった。もうすぐ頂上である。

 頂上に着くと、まず武甲御嶽神社がみえた。通り抜け、展望台へ行くと、これがまた素晴らしい展望である。晴れていて秩父一帯が見渡せた。写真を山頂にいた人に撮ってもらうと、待ちに待った昼食である。個人山行ではもう定番となったカップヌードルをつくり、しばらく無言で食べる。関係はないが、カップヌードルカレーにチョコレートの隠し味を入れてみた私の試みはもう少し評価されてもよかったと思う。味は別段変わらなかったが。

 その後はアイゼンを装着して下山。すぐに雪道は途切れて、アイゼンは鞄に戻ることとなる。2時間くらい歩いたただろうか、また林道にでて、しばらくすると駅に出た。

 林道に終始した山行だったなという話が上がった今回の山行であった。西武秩父駅から石灰岩がむき出しの武甲山を眺めて、帰途についた。


《「稜線」第29号(2007年度)所載》

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