平成21年3月13日
始業式で担任が発表されると、男子21名 女子22名 計43名の生徒の目が一斉に私を凝視しました。そんな中でとなりの生徒とに話しかけている生徒と背丈が大きい生徒が目につきました。背丈が大きな生徒はHS君で姿勢がよくじっと私を見ていました。彼は非常に几帳面な性格で授業中やその他の活動でも真面目にやっていました。そわそわしていたのがHH君でしたが愛嬌のある顔をしていました。
教室で挨拶をし自分の名前を板書して自己紹介してから、生徒の名前を読みあげると全員から元気な返事が返ってきました。名前を呼んでいる間もHH君はとなりの生徒に話しかけていましした。
彼は4歳下の弟との二人兄弟でした。彼が小学校の時父親が病気で入院するなど家庭の状態が大変でした。また彼が高校生の時父親が亡くなりました。小学校の時、お母さんの話によると、授業中うるさかったり、掃除をさぼっていたりする等の度に先生から呼び出され注意されたとのことでした。
しかし、小学校の先生は、彼は柔順だが動作がにぶく意欲が乏しい子どもだと言っておられました。お母さんの言っておられたことと中学での様子と全く矛盾しました。
彼は授業中、手持無沙汰なために隣の生徒に話しかけたりするのでよく注意をしました。また、掃除なども時々さぼるので注意しました。だけどお茶目で憎めいない子どもでしたので教室の雰囲気を和やかにしてくれました。
私は数学を教えていたのですが、学習意欲があり理解するのが早いために分かってしまうと手持ち無沙汰になるのでした。他の教科の先生も同じことを言っておられました。生徒全員に発展問題等を用意しておいて与えればよかったのにと後で反省しました。以後は個に即した授業をするように心がけました。
部活は私が顧問をしていたバレーボール部に入部するように進めると了承し入部しました。選手になれなくても一生懸命直向きに練習したり球拾いをしたりしていました。
どの生徒との出会いでも心に残っていることが沢山あります。同じように彼との出会いでも心に残っていることが沢山あります。彼も今でも忘れられないことが沢山あるようです。
そんなことから、最近年1回会って酒を酌み交す機会がありますが、必ず自分の仕事(現在、環境問題に取り組んでいるとのこと)や子どもの教育など(2人の女の子の父親です)についての自分の思いを話してくれます。またつもる話の中で「先生中学の時僕に○○してくれたんだけれど、どうしてですか今でも分からないんだけど」等とにこにこしながら話しかけてきます。53才になっても、謙虚で思いやりのある心根は中学生のときのままです。
今度東京で酒を酌み交す約束をしたので楽しみにしています。
TYさんとは、30年以上年賀状のやり取りをしております。
TYさんは口数が少ない生徒でしたが、芯はしっかりしていて勉強など何事についても地道にやるタイプでした。ご両親は進路を私に一任されTYさんも私の意見に耳を傾け納得して自分の道を進みました。今でも彼女の姿が脳裏に閃きます。今では良き親として家を守り確かな道を歩んでいることでしょう。
パソコンが壊れたので、メールアドレスとホームページアドレスは次のようにかわりました。
「snorirei@janis.or.jp」 「http://www.janis.or.jp/users/snorirei」