2000年 冬季日帰り山行 山行記

筆者 T・N (2年生)

2月6日(日)

 
朝7:20に集合。かなり早い時間にもかかわらず1人の遅刻者もでなかったのは驚きであった。

 ところで今回は、奥武蔵というワンゲルでもめったにいかない方面になっている。というのも、普段は中央沿線の山が多く、たまには違う方面にいって、普段と違う山の雰囲気あるいは景色を味わってみたいという部員の意見が反映された結果になっているからである。

 西武線、国際興業バスと乗り継いで、予定通りに名郷に到着。バスから一歩出るとあまりの暖かさに上着を一着脱いだ。前日の天気予報では降水確率50%であったが、まだ雨は降っていなかった。1本目、自分の中の予定では歩行時間1時間20分の天狗岩まで一気に登るつもりだったから、少し速めに登ることにした。サブザック行動なので、何とかなると思っていた。

 いっこうに終わらない林道を歩くことおよそ20分。地図上では林道わきの山道を歩くはずであったから、少し不安になってきた。しかし、道はこれしかなかったので更に歩き続けると、林道のわきに山道を発見。本来は、こちらを通るはずであったが、どうやら道を見逃していたらしい。リーダーとしてみんなに迷惑をかけたことを反省するとともに、自分の経験不足を痛烈に感じた。

 本格的な登山道に入ってからは、高い木々が周りの視界を遮り、景色は拝めない。淡々と歩くこと54分。当初は天狗岩まで行くつもりであったが、休憩はちやんと取ったほうが良いと言うことで断念した。やはり、当初の計画は多少無理があったらしい。

 2本目、最初のペースが多少速かつたので、ゆっくり歩くことにした。8分後、ごつごつした巨大な岩が積み重なっている天狗岩と呼ばれるところに着く。岩の上からは360度とは言えないが、それなりの景色は拝められた。更に進むと、だんだん登りがきつくなる。左側に張りめぐらされたフェンスに沿って終わりの見えない急な上りを登っているときは、誰もが、資料集に載っている38度線のあの写真を思い出していただろう。

 やっとの思いで、この急登を登りきると前武川岳に着いた。さすがにこの登りは他のメンバーも相当つらかった様子で、皆お疲れのご様子であった。

 前武川岳からはもう武川岳が見えていたので、出発してわずか15分で武川岳に着いてしまった。武川岳からは、大持山から有間山の稜線がよく見えたが、特に北西に堂々とそびえる武甲山が印象的であった。

 ここで昼食をとり写真撮影をすませてやっと落ち着けると思ったら、何とN・Nのカメラのフィルムが無いことが発覚した。これには一同ただただ笑うしかなかった。

 ハプニングもあったが、長めの休憩でだいぶ落ち着いたので焼山に向かうことにした。ここでF先生はひざの調子があまりよくないので、武川峠経由で名郷へ降りられることになった。

 ここからの尾根道は急登降が多かった。特に下りは地面が滑りやすく、木々につかまりながら降りなければならない様子であった。さらに雪も積もっていたので一層の注意が必要であった。急登降を繰り返すこと1時間21分。なんと焼山の先の雄岳へ着いてしまった。焼山は今回のコースの中で最も展望が良いとされるところであって、一番楽しみにしていた所でもあった。慌てて地図を見て今まできた道を思い出してみるも、道を間違えたわけでもないし、武川岳からは1本道で他に分岐はなかった。結局原因はわからなかったが、ここまで来てしまったので先を進むことにした。

 7分後、雌岳へ着いた。展望は一部が開けていたが、カメラも無いのでさっさと下ることにした。

 途中休憩を1本はさみ沢伝いに下る。電車の時刻が気になるが、武川岳の時点で計画の電車を1本遅らせているので、多少余裕があった。下りきって少し登るとそこから西武線の線路が姿をあらわした。その瞬間、今までの疲れが一瞬で吹き飛んだ。やっと終わりが見えた、そんな感じがした。そこからはもう10分で駅に直接着いた。

 今回は今までの山行では珍しく林道歩きが全く無かったので、足に負担が全然かからなかった。しかし、全体を通してみると登り下りともになかなか歩き応えのあるコースであった。また、低山といえども頂上からの景色は最高であった。ただ残念なのは、やはり焼山の眺望がえられなかったことであろう。また、もう少し時間があれば伊豆ヶ岳へも登ってみたかった。

 ちなみに、F先生は当初名郷へ下りられる予定だったが、ひざの調子がそんなに悪くなかったということで、伊豆ヶ岳へ登られたそうだ。それがちょっとうらやましかった。


《「稜線」第22号(2000年度)所載》

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