固体センサの感度表記

感度と応答度

“感度：Sensitivity”という表現は一般的であるが、この表記ではスペクトラム的な明確な定義がなされておらず、あいまいさがぬぐえない。　

コダックにおいてはスペクトラムを考慮にいれたより物理的な量である“応答度：Resposivity”での表記表記を用いているがセンサにより表記が異なり不便である。　参考のため以下にその換算方法を示すのでご利用いただきたい。

QE表記（古くからのほとんどのセンサ）

電荷変換係数とQEからの出力電圧を換算

R(λ)＝A・（dＶ/dＮ）・ＱＥ(λ)÷Ｅp(λ)＝A・（dＶ/dＮ）・ＱＥ(λ)・（λ/hc）・・（１）

Ｖ_out＝Ｔ_int･∫R(λ)･Ｉ(λ)ｄλ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・（２）

　　　R(λ)＝Spectral Responsivity＝分光応答度（V／μJ／cm²）

A＝Pixel Active Area＝画素の有効領域（μｍ²）

dV/dN＝Output Sensitivity­＝電荷変換係数（μV/e-：データシート）

ＱＥ(λ)＝Quantum Efficiency＝量子効率（データシートの表）

Ep(λ)＝hc/λ＝光のエネルギー（J＝W･ｓ^-1）

　　　Ｉ(λ)＝Spectral Irradiance＝分光放射照度（W/m²-nm）

　　　Ｔ_int＝蓄積時間

　　　ｈ＝プランク定数＝6.62606876x10^-34（Ｊ･ｓ）

　　　ｃ＝真空中での光速度＝2.99792458x10⁸（m･ｓ^-1）

分光放射照度をサンサ面への入射光とすればセンサ出力が上記換算式で得られる。

Spectral Responsivity（分光応答度）表記（一部新しいセンサとKLIセンサ）

上記QEの替わりにλの関数としての応答度（R(λ)＝V／μJ／cm²）で表記がされている。　

上記（２）式よりQEを用いず直接計算できる。

V／lx･sec表記；C-MOSでの表記

　Vout＝Ｔ_int･R・Ev

Ｒ=Resposivity＝応答度（V／lx-sec）

　　　Ev＝Illuminance＝照度（lx）（センサ感光面での入射照度）

国産センサの表記

実際の光源、フィルタ条件のもとでの実測値での表記が多い。