2006年 秋季山行 山行記

筆者 Y・M (1年生)

10月21日 〈1日目〉

 今回の山行は気まずい雰囲気で始まった……。
 今回の集合場所は高尾駅の小淵沢行き電車の先頭であった。私は集合時間の約15分前に高尾駅に到着しOと、その後すぐSと合流し、ホームの先頭でA先輩とKの到着を待っていた。が、集合時刻間際になっても見あたらなかった。少し変だとは思ったが、A先輩は乗車予定の電車の出発時間ギリギリにつき、Kは少し遅れるとのことだったので大して気に止めなかった。
 結局雑談をしながら過ごしていたら、電車の発車する音が聞こえた。その電車の行き先を見てみた。小淵沢行きだった。慌ててその電車が止まっていた方へ行くとA先輩とKがいた。やらかしてしまった。集合場所を「小淵沢行き電車の先頭」ではなく「ホームの先頭」と勘違いしてしまっていたのだ。当然だが説教。今後は絶対にミスを犯してはならない。
 次に出る各駅停車の電車では後に着く予定だったA先生に心配を掛けてしまうので特急を使うというA先輩の判断により、特急で小淵沢に向かった。電車内で会話が交わされることは殆ど無かった。

 小淵沢駅に着き、再びA先輩の説教。その後A先生と合流。タクシーで観音平へ。到着し、昼食を食べ、登り始めた。
 青年小屋まで、同じような調子の緩やかな登りであった。今回が初山行であるKは少し辛そうであった。約3本で幕営地である青年小屋に到着。風が吹き付けて来るので非常に寒かったが、テントを設営を始めた。が、ペグを打ち込むのが上手くいかなかった。今まで部活の活動でテントを立てるのはやってきたが、ペグ打ちまでは練習していなかったのが原因である。「ペグ打ちを完璧に」山行後の課題壱。何とか設営も完了し、夕食まで時間があったので休憩。
 時間になり、食事の準備に取りかかる。今回の夕食のメニューはドライカレーだが、慣れない包丁に苦戦して野菜を切るのに一時間近く費やしてしまった。何とか完成したものの、少々味付けが足りなかった。勿論これは食料係である私の責任である。「食料の計画をしっかりと、包丁の練習」山行後の課題弐。
 食事を済ました後は反省会をし、就寝。明日に備えしっかり寝たかったが、寒さでなかなか寝つけなかった……。



10月22日 〈2日目〉

 寝たり起きたりを繰り返しているうちに起床時間になってしまった。スッキリしない朝であった。
 朝食はおしるこ。湯煎時に少し問題があったが完成。皆は軽く平らげていたが、私はお餅の固い部分とあんの処理に苦戦。温まるのは良かったが、余り選びたくないメニューになるだろう……。

 この後編笠山山頂で日の出を見る予定になっていた。テントの撤収は割とスムーズに終わり、青年小屋に荷物を置いて、空身の編笠山のピストンへ行動を移した。
 暗い中でゴーロ帯を進んで行った。途中でA先輩に「目印を探しながら歩け」のような事を言われたが、自分の足場を探すのに精一杯でそこまで気が回らなかった。そこを何とか抜け、割と緩やかな傾斜を登っていき山頂へ到着。
 天気が良かったので展望は良かったが、とても寒かった。防寒対策が甘かったことを実感。日の出までの時間を寒い中で待つことに。ここでトラブルが発生。Oが防寒着を持ってきていなかったことが発覚。A先輩とA先生の説教が入る。この時、また険悪な雰囲気にはならないで欲しい
 そのようなことをしている間に日が昇ってきた。綺麗な景色であった。記念写真を撮影後下り始めた。登りに来た道が太陽の日で明るく照らされ、だいぶ歩きやすかった。

 青年小屋に戻り、水を汲み、重いザックを背負い、権現岳に向けて歩き始める。1本目は今回の山行の中では一番急な登りであった。ペースを落とし気味だったためさほどきつくはなかった。2本目は小石のゴロゴロ転がっている道と岩場であった。私はこのような所は初めてで、正直かなり怖かった。別に高所恐怖症ではない(はずだ)が、もし足を滑らせたりしたら……なんて事を考えてしまう。へっぴり腰になりながらも(情けない……)なんとか権現岳山頂に着く。
 間近に見える赤岳を筆頭とする八ケ岳の山々や南アルプスの山々が一望できた。晴天の下で展望を見られたのは新歓山行以来、約5カ月ぶりである。

 十分満喫した後、甲斐大泉を目指し下り始めた。この1本はとてもきつかった。何度も躓きそうになり、前に離されては何とか追いつきを繰り返し、休憩。その休憩時間にはA先輩に体力的な面を指摘され、精神的にも弱い私の目はかすんだ……。「体力を鍛える」山行後の課題参。
 続いての下り2本目も1本目と同様な感じだった。ガクガクだった足を見かねて、A先生は早めの休憩兼昼食を提案(またまた情けない……)。昼食は定番の菓子パンとコーンスープ。特に問題はなかった。
 次からは少しペースを落としてもらい、次第に傾斜もなだらかになっていったので何とかついていけた。天女山手前で1本休憩を入れ再び出発。少し下ったところで舗道に出て甲斐大泉向けて歩いていく。足の裏の痛みがピークに達した。が、気を抜かずに歩き続けた。すると、つい最近見たばかりの甲斐大泉駅のホームが見えた。

 正直7月山行時のアクシデントもあり最後まで歩ききれるかさえ不安だった。何とか予定の行程どおりにいったが様々な課題が浮き彫りになった。次回は充実した山行になるよう課題を克服していかなければならない。


《「稜線」第29号(2007年度)所載》

▲2006年度の山行一覧に戻る▲

▲以前の山行・目次に戻る▲

■ワンゲル・トップページに戻る■